新生TC2000はトヨタのサンテロがスプリント制覇も、日曜はシボレーが1-2/STC2000第3戦

 隣国ブラジルのSCBストックカー・ブラジルと並び、アルゼンチン発の“世界最速FFツーリングカー選手権”を称するスーパーTC2000(STC2000)第3戦が4月30~5月1日に開催され、土曜スプリントはTOYOTA GAZOO Racing YPFインフィニアのジュリアン・サンテロ(トヨタ・カローラSTC2000)が、今季採用の“サクセスウエイト”にも負けず12周のレースを制圧。しかし日曜ファイナルはシボレーYPFチームの王者アグスティン・カナピノ(シボレーYPFクルーズ)が、僚友ベルナルド・ラヴァーを引き連れ、ワン・ツー・フィニッシュを決めている。

 長らく続いてきたアルゼンチン国内でのシリーズ分裂が今季開幕前に和解合意に達したことにより、これまで並存していた『TC2000(ツーリスモ・コンペティション)』と併合されることとなったSTC2000は、改めて同イベントよりシリーズ名称統一を含めた再出発を切った。

Wシリーズ参戦の野田樹潤、初レースは試練の連続。意地の自己ベストで「自分ができることは精一杯やった」

「30分しか時間がなく、すべてのメニューはこなせないので、時間を有効に使って走りたい」と語ってフリー走行に臨んだ野田樹潤(Juju)。

「ブレーキのテストやトラックリミットの感覚をつかみながら」徐々にタイムを詰めていった。14番手タイムは、チームメイトのビアンカ・バスタマンテだけでなく、今年1年目の新人ドライバーのなかで最速だった。

 しかし、セッションの最後にクラッシュした。

今季限りで去り行くホールデンが、ナイトレースで通算600勝のメモリアルウインを達成/RSC第4戦

 オーストラリア西部、パース近郊に位置するワネルー・レースウェイで争われたRSCレプコ・スーパーカー・チャンピオンシップ第4戦『バニングス・トレード・パース・スーパーナイト』は、昨季2度目の戴冠を果たしたレッドブル・アンポル・レーシングのディフェンディングチャンピオン“SVG”ことシェーン-ヴァン・ギズバーゲン(トリプルエイト・レースエンジニアリング/ホールデン・コモドアZB)がオープニングヒートを制覇。

 これによりホールデンはATCC(オーストラリアン・ツーリングカー選手権)時代を含むシリーズ通算600勝のメモリアルウインを達成し、2022年限りでその幕を閉じるとともに、来季は新車両規定のもと『シボレー・カマロZL1スーパーカー』にその座を引き継ぐブランドにとって記念すべき1戦となった。

2022年Wシリーズがマイアミで開幕。日本人として新規参戦の野田樹潤「まずは1周1周大事に走りたい」

 Wシリーズの2022年開幕戦が、F1マイアミGPが行われているマイアミ・インターナショナル・オートドロームで始まった。Wシリーズは女性ドライバーのための国際シングルシーター・モーターレース選手権で、今年はその3シーズン目となる。過去2シーズンは日本から小山美姫が参戦していた。

 その3シーズン目となる2022年は、アメリカ・マイアミを皮切りに、スペイン、イギリス、フランス、ハンガリー、日本、アメリカ・オースティンと転戦した後、メキシコでフィナーレを迎える。

 そのWシリーズに今年、日本人として新たに参戦するのが、Juju(じゅじゅ)こと野田樹潤だ。

ホンダのジャック・ヤング、アウディのフランコ・ジロラミと両移籍組が勝利/TCRヨーロッパ開幕戦

 最高峰となるWTCR世界ツーリングカー・カップに次ぐ、TCR規定ツーリングカーの欧州格式リージョン選手権、TCRヨーロッパ・シリーズの2022年シーズン開幕戦が4月30〜5月1日の週末にポルティマオで開催され、今季よりシリーズ復帰を果たしたハルダー兄妹率いるハルダー・モータースポーツから参戦のジャック・ヤング(FK8型ホンダ・シビック・タイプR TCR)が、オープニングヒートでのチームメイト対決を制してシリーズ初優勝を達成。

 続くレース2は、ホンダ陣営のPSSレーシングからアウディのトップカスタマー、コムトゥユー・レーシング移籍を決めたフランコ・ジロラミ(アウディRS3 LMS 2)が“議論を巻き起こす”勝負の末、移籍初戦での勝利を手にしている。

雨天月曜順延の波乱を乗り越え、チェイス・エリオットが“Next-Gen”初優勝/NASCAR第11戦

 アメリカ・デラウエア州に位置するドーバー・モータースピードウェイで開催された2022年NASCARカップシリーズ第11戦『Duramax Drydene 400』は、決勝序盤78周時点で降雨による月曜順延を経て、2020年王者チェイス・エリオット(ヘンドリック・モータースポーツ/シボレー・カマロ)が今季初勝利を挙げ、新車両規定“Next-Gen”で自身待望の初優勝をマーク。リッキー・ステンハウスJr.(JTGドアティ・レーシング/シボレー・カマロ)やロス・チャスティン(トラックハウス・レーシングチーム/シボレー・カマロ)らを振り切り、タイトル獲得年以来のオーバル制覇を遂げている。

 オースティン・シンドリック(チーム・ペンスキー/フォード・マスタング)最速で幕を開けたプラクティスから波乱の週末を予感させたドーバー・ラウンドは、2グループで実施されたシングルカー・クオリファイでクリス・ブッシャー(RFKレーシング/フォード・マスタング)がカップ参戦233戦目にして初のポールポジションを獲得。フロントロウに飛び込んだデニー・ハムリン(ジョー・ギブス・レーシング/トヨタ・カムリ)を挟んで、2列目にディフェンディングチャンピオンのカイル・ラーソン(ヘンドリック・モータースポーツ/シボレー・カマロ)とエリオットのHMS編隊が並ぶグリッドとなった。

勝機を逃さなかったオワードのオーバーテイク【ダイジェスト動画】インディカー第4戦バーバー

 5月1日にバーバー・モータースポーツパークで開催されたNTTインディカー・シリーズ第4戦。決勝レースは、パト・オワード(チーム・ペンスキー)がレースをリードするしたリナス・ヴィーケイ(エド・カーペンター・レーシング)を終盤にオーバーテイク。今季初勝利を飾った。

天気予報も味方せず13位で終えた佐藤琢磨「今の現状だし、プッシュし続けるしかない」

 佐藤琢磨が参戦13年、200戦を超えるNTTインディカー・シリーズの中でも、ポール・トゥ・ウインを達成したのは、唯一2019年アラバマ、バーバー・モータースポーツパークのレースだけだ。

 それほど完璧なレースで鮮明に記憶に残っているし、琢磨本人もこのバーバーへの思い入れもあり、数えて12回目となる今年のバーバーのレースでは、きっと良いレースが見られるのではないかと期待していた。

ブルーノ・シュペングラーがシリーズデビューへ。ロメオ・フェラーリ加入でジュリアETCRをドライブ/ETCR

 今季より新たに『FIA eツーリングカー・ワールドカップ』へと進化を果たすTCR規定派生の電動ツーリングカー選手権に向け、すでにルカ・フィリピの残留と元DTMドイツ・ツーリングカー選手権ドライバーであるマキシム・マルタンの起用をアナウンスしていたロメオ・フェラーリが、残る2台のシートを確定。同じく2012年のDTMチャンピオンであるブルーノ・シュペングラーを招聘し、最後の1台にはGT経験豊富な30歳、ジョバンニ・ヴェントゥリーニの抜擢を決めている。

2022年DTMが29台を集めポルティマオで開幕。メルセデスのアウアーとアウディのミューラーが勝利を分け合う

 DTMドイツツーリングカー選手権の2022年開幕ラウンドが4月30〜5月1日、ポルトガル南部のポルティマオに位置するアウトドロモ・インテルナシオナル・ド・アルガルヴェ(アルガルベ国際サーキット)で行われ、土曜日のレース1ではルーカス・アウアー(メルセデスAMG・チーム・ウィンワード/メルセデスAMG GT3)が、日曜日のレース2ではニコ・ミューラー(チーム・ロズベルグ/アウディR8 LMS)が、それぞれ優勝を飾った。