【全ドライバー独自採点/F1第5戦】タイトルを争うふたりが満点に近い走り。予選の強さを維持できなかった角田裕毅

 長年F1を取材しているベテランジャーナリスト、ルイス・バスコンセロス氏が、全20人のドライバーのグランプリウイークエンドの戦いを詳細にチェック、独自の視点でそれぞれを10段階で評価する。

 2022年F1第5戦マイアミGPでは、シャルル・ルクレール(フェラーリ)がポールポジションを獲得し、レース序盤をリード。しかし優勝したのは3番グリッドスタートのマックス・フェルスタッペン(レッドブル)だった。マイアミGPでのそれぞれのドライバーたちの戦いぶりを、バスコンセロス氏が振り返る。

F1マイアミGP主催者、コースレイアウトのへの批判を受けて改善を検討「必要に応じて改修を進める」

 F1マイアミGPプロジェクトの責任者を務めるトム・ガーフィンケルは、初開催のグランプリが終了した時点で、「コースをよりよくするために必要な改修はすべて行う用意がある」と語った。

 ガーフィンケルの発言は、週末の終わりに数人のF1ドライバーがコースレイアウトを批判したことを受けてのものだ。マイアミ・インターナショナル・オートドロームは、ハードロック・スタジアムの駐車場跡に建設されたもので、最後にかなりスピードが落ちるセクションがある。なかでもシケインに設けられた縁石は、F1の標準からすればかなり高くなっている。

タイの孤児院の子供と団結するため髪を赤く染めたアルボン、2度の入賞を達成「僕たちも僕自身も上り調子」

 ウイリアムズのアレクサンダー・アルボンはF1第5戦マイアミGPで今シーズン2回目のトップ10フィニッシュを果たしたが、この見事な結果には、ウイリアムズの彼のクルーたちが持ち合わせている、進歩していくためのあらゆる意志が伴っていた。

 先月のオーストラリアGPに先立ち、アルボンは髪を赤く染めた。それは彼が訪れたタイの孤児院の子供たちと連帯するためだった。子供たちはリバプールFCのファンであり、髪を赤く染めていたのだ。

アルピーヌCEO、アロンソへの2番目のペナルティに強い不満示す「受け入れがたい。釈明の機会も与えられなかった」

 アルピーヌのCEO、ローラン・ロッシは、F1マイアミGPでフェルナンド・アロンソにレース後に科されたペナルティに関して不満を表明、説明の機会を十分に与えられることがないままにポイントを奪われたと主張した。

 アロンソは8位でフィニッシュし、レース中に確定していた5秒加算のタイムペナルティにより、自動的に9位に降格された。このペナルティは、ピエール・ガスリー(アルファタウリ)との接触を起こしたことによるもので、アロンソ自身、自分に非があると認めている。

F1マイアミGPで接触リタイアのノリスとガスリーがアクシデントを振り返るも、見解は真っ二つ

 2022年F1第5戦マイアミGPの決勝レース終盤に発生したランド・ノリス(マクラーレン)とピエール・ガスリー(アルファタウリ)の接触について、ノリスはガスリーの不注意が原因だと主張したが、一方のガスリーは、ノリスのためにスペースを開けようとしていたと振り返っており、両者の見解は異なっている。

マイアミのシケインにドライバーらが不満を示すも、2位入賞のルクレールは「気に入っている」と語る/F1第5戦

 フェラーリのシャルル・ルクレールは、マイアミ・インターナショナル・オートドロームのセクター2の縁石について、「僕はおそらくグリッド上でこのシケインが好きな唯一のドライバーだ」と週末の終わりに語った。

 マイアミ・インターナショナル・オートドロームの最低速セクションの設計については、ドライバーたちから多くの批判が出ていた。まず木曜日に角田裕毅(アルファタウリ)がコースのその部分を「フォーミュラEセクション」と名付けたが、その名は残りの週末の間、他のドライバーの頭に残っていた。

F1マイアミGPで“メガ・スタート”を決めたアロンソ、鍵となったのはドライバーズパレード「アウト側がクリーンだと分かった」

 アルピーヌF1チームのフェルナンド・アロンソは、F1マイアミGP決勝スタート直後に大きくポジションを上げることができたのは、その日のドライバーズパレードの間に得た情報を活用したからだと明かした。

 11番グリッドのアロンソは、好スタートを決めて、ターン1までアウト側のラインを取り、角田裕毅(アルファタウリ)、ランド・ノリス(マクラーレン)を抜き、ルイス・ハミルトン(メルセデス)に接触した後、その前に出て、1周目に7番手に上がった。

【SNS特集】F1マイアミGP:ベッカムやジョーダン…パドックに集まったアスリート界の神々

 いまやアメリカでのF1人気が本物であることは、パドックに現れたマイケル・ジョーダン、デイビッド・ベッカム、ジョージ・ルーカス、マイケル・ダグラス……といった錚々たる顔ぶれを見ればよくわかる。ゴールデンウイーク明け月曜日の早朝4時半スタートという、リアルタイムで観戦したい日本人ファンにとってはかなり厳しい時間帯となった初開催マイアミGPの週末をチーム、ドライバー、関係者のSNSで振り返る。

シューマッハー、初入賞に迫るも“メンター”のベッテルと接触「スペースを空けようとしたが狭すぎた」/F1第5戦

 ハースのミック・シューマッハーは、F1第5戦マイアミGPの終盤にはF1で初めてのトップ10フィニッシュを達成するものと見えたが、良き友人であるセバスチャン・ベッテル(アストンマーティン)との不運なクラッシュによって彼の努力は裏切られた。

 15番グリッドからレースをスタートしたシューマッハーは、戦いの場の上位半分に入り込もうと戦い、終盤のセーフティカー導入後のリスタート時には、9番手を走行していた。

「ペレスはリタイア寸前だった」とレッドブルF1代表。テクニカルトラブル連発への懸念は打ち消す

 レッドブル・レーシングのクリスチャン・ホーナー代表は、F1マイアミGP決勝でセルジオ・ペレスは、センサートラブルによりリタイアした可能性があったと明かした。

 ペレスはレース中、突然のパワーロスを訴えた。エンジンのシリンダーセンサーの不具合により、いくつかのシステムがシャットダウンされたことが原因であったが、ペレスはなんとか4位でフィニッシュすることができた。