【利権と闘争】FIAの拒否権発動に衝撃受けるF1ボス。スプリントをめぐる関係者たちの思惑

 autosport web/F1速報公式サイトで長年連載してきた「ホンダF1甘口コラム」「ホンダF1辛口コラム」の「辛口」パートの執筆者ニック・リチャーズ氏が、F1の政治問題をテーマにするコラムをスタート。独自のシニカルな視点で時事に切り込む。

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 楽園のようなイギリスの片田舎でのんびりした時間を過ごしていた時、2023年F1スプリントレースの開催数を倍増するというプランに、FIAが拒否権を発動したと聞いて、私は椅子から転げ落ちそうになった。

 FIA会長が、商業権保有者の意向に背いたのを見たのは、1990年代初頭以来のことだ。当時はジャン-マリー・バレストルとバーニー・エクレストンが時たま衝突していた。それ以降、そういう状況にお目にかかることはなかったが、約30年たった今、モハメド・ビン・スライエムFIA会長が、ステファノ・ドメニカリF1 CEOの計画にストップをかけたのだ。これには本当に驚いた。

元F1王者エマーソン・フィッティパルディら3名がマイアミGPの公式アンバサダーに就任

 今週末の2022年F1第5戦マイアミGPにおいて、エマーソン・フィッティパルディ、マリオ・アンドレッティ、ファン・パブロ・モントーヤの3人がマイアミGPの公式アンバサダーを務めることが明らかになった。

 1972年と1974年のF1チャンピオンであるエマーソン・フィッティパルディは、長年マイアミに住んでおり、アンバサダーの任務にふさわしい人物だ。

メルセデスW13は失敗作か? 今後大幅モデファイで 速さを取り戻すことができるのか検証した

メルセデスW13は失敗作か?今後大幅モデファイで 速さを取り戻すことができるのか検証した

新シーズン開幕前は何かと噂されていたメルセデス。過激な設計のサイドポッドでアドバンテージを得るはずが、激しいポーポシングに悩まされ続けている。メルセデスは、速さを取り戻すことができるのか、元F1メカニック津川哲夫が私的解説する。

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【F1チームの戦い方:小松礼雄コラム第5回】アップダウンの激しいミック。予選のミスを取り戻せず、経験不足が影響した週末

 2022年シーズンで7年目を迎えたハースF1チームと小松礼雄エンジニアリングディレクター。イモラでは今年最初のスプリントが行われたが、金曜日から雨が降る難しい週末に。ケビン・マグヌッセンはスプリントとレースの両方でポイントを獲得したが、一方のミック・シューマッハーはスプリントこそうまくやれたものの、予選と決勝では経験不足が露呈したグランプリとなった。そんなエミリア・ロマーニャGPの現場の事情を小松エンジニアがお届けします。

フェルスタッペンへの“荒っぽい”という評価は不公平だとニューウェイ「彼はマシンに何ができるのかを分かっている」

 コース上でのマックス・フェルスタッペンの攻撃性は、ドライバー仲間やマーシャルとのトラブルにつながってきたが、レッドブルのチーフテクニカルオフィサーを務めるエイドリアン・ニューウェイは、フェルスタッペンが“荒っぽい”という評判は不公平なものだと述べている。

 F1マシンのステアリングを握った時の、フェルスタッペンの卓越した才能に異論はない。しかし最初からフェルスタッペンは、F1でのキャリアを通してレース技術にあるレベルの攻撃性をのぞかせてきた。そのため彼自身やライバルたちがぞっとするような瞬間があった。

【F1チーム代表の現場事情:メルセデス】怒りと謝罪。ハミルトンを指標に難局を乗り越えようとするウォルフの胸の内

 大きな責任を担うF1チーム首脳陣は、さまざまな問題に対処しながら毎レースウイークエンドを過ごしている。チームボスひとりひとりのコメントや行動から、直面している問題や彼のキャラクターを知ることができる。今回はメルセデス代表トト・ウォルフのエミリア・ロマーニャGPの週末を追った。

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 トト・ウォルフはこれまで何度も大きな試練を乗り越えてきた。だが今直面しているのはキャリア最大の難局かもしれない。

 彼のF1マネジメントキャリアを振り返ってみよう。まず当時苦戦を強いられ後退する一方だったウイリアムズに加入、同チームは2012年にパストール・マルドナドにより驚きの勝利を収めた。そしてウォルフがメルセデスに移った1年後、メルセデスはF1を席巻し始めた。

F1新規則導入の目標は「達成された」とノリスが評価。一方アロンソは現在もタイヤのダメージがあると問題視

 2022年シーズンの4戦が終わり、新レギュレーションは成功している。今年導入された新しい技術規則は、マシンが先行車を追いやすくし、オーバーテイクを増やすために策定された。この目標は達成されたようだ。

「そうだね、目標は達成されている」とマクラーレンのランド・ノリスは語った。

ハースF1のシートを逃したフィッティパルディ「ホームGPのマイアミに出場できないのは残念」

 ハースF1チームのリザーブドライバーを務めるピエトロ・フィッティパルディは、ニキータ・マゼピンの放出で空いたシートを獲得できなかった。この件において彼にとって辛かったのは「マイアミでレースをするチャンスを失ったことだ。僕はマイアミ生まれだからね」と話している。現時点でF1レギュラードライバーに昇格する道は見えていないが、「F1でフルタイムのシートを獲得するために努力を続ける」とフィッティパルディは明言した。

【角田裕毅を海外F1ライターが斬る:第4戦】絶好のタイミングで実力を証明。今後への期待が高まる

 2022年、アルファタウリの角田裕毅は、F1での2シーズン目を戦っている。昨年に続き、エディ・エディントン氏が、グランプリウイークエンドを通して角田の動きをくまなくチェックし、豊富な経験をもとに、彼の成長ぶり、あるいはどこに課題があるのかを忌憚なく指摘する。今回は2022年F1第4戦エミリア・ロマーニャGPについて語ってもらった。

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 私は自分が正しいと証明されたときにも、決して威張り散らしたりはしない。鋭い頭脳を持ち、それでいて矢のようにまっすぐで、自画自賛する立派な理由があるときでも、静かに淡々としている人間であることはご存じのとおりだ。──おいおい、何を笑っている。これは真面目な話だ。

F1技術解説:第4戦(2)新パーツ導入&軽量化でも改善が見られなかったメルセデス

 2022年F1第4戦エミリア・ロマーニャGPで各チームが走らせたマシンを、F1i.comの技術分野を担当するニコラス・カルペンティエルが観察、印象に残った点などについて解説する。第1回「なぜレッドブルRB18は格段に速かったのか」に続く第2回では、低迷から抜け出せずにいるメルセデスが入れたアップデートを紹介する。

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 ポーパシングを抑えようと地上高を上げたイモラでのメルセデスW13は、想定したダウンフォースを生み出すことができず、タイヤを暖めるために2周する必要があった。さらに予選ではカルロス・サインツのクラッシュによる赤旗と雨も加わり、ルイス・ハミルトンとジョージ・ラッセルは金曜日の予選はQ2に進むのが精一杯だった。