【F1チームの戦い方:小松礼雄コラム第5回】アップダウンの激しいミック。予選のミスを取り戻せず、経験不足が影響した週末

 2022年シーズンで7年目を迎えたハースF1チームと小松礼雄エンジニアリングディレクター。イモラでは今年最初のスプリントが行われたが、金曜日から雨が降る難しい週末に。ケビン・マグヌッセンはスプリントとレースの両方でポイントを獲得したが、一方のミック・シューマッハーはスプリントこそうまくやれたものの、予選と決勝では経験不足が露呈したグランプリとなった。そんなエミリア・ロマーニャGPの現場の事情を小松エンジニアがお届けします。

フェルスタッペンへの“荒っぽい”という評価は不公平だとニューウェイ「彼はマシンに何ができるのかを分かっている」

 コース上でのマックス・フェルスタッペンの攻撃性は、ドライバー仲間やマーシャルとのトラブルにつながってきたが、レッドブルのチーフテクニカルオフィサーを務めるエイドリアン・ニューウェイは、フェルスタッペンが“荒っぽい”という評判は不公平なものだと述べている。

 F1マシンのステアリングを握った時の、フェルスタッペンの卓越した才能に異論はない。しかし最初からフェルスタッペンは、F1でのキャリアを通してレース技術にあるレベルの攻撃性をのぞかせてきた。そのため彼自身やライバルたちがぞっとするような瞬間があった。

【F1チーム代表の現場事情:メルセデス】怒りと謝罪。ハミルトンを指標に難局を乗り越えようとするウォルフの胸の内

 大きな責任を担うF1チーム首脳陣は、さまざまな問題に対処しながら毎レースウイークエンドを過ごしている。チームボスひとりひとりのコメントや行動から、直面している問題や彼のキャラクターを知ることができる。今回はメルセデス代表トト・ウォルフのエミリア・ロマーニャGPの週末を追った。

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 トト・ウォルフはこれまで何度も大きな試練を乗り越えてきた。だが今直面しているのはキャリア最大の難局かもしれない。

 彼のF1マネジメントキャリアを振り返ってみよう。まず当時苦戦を強いられ後退する一方だったウイリアムズに加入、同チームは2012年にパストール・マルドナドにより驚きの勝利を収めた。そしてウォルフがメルセデスに移った1年後、メルセデスはF1を席巻し始めた。

F1新規則導入の目標は「達成された」とノリスが評価。一方アロンソは現在もタイヤのダメージがあると問題視

 2022年シーズンの4戦が終わり、新レギュレーションは成功している。今年導入された新しい技術規則は、マシンが先行車を追いやすくし、オーバーテイクを増やすために策定された。この目標は達成されたようだ。

「そうだね、目標は達成されている」とマクラーレンのランド・ノリスは語った。

ハースF1のシートを逃したフィッティパルディ「ホームGPのマイアミに出場できないのは残念」

 ハースF1チームのリザーブドライバーを務めるピエトロ・フィッティパルディは、ニキータ・マゼピンの放出で空いたシートを獲得できなかった。この件において彼にとって辛かったのは「マイアミでレースをするチャンスを失ったことだ。僕はマイアミ生まれだからね」と話している。現時点でF1レギュラードライバーに昇格する道は見えていないが、「F1でフルタイムのシートを獲得するために努力を続ける」とフィッティパルディは明言した。

【角田裕毅を海外F1ライターが斬る:第4戦】絶好のタイミングで実力を証明。今後への期待が高まる

 2022年、アルファタウリの角田裕毅は、F1での2シーズン目を戦っている。昨年に続き、エディ・エディントン氏が、グランプリウイークエンドを通して角田の動きをくまなくチェックし、豊富な経験をもとに、彼の成長ぶり、あるいはどこに課題があるのかを忌憚なく指摘する。今回は2022年F1第4戦エミリア・ロマーニャGPについて語ってもらった。

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 私は自分が正しいと証明されたときにも、決して威張り散らしたりはしない。鋭い頭脳を持ち、それでいて矢のようにまっすぐで、自画自賛する立派な理由があるときでも、静かに淡々としている人間であることはご存じのとおりだ。──おいおい、何を笑っている。これは真面目な話だ。

F1技術解説:第4戦(2)新パーツ導入&軽量化でも改善が見られなかったメルセデス

 2022年F1第4戦エミリア・ロマーニャGPで各チームが走らせたマシンを、F1i.comの技術分野を担当するニコラス・カルペンティエルが観察、印象に残った点などについて解説する。第1回「なぜレッドブルRB18は格段に速かったのか」に続く第2回では、低迷から抜け出せずにいるメルセデスが入れたアップデートを紹介する。

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 ポーパシングを抑えようと地上高を上げたイモラでのメルセデスW13は、想定したダウンフォースを生み出すことができず、タイヤを暖めるために2周する必要があった。さらに予選ではカルロス・サインツのクラッシュによる赤旗と雨も加わり、ルイス・ハミルトンとジョージ・ラッセルは金曜日の予選はQ2に進むのが精一杯だった。

“走る歯科医”トニー・ブルックスが90歳で死去。F1で6度優勝

 1956年から1961年にF1に参戦し、6回の勝利を挙げたトニー・ブルックスが90歳で死去した。

 イギリス出身、1932年2月25日に生まれたブルックスは、“The Racing Dentist”(レースをする歯科医)として知られた人物で、歯学を学ぶ傍ら、レース活動を始め、F1にデビューした1956年に歯科医師資格を取得している。

F1ドライバーらがシミュレーターでマイアミを走行。ボッタスは「オーバーテイクしやすそうなコース」と好印象

 アルファロメオF1のバルテリ・ボッタスは、マイアミ・インターナショナル・オードトロームについて、今週末のF1初開催を控えて体験したシミュレーター走行に基づけば、ドライバーにとってはオーバーテイクのチャンスが多いコースだと考えている。

 長く待ち望まれた新会場でのレースに向けて、F1の各チームは次々とフロリダ州の“マジック・シティ”に到着している。2022年F1第5戦マイアミGPは、今年アメリカで開催される2戦のうちのひとつ目となる。