2023年F1カレンダーは移動距離の短縮を重視して構成。不合理な連戦をなくす方向

 F1のCEOを務めるステファノ・ドメニカリは、F1関係者の負担をできるだけ軽減し、環境に配慮するため、グランプリ間の移動距離をできるだけ短くすることを念頭において、2023年F1カレンダーのプランを立てている。しかしなかには、日程を大幅に動かすことに否定的なレース主催者もいる。

 マイアミGPの主催者は、5月初旬の開催枠を6月のカナダGP前後に移動させようとする動きに抵抗するため、現地の気候条件や、6月には他のイベントとぶつかってしまうといった事情を引き合いに出しながら、5月開催を維持したいという意向を示した。しかし、モナコの週末、ドメニカリと接触していたチームの代表者たちは、ハードロックスタジアム周辺で行われるマイアミGPの日程が今年より1カ月遅くなる可能性は非常に高く、これは全10チームの全面的な支持を得ていると明かした。

F1モナコGPでの優勝経験を持つフェルスタッペン「いつか耐久レースをやるつもり」と語るも3冠達成には関心なし

 マックス・フェルスタッペン(レッドブル)は、モータースポーツにおける3冠達成の野望はまったく持ち合わせていないという。彼はインディアナポリス500のレースで手足や命を危険にさらすつもりはないのだ。

 モータースポーツにおける究極の偉業は、F1モナコGPとル・マン24時間レース、そしてインディ500で優勝することだ。これはひとりのドライバー、すなわち偉大なグラハム・ヒルしか達成していない。フェルナンド・アロンソとファン・パブロ・モントーヤのふたりのドライバーが、3冠の名声に到達しようとしたが、3つのうちふたつのレースでしか優勝していない。

契約延長のペレス「チームとして僕たちは大きな勢いをつけた」僚友フェルスタッペンとの関係が成長の助けに

 セルジオ・ペレスはF1第7戦モナコGPで勝利を収めた興奮のなかでレッドブルとの新契約を明かしたが、正式に発表されたのはつい先日の5月31日(火)のことだ。チェッカーフラッグを受けた直後、ペレスは無線で次のようにチームに伝えた。

「契約は早すぎたかもね!」

 レース後、ペレスは自身の大胆な発言を詳しく説明しようとはしなかったが、契約が合意に達したのは明らかだった。

【F1チームの戦い方:小松礼雄コラム第7回前編】VF-22の絶対的な速さが向上。ミックは逆境のなかQ3進出を達成

 2022年シーズンで7年目を迎えたハースF1チームと小松礼雄エンジニアリングディレクター。シーズン開幕前のプレシーズンテスト以来となるバルセロナ-カタロニア・サーキットでは、ミック・シューマッハーが予選でQ3に進み、予選アタックに課題を抱えるシューマッハーにとって大きな一歩になった。一方ケビン・マグヌッセンは得意のスタートでポジションを上げようとしたものの、他者との接触でダメージを負い後退し、入賞とはならなかった。

 コラム第7回は、前編・後編の2本立てでお届け。前編となる今回は、スペインGPの現場の事情を小松エンジニアが振り返ります。

F1モナコGP:FIAのレースコントロールに批判。スタートシステムの問題をレース後まで明かさず

 元F1ドライバーで、現在『Sky F1』の解説者を務めるマーティン・ブランドルは、F1第7戦モナコGP決勝が悪天候で混乱するなか、FIAが正しい情報を発表するのが遅れたとして、批判的な発言を行った。

 レースコントロールは、雨のためにスタートを2回ディレイした。まず元々のスタート時刻から9分遅れでセーフティカー先導のもとでフォーメイションラップがスタート。だが、雨が激しくなってきたことで、赤旗に。その後、長時間にわたり中断され、元々のスタート時刻から65分後にようやくレースがスタートした。この時、ウエットコンディションのため、セーフティカー先導でコースインし、ローリングスタートが用いられた。その後、ミック・シューマッハーが大クラッシュを喫し、再びレースは中断。その後のリスタートでもローリングスタートが採用された。

ガスリー、F1ドライバーは「アーティストのようなもの」追い抜きのためには“創造性”が必要と語る/F1第7戦

 アルファタウリのピエール・ガスリーは、2022年F1第7戦モナコGP決勝の序盤に一連の印象的なオーバーテイクを成功させるには、自分の内なる「アーティスト」が「創造性」を発揮しなければならなかったと語った。

 モナコGPでのガスリーは、すべてのフリー走行で余裕のトップ10入りを果たし、予選と決勝レースでの走りにも大きな期待が高まっていた。しかし残念なことに、予選Q1でアクシデントが発生し、その後チームが彼をセッションに送り出す決断が遅れたために、日曜日の決勝レースは17番手という腹立たしいグリッド順でのスタートとなった。

モナコでは「5秒遅れのマシンを追い抜けない」とメルセデスF1代表。レイアウト変更は“希望的観測”と期待せず

 メルセデスF1のチーム代表であるトト・ウォルフは、今後モナコのレイアウトを調整してオーバーテイクを改善するという話は、「希望的観測」である可能性が高いと述べている。

 ウォルフは、先日行われたF1第7戦モナコGPの後、ルイス・ハミルトンと同様に苛立っていた。ハミルトンは午後のほとんどを、フェルナンド・アロンソ(アルピーヌ)のリヤウイングを見詰めて過ごしたのだ。アロンソはレースのある段階では、7度の世界チャンピオンであるハミルトンより5秒遅かったものの、ハミルトンはアロンソを追い抜く道を見つけることができなかった。

リカルドにマクラーレンF1早期離脱のうわさ。ネガティブな発言を繰り返すボスをバトンが批判「ドライバーを守るべき」

 2009年F1チャンピオンのジェンソン・バトンは、マクラーレン・レーシングのCEOザク・ブラウンが、ダニエル・リカルドのパフォーマンスについてネガティブな発言をしたことは、良い効果を生まないとして批判した。

 F1モナコGP前に、ブラウンは『Sky Sports』のインタビューにおいて、2021年に加入したリカルドは、チームの期待に応えるパフォーマンスを見せていないと述べた。

レッドブルF1復帰への道を絶たれたガスリーは移籍を検討へ。主な候補は2チーム

 セルジオ・ペレスがレッドブル・レーシングと2024年末までの2年にわたる契約更新を行ったことが発表された。この契約がF1ドライバーマーケットに与える影響は大きいだろう。

 現在レッドブルとの契約下でアルファタウリで走るピエール・ガスリーは、少なくとも2024年末まではレッドブルに戻れる可能性がなくなった。ガスリーはアルファタウリで走り続ける可能性もあるものの、他のチームと交渉をスタートし、他の選択肢を探ることになるだろう。