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 ハースF1チームのリザーブドライバーを務めるピエトロ・フィッティパルディは、ニキータ・マゼピンの放出で空いたシートを獲得できなかった。この件において彼にとって辛かったのは「マイアミでレースをするチャンスを失ったことだ。僕はマイアミ生まれだからね」と話している。現時点でF1レギュラードライバーに昇格する道は見えていないが、「F1でフルタイムのシートを獲得するために努力を続ける」とフィッティパルディは明言した。

 ロシアがウクライナに侵攻してすぐ、ハースはマゼピンを解雇。チーム代表のギュンター・シュタイナーは、バーレーンでのプレシーズンテストを前に、「ピエトロは第一の候補だ。彼は我々のリザーブドライバーであり、2年以上もチャンスを待っていたのだから」と語った。そのため、フィッティパルディは祖父のエマーソン、大伯父のウィルソン、従伯父のクリスチャンに次いで、3世代目の最初のドライバーになるという希望を膨らませていた。

 なんとしてもチャンスをつかみたかったフィッティパルディと彼のマネジメントは、迅速に1500万ドル(約19億円)の資金を調達してシュタイナーとジーン・ハースに話を持ちかけたが、最終的にチームはケビン・マグヌッセンを呼び戻すことを選んだ。ハース側は、チームの将来にとって重要となるシーズンをリードできる、経験豊富なドライバーが必要だと考えたのだ。

 フランスメディアのインタビューのなかで、フィッティパルディは当時の状況を次のように述べている。

「もう少しのところだったので、もちろん残念だった。ギュンターが電話をしてきて、ケビンか僕だと言った。最終的にチームは経験を選んだ。彼らはチームが置かれた状況のなかで、経験を必要としていたからだ」

「そのことは理解しているけれど、僕は自分に何ができたか分かっている。テストや走行できたセッションではいつもとても速かったし、僕たちは約束を守ることができただろう」

ピエトロ・フィッティパルディ(ハース)
2022年F1バーレーンテスト1日目 ピエトロ・フィッティパルディ(ハース)

 自分がハースのシートを獲得できていたら、マイアミGPにどのような影響があったと思うかと尋ねられたフィッティパルディは、「影響は大きかっただろうと思う」ときっぱり答えた。

「僕たちはブラジルと、アメリカからも多くのサポートを受けている。僕はマイアミで生まれたからだ。でもこれで終わったとは思っていないよ」

 フィッティパルディは「努力を続けて、今年のヨーロピアン・ル・マン・シリーズで好結果を出すことが重要だ。ル・マンでもね。そして将来がどうなるか見ていくよ」として、当面は他シリーズでの成功を目指すと語った。