ガスリーをアルファタウリF1に残留させたいレッドブル。ジュニアドライバーに後任の適任者なし

 レッドブル・レーシングが、セルジオ・ペレスとの契約を2024年末まで延長したことで、現在アルファタウリで走るピエール・ガスリーは、近い将来、レッドブルに昇格する可能性がなくなり、レッドブルファミリー離脱を考えるものとみられている。ガスリーが移籍する場合、レッドブルのモータースポーツコンサルタント、ヘルムート・マルコは後任を探す必要がある。

 現在レッドブル・ジュニアチームのドライバーでF2選手権に参戦しているのは、リアム・ローソン、ユアン・ダルバラ、ユーリ・ビップス、デニス・ハウガー、岩佐歩夢の5人だ。しかしこのなかにガスリーの後任にふさわしいドライバーがいるかどうかが問題だ。3人はF2で比較的長く走りながら、目立った成績を残していない。他のふたりは今年F2に昇格したばかりで、経験不足だ。

フェルスタッペンへの抗議で明白になった規則変更。F1レースディレクターが文書を「カット&ペースト」で混乱発生

 F1モナコGP決勝で、マックス・フェルスタッペン(レッドブル)はピットアウト時にピットレーン出口のラインを踏み、タイヤの一部がラインの外に出たものの、ペナルティを受けなかった。国際モータースポーツ競技規則の文言が変更されたことが周知されていなかったために混乱が起きた。

 フェルスタッペンとセルジオ・ペレス(レッドブル)が共に、ピット出口のイエローラインの右側を維持しなかったとして、フェラーリは抗議を行った。

【全ドライバー独自採点/F1第7戦】一貫してフェルスタッペンより速かったペレス。角田はドライ3種で戦うも好転せず

 長年F1を取材しているベテランジャーナリスト、ルイス・バスコンセロス氏が、全20人のドライバーのグランプリウイークエンドの戦いを詳細にチェック、独自の視点でそれぞれを10段階で評価する。

 2022年F1第7戦モナコGPは、決勝スタート直前に雨が降り出し、レース中に路面が乾いていくという難しいコンディションに。シャルル・ルクレール(フェラーリ)はポールポジションから余裕の勝利を飾るかに思われたが、フェラーリが適切なピットストップ戦略で対応することができず、まさかの4位に沈んだ。優勝したのは、週末を通してチームメイトのマックス・フェルスタッペン(レッドブル)より速さがあったセルジオ・ペレス(レッドブル)だった。モナコGPでのそれぞれのドライバーたちの戦いぶりを、バスコンセロス氏が振り返る。

ニューウェイ、F1マシンの大型・重量化を批判「間違った方向に進んでいる」

 レッドブル・レーシングのチーフテクニカルオフィサーを務めるエイドリアン・ニューウェイは、レギュレーション変更によって、マシンがより大きく、重くなり、空力効率が優れていないものに変化していることについて、F1は間違った方向に進んでいると主張した。

 F1は、オーバーテイクならびにコース上でのショーを改善する一方で、チーム間の序列をリセットすることを目的に、2022年に大規模なレギュレーション変更を行った。F1のスポーツ担当マネージングディレクターを務めるロス・ブラウンと、彼のエンジニアチームが膨大な研究とチームとの協議を行って生み出した新レギュレーションで、これまでのところ、目標は概ね達成されている。

アロンソ、今もオーストラリアのクラッシュによる影響に苦しむ「手首の骨も靭帯もひどい状態」

 アルピーヌのフェルナンド・アロンソは、F1第3戦オーストラリアGP予選でのクラッシュの影響で、今も手首の痛みを抱えていると明かした。治るには数カ月かかる見込みだという。

 オーストラリアの予選中、マシンにハイドロリック系のトラブルが発生、アロンソはウォールに激しくヒットした。その際にアロンソは手首を傷めてしまった。

今季の予算は「ある段階で上限を超過する」とフェラーリF1代表。一方で中団勢は“開発の調整”で対策すべきと反論

 フェラーリF1のチーム代表を務めるマッティア・ビノットは、チームの今シーズンの支出がF1の予算制限額である1億4000万ドル(約178億円)に「収まる見込みはない」と断言している。

 ビノットの主張は、レッドブルのクリスチャン・ホーナー代表や、マクラーレンF1チームのマネージングディレクターであるアンドレアス・ザイドルの、最近の同様の発言に続くものだ。急激なインフレ、エネルギーコストや運賃の上昇、世界的なサプライチェーンの問題によって、今シーズンはすべてのチームに大きな財政的負担がかかっている。

アロンソ、シューマッハー車が大破した要因として“新F1マシンの重量増加”を指摘「衝突時の慣性がより大きくなった」

 アルピーヌのフェルナンド・アロンソは、F1第7戦モナコGPでミック・シューマッハー(ハース)のシャシーが衝撃で真っ二つになった要因は、F1の新世代マシンの重量増加だと考えている。

 モナコGP決勝レースの24周目、シューマッハーはターン14の出口でVF-22のコントロールを失い、スピンしてテックプロバリアに激しく衝突した。22Gの衝撃によってシューマッハーのマシンは粉砕され、ギヤボックスの部品がシャシーから外れてしまった。幸いシューマッハーは無傷でマシンを降りることができたが、多くのドライバーたちが当初、そのダメージの大きさから彼の状況を心配したのは当然のことだった。

ルクレールを1周抑えたアルボンは「ペナルティを科されるべきだった」と元F1ドライバーが指摘/F1第7戦

 元F1ドライバーのジョリオン・パーマーは、5月29日(日)に行われたF1第7戦モナコGPの決勝について、レース結果を左右しかねないような走りを行ったドライバーに対して、スチュワードは制裁を科すべきだったと語った。

 現在『F1 TV』のコメンテーターを務めるパーマーは、レース序盤にフェラーリのシャルル・ルクレールを妨害したアレクサンダー・アルボン(ウイリアムズ)をそのまま走らせたとして、FIAを批判した。

【F1インタビュー】レッドブルの総合力で掴んだモナコでの勝利「攻め続けたペレスの速さがチームを動かした」と山本氏

 2022年F1第7戦モナコGPでは、レッドブルのセルジオ・ペレスが3番グリッドから逆転で優勝を飾った。モナコGPをメキシコ人ドライバーが制したのはこれが初めてのことだ。マックス・フェルスタッペンも3位に入賞し、モナコでダブル表彰台を獲得したレッドブルについて、現場を訪れていた元ホンダの山本雅史氏は、チームの総合力が求められる場面で「レッドブルはしっかりしていた」と振り返った。

フェラーリが2023年用F1フルウエットタイヤのテスト。非公開でルクレールとサインツが走行

 F1モナコGP後、スクーデリア・フェラーリは、ホームトラックのフィオラノで、F1-75により2023年用F1フルウエットタイヤのテストを行った。火曜にはカルロス・サインツ、水曜にはシャルル・ルクレールが走行した。

 フィオラノは、ポール・リカール同様、人工的に路面をウエット状態に保つシステムを備えているサーキットだ。

 モナコGPでは決勝が雨になり、2022年型フルウエットタイヤを全員が使用したが、マックス・フェルスタッペン、ルイス・ハミルトン、セバスチャン・ベッテルなど何人かのドライバーが、フルウエットタイヤは全くグリップがなかったと批判した。ハミルトンとベッテルは、昔、他のメーカーのタイヤでレースをしていた時代には、ウエットコンディションでもそれなりにグリップがあり、速く走れたと示唆する発言まで行った。