レッドブル&HRC密着:ピットストップ戦略とペレスのサポートで、DRSトラブル&ミスに対処。両選手権でトップに浮上

 F1第6戦スペインGPの12周目、マックス・フェルスタッペン(レッドブル)のレースエンジニアを務めるジャンピエロ・ランビアーゼが無線でこう告げる。

「前の周にDRSのフラップが開いていなかったから、次の周にもう1回チャレンジしてみてほしい」

 13周目のホームストレートで前を走るジョージ・ラッセル(メルセデス)の1秒以内につけていたフェルスタッペンは、再びDRSのボタンを押すが、リヤウイングはまたも開かなかった。

ラッセル3位表彰台「マックスと真の戦いができて満足。彼を手こずらせたんじゃないかな!」F1第6戦

 2022年F1スペインGP決勝で、メルセデスのジョージ・ラッセルは3位でフィニッシュ、シーズン2回目の表彰台を獲得した。

 スタートで3番手に上がり、マックス・フェルスタッペン(レッドブル)のコースオフで2番手に。その後、長くフェルスタッペンからポジションを守り続けて、レースの見せ場を作った。

 最後のピットストップを終えた時点で4番手、バルテリ・ボッタス(アルファロメオ)を抜いて3番手に上がった。終盤、メルセデスの2台には水漏れの問題が発生したが、ラッセルは3位を守り切ることができた。

【角田裕毅F1第6戦密着】暑さとマシンフィーリングに苦しみながらもポイント獲得「いつも以上に厳しい戦いだった」

 トップから1周遅れで65周のF1第6戦スペインGPのレースを走り切った角田裕毅(アルファタウリ)は、パルクフェルメにマシンを停め、車検室で体重を測定すると、いつものようにガレージ裏に出てきた。そこでヘルメットをトレーナーに渡すと、広報からタオルを受け取るまえに、両手をひざにつき、ぐったりとうなだれた。

 この日のカタロニア・サーキットはレーススタート時の気温が36℃、路面温度は49℃と真夏を思わせる高温となった。しかもカタロニア・サーキットには高速コーナーが3つあり、体力的に厳しいサーキット。角田だけでなく、多くのドライバーがレース後、ここで疲労困憊する姿を見せていた。

ルクレール、突然のPUトラブルで勝利を失う「何の兆候もなく突然壊れた」フェラーリは本拠で早急に調査へ/F1第6戦

 2022年F1スペインGP決勝で、フェラーリのシャルル・ルクレールはトラブルによりリタイア、カルロス・サインツは4位だった。

 ルクレールはポールポジションからトップを快走中に、パワーユニットのトラブルが発生、ゆっくりとピットに戻り、そのままリタイアした。

 サインツは、3番グリッドからスタートで5番手までポジションを落とし、7周目にコースオフし、11番手まで後退した。終盤、ルイス・ハミルトン(メルセデス)に抜かれて5番手でフィニッシュするかと思われたが、ハミルトンがトラブルにより大幅にペースを落とさざるを得なかったため、サインツは残り2周のところで4番手に上がり、その位置でフィニッシュした。

フェルスタッペン、ミスとトラブルを乗り越え勝利「いらいらしてDRSボタンを押しまくった。今は笑えるけどね」F1第6戦

 2022年F1スペインGP決勝で、レッドブルのマックス・フェルスタッペンは今季4勝目を挙げた。ドライバーズ選手権では、合計110点として、トラブルによりリタイアしたシャルル・ルクレール(フェラーリ)をポイントで上回り、ポイントリーダーの座に就いた。コンストラクターズ選手権でも、レッドブルはフェラーリを抜いてランキングトップとなった。

 2番グリッドからポジションを維持して走行していたフェルスタッペンは、9周目にターン4でターンインした時に、強い追い風を受けてグリップを失い、グラベルに飛び出し、ジョージ・ラッセル(メルセデス)とセルジオ・ペレス(レッドブル)の後ろに後退した。

角田裕毅10位入賞「タフなレースだった。自分のパフォーマンスと結果に満足」代表は「最大限の成果」/F1第6戦決勝

 2022年F1スペインGP決勝で、スクーデリア・アルファタウリの角田裕毅は10位でフィニッシュ、1ポイントを獲得した。ドライバーズ選手権では合計11点で12位につけている。

 テクニカルディレクターのジョディ・エギントンは角田のレースを次のように振り返った。

「厳しいレースだったが、ドライバーふたりは懸命に戦い、その結果、我々は1ポイントを手にすることができた」

DRSトラブル発生もフェルスタッペンが3連勝で選手権首位に。角田10位、ルクレールはまさかのリタイア【決勝レポート/F1第6戦】

 2022年F1第6戦スペインGPの決勝が行われ、レッドブルのマックス・フェルスタッペンが優勝した。2位はセルジオ・ペレス(レッドブル)、3位はジョージ・ラッセル(メルセデス)となっている。アルファタウリの角田裕毅は10位だった。

 スペインGP決勝当日は、この週末一番の暑さとなった。レース開始30分前の午後2時30分の時点で、気温36.4度、路面温度48.9度、快晴。湿度はわずか7%と、まるで砂漠のようなコンディションとなった。2年ぶりに入場制限の解除されたバルセロナ-カタロニア・サーキットは、27万8000人のファンで埋まった。しかし彼らのお目当てのフェルナンド・アロンソ(アルピーヌ)は、予選後のパワーユニット全交換で最後尾スタートだ。

F1第6戦スペインGP予選トップ10ドライバーコメント(2)

 2022年F1第6戦スペインGPの予選が行われ、ポールポジション~5番手に入ったドライバーたちが土曜日を振り返った。ポールポジション~5番手に入ったドライバーはシャルル・ルクレール(フェラーリ)、マックス・フェルスタッペン(レッドブル)、カルロス・サインツ(フェラーリ)、ジョージ・ラッセル(メルセデス)、セルジオ・ペレス(レッドブル)だ。

F1第6戦スペインGP予選トップ10ドライバーコメント(1)

 2022年F1第6戦スペインGPの予選が行われ、6〜10番手のドライバーが土曜日を振り返った。6〜10番手のドライバーはルイス・ハミルトン(メルセデス)、バルテリ・ボッタス(アルファロメオ)、ケビン・マグヌッセン(ハース)、ダニエル・リカルド(マクラーレン)、ミック・シューマッハー(ハース)だ。

F1第6戦金曜会見:復調の兆しを見せたメルセデス勢が自信「今いる場所が正しいかどうか、この週末でわかると思う」

 この5月11日に22歳になったばかりの角田裕毅(アルファタウリ)。司会者からいきなり、「ミラノで誕生日を祝ったんだって?」と訊かれて、かなり驚いていた。

角田:え? どうして、そんなこと知ってるの? そう、友達とミラノで過ごしたんだ

 しかし角田はすぐに、こんなふうに鮮やかに切り返した。