レッドブルF1はマシンの軽量化に苦戦も「最低重量に到達すればコンマ数秒の余力を持てる」とマルコが主張

 レッドブルのモータースポーツアドバイザーを務めるヘルムート・マルコは、RB18にはコンマ数秒の余力があり、マシンが最低重量に到達した時にその力が発揮されるだろうと述べている。

 他の多くのチームと同様に、レッドブルは新世代マシンの重量を落とすことに苦戦している。RB18はまだF1の最低重量基準である798kgに達していない。これまでのところ、チャンピオンシップリーダーのマックス・フェルスタッペンはチームに4回の優勝をもたらしており、チームメイトのセルジオ・ペレスは2022年のチームの業績に4回目のモナコGP優勝を加えた。

「バクーにはやり残した仕事がある」昨年アクシデントで逃した優勝を狙うフェルスタッペン/F1第8戦プレビュー

 F1のドライバーズ選手権で首位に立っているレッドブルのマックス・フェルスタッペンは、今週末の第8戦アゼルバイジャンGPに向けバクーを訪れることを楽しみにしていると語ったが、その一方で「やり残した仕事がある」とも述べた。

 2021年のアゼルバイジャンGPでは、フェルスタッペンはそのシーズン3度目の優勝に向けてレースで圧倒的なリードを保っていたが、メインストレートでタイヤがパンクし、チェッカーフラッグまであと6周のところでウォールに激突した。フェルスタッペンのライバルであるルイス・ハミルトン(レッドブル)もレースのリスタート後に不運に見舞われ、やはりバクーを手ぶらで去ることになった。その日のレッドブルを救ったのは、セルジオ・ペレスだった。

ガスリー、ペレス残留を冷静に受け止め、将来を検討へ「望みは優勝争い。全選択肢を吟味し、レッドブルF1と話し合う」

 アルファタウリF1のピエール・ガスリーは、レッドブルがセルジオ・ペレスとの契約を2024年末まで延長したことは「理にかなった」決断であると語った。少なくともあと2年はレッドブルに昇格する可能性がなくなったガスリーは、将来についてあらゆる選択肢を検討するとも述べている。

 ガスリーは2019年にトロロッソ(現アルファタウリ)からレッドブルに昇格されたが、上層部はそのパフォーマンスに不満を持ち、シーズン半ばにトロロッソに戻された。しかし、それ以来ガスリーは、2019年ブラジルGPの2位、2020年イタリアGPの優勝、2021年アゼルバイジャンGPの3位など、好結果を挙げており、多くの人々からより高い評価を受けるようになった。

ガスリーはフリーエージェントに。レッドブルF1は2025年以降を見据え、角田裕毅と新人のペアをアルファタウリに起用か

 レッドブルのモータースポーツコンサルタント、ヘルムート・マルコが、現在レッドブルは、アルファタウリに所属するピエール・ガスリーと2023年末までの契約を結んでいると強調した。レッドブル・レーシングがセルジオ・ペレスと2024年末までの契約を発表したことで、ガスリーは近い将来、レッドブルに復帰する可能性はなくなり、他チームへの移籍を本格的に検討するものとみられるが、その動きを牽制しているようにみえる。

 マルコはガスリーの将来について、『formel1.de』に対し、「ペレスと契約を結ぶ前に、私はもちろんガスリーと話をした」とコメントした。

F1技術解説:第7戦(1)本来負けるはずがなかったフェラーリ。F1-75が持つ明らかな優位性

 2022年F1第7戦モナコGPで各チームが走らせたマシンを、F1i.comの技術分野を担当するニコラス・カルペンティエルが観察し、印象に残った点などについて解説。第1回では、フェラーリF1-75のレッドブルRB18に対する優位性を分析する。

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 モナコでのフェラーリは最高のマシンを持ちながら、戦略的に失敗した。少なくとも予選までの、ドライ路面のモナコでは、F1-75は低速コーナーからの脱出の速さという特徴を遺憾なく発揮していた。

フェルスタッペン、F1を離れた後にチームに留まることには興味を持たず「ドライブしないなら、他の楽しいことをしたい」

 マックス・フェルスタッペン(レッドブル)はドライバーとしてF1を離れた後、F1で活動を続けることはないと述べ、コンサルタントやチームアドバイザーとしてパドックに出入りすることへの野心はないと述べている。

 現世界チャンピオンであるフェルスタッペンは2015年にF1でのキャリアを開始し、これまでのところ24回の優勝を飾り、世界選手権タイトルを獲得している。フェルスタッペンのファンは、少なくとも現在のレッドブル・レーシングとの契約期限である2028年まで、フェルスタッペンが彼らを楽しませ続けてくれると安心できるだろう。

【中野信治のF1分析/第7戦】裏目に出た王道戦略。契約延長のペレスの活躍と来季の昇格が消えた角田裕毅に求めるもの

 2022年シーズンのF1は新規定によるマシンの導入で昨年までとは勢力図もレース展開も大きく変更。その世界最高峰のトップバトル、そして日本期待の角田裕毅の2年目の活躍を元F1ドライバーでホンダの若手育成を担当する中野信治氏が独自の視点でレースを振り返ります。今回の第7戦モナコGPは大雨のスタートとなった決勝で、路面がどんどん変わっていくなか、チームの戦略が大きなポイントとなりました。レース後にはレッドブルがペレスとの契約延長を発表したニュースを踏まえ、中野氏が解説します。

フェルスタッペン、選手権の差は気にせずパフォーマンスを重視「優れたF1マシンは自信を与えてくれる」

 レッドブルのマックス・フェルスタッペンは、通常はシーズン序盤にF1ドライバーズ選手権に関心を持つことはないと述べ、唯一の関心事はマシンのパフォーマンスだけだと主張している。

 F1第7戦モナコGPを3位でフィニッシュしたフェルスタッペンは、ドライバーズ選手権におけるフェラーリのシャルル・ルクレールとの差を9ポイントに広げた。一方でチームメイトのセルジオ・ペレスは、モナコでの優勝のおかげでフェルスタッペンに15ポイント差まで追いついてきた。

【F1インタビュー】レッドブルの総合力で掴んだモナコでの勝利「攻め続けたペレスの速さがチームを動かした」と山本氏

 2022年F1第7戦モナコGPでは、レッドブルのセルジオ・ペレスが3番グリッドから逆転で優勝を飾った。モナコGPをメキシコ人ドライバーが制したのはこれが初めてのことだ。マックス・フェルスタッペンも3位に入賞し、モナコでダブル表彰台を獲得したレッドブルについて、現場を訪れていた元ホンダの山本雅史氏は、チームの総合力が求められる場面で「レッドブルはしっかりしていた」と振り返った。

F1モナコGPでの優勝経験を持つフェルスタッペン「いつか耐久レースをやるつもり」と語るも3冠達成には関心なし

 マックス・フェルスタッペン(レッドブル)は、モータースポーツにおける3冠達成の野望はまったく持ち合わせていないという。彼はインディアナポリス500のレースで手足や命を危険にさらすつもりはないのだ。

 モータースポーツにおける究極の偉業は、F1モナコGPとル・マン24時間レース、そしてインディ500で優勝することだ。これはひとりのドライバー、すなわち偉大なグラハム・ヒルしか達成していない。フェルナンド・アロンソとファン・パブロ・モントーヤのふたりのドライバーが、3冠の名声に到達しようとしたが、3つのうちふたつのレースでしか優勝していない。