トヨタ、5連覇目指しル・マンに挑む。中嶋一貴TGR-E副会長が“父のクルマ”でトロフィーを返還へ

 トヨタGAZOO Racing(以下TGR)は、6月11日(土)から12日(日)にかけて開催される伝統の耐久レース、第90回ル・マン24時間レースで、チーム5連覇に挑む。

 2019年以来、3年ぶりに6月開催へと戻るル・マン24時間レースは、WEC世界耐久選手権の2022年第3戦として行われる。TGRはル・マン24時間レースで2018年に初勝利を飾って以来、決勝レース中の最速ラップタイムや予選でのコースレコードといった記録を塗り替えながら無敗記録を続けており、昨年はGR010ハイブリッドで、ハイパーカー時代を迎えて初めての優勝を勝ち取った。

トヨタGR010ハイブリッドが新登場。グランツーリスモ7に新規車種追加のアップデート配信

 5月26日、ソニー・インタラクティブエンタテインメント(SIE)は2022年3月4日に発売されたプレイステーション5/4用ソフト『グランツーリスモ7』に新規収録車種やスケープスの特集追加を含むアップデートを配信した。今回のアップデートで追加された車種は3台。まず1台目は『トヨタGR010ハイブリッド』だ。

可夢偉組トヨタ、“アウディ3人衆”に並ぶ。豪雨の直後に壊れたワイパーetc.【WEC第2戦・決勝日Topics】

 いわゆる“スパ・ウェザー”に翻弄され、3回の赤旗が提示されるなど、荒れた展開となったWEC世界耐久選手権第2戦スパ・フランコルシャン6時間レース。トヨタGAZOO Racingの7号車GR010ハイブリッドが今季初優勝を飾ったレース後、スパのパドックで集めたトピックスをお届けしよう。

■久々に見る満員のスタンド。シリーズCEOも渋滞にハマる

『スリック→カットスリック→スリック』終盤のタイヤ選択ミスで表彰台を失ったグリッケンハウス/WEC第2戦スパ

 5月7日にベルギーのスパ・フランコルシャンで決勝レースが行われたWEC世界耐久選手権第2戦スパ6時間レース。初のポールポジションからスタートしたグリッケンハウス・レーシングの708号車グリッケンハウス007 LMH。レース終盤に入るまではいいレースができていたが、無線のミスコミュニケーションによって「悪夢と化した」と、チーム代表は語っている。

トヨタ8号車をリタイアに追い込んだ「絶望的な」ハイブリッドトラブル。赤旗中に発見も解決できず/WEC第2戦スパ

 5月7日に行われたWEC世界耐久選手権第2戦スパ6時間レースの決勝序盤、8号車トヨタGR010ハイブリッドに発生したハイブリッドシステムのトラブルについて、トヨタGAZOO Racingのテクニカル・ディレクターであるパスカル・バセロンがレース直後に状況を説明。チームは赤旗中断中のグリッド上で不具合を認識し対応にあたったが、最終的にはそれを解決することができず、リタイアに追い込まれたという。

豊田章男氏、小林可夢偉が率いる「新チームの初勝利に少しホッとした」WECスパ後コメント全文

 5月7日、WEC世界耐久選手権第2戦スパ6時間レースがベルギーのスパ・フランコルシャン・サーキットで行われ、ハイパーカークラスに参戦しているTOYOTA GAZOO Racingの7号車トヨタGR010ハイブリッド(マイク・コンウェイ/小林可夢偉/ホセ-マリア・ロペス組)が“スパ・ウェザー”に翻弄されたレースで今季初優勝を挙げた。一方、もう1台のトヨタGR010ハイブリッドである8号車(セバスチャン・ブエミ/平川亮/ブレンドン・ハートレー組)はハイブリッドシステムのトラブルに見舞われ、首位に立ちながら無念のリタイアとなっている。

 そんなTOYOTA GAZOO Racingのチームオーナーである豊田章男氏(トヨタ自動車社長)が恒例のコメントを発表。WECスパで今季初優勝を飾ったチームと、今季からチーム代表を兼務する可夢偉を労うとともに、次戦ル・マンでは2台が無事にチェッカーを受けられるように「チーム全員でクルマをもう一度見つめ直し」改善に努めてほしいとエールを送った。

トヨタ、得意のWECスパで可夢偉組7号車が今季初優勝。8号車に発生の問題は「徹底的に精査し解決する」

 5月7日、WEC世界耐久選手権第2戦スパ6時間レースがベルギーのスパ・フランコルシャン・サーキットで行われ、ハイパーカークラスに参戦しているTOYOTA GAZOO Racingの7号車トヨタGR010ハイブリッド(マイク・コンウェイ/小林可夢偉/ホセ-マリア・ロペス組)が今季初優勝を挙げた。一方、もう1台のトヨタGR010ハイブリッドである8号車(セバスチャン・ブエミ/平川亮/ブレンドン・ハートレー組)はハイブリッドシステムのトラブルに見舞われ、当時首位を走りながらリタイアとなっている。

 シリーズのハイライトであるル・マン24時間レースの“前哨戦”に位置づけられているWECスパは、サーキットがチームの拠点であるドイツ・ケルンから近いことから、トヨタにとっては“第2のホームレース”とされているイベントだ。

【途中経過】トヨタ8号車がトラブルにより序盤リタイア。レースは悪天候により2度目の赤旗中断に/WEC第2戦

 ベルギーのスパ・フランコルシャンで行われているWEC世界耐久選手権第2戦スパ・フランコルシャン6時間レースは、スタートから2時間が経過した時点で2度目の赤旗が提示され、レースが中断している。

 中断時点の暫定トップには、LMP2クラスのWRT31号車オレカ07・ギブソン(ショーン・ゲラエル/ロビン・フラインス/レネ・ラスト)がつけている。

平川が立ち向かうスパ・ウェザーと“グラベルのプレッシャー”。武器は「レベルの高さ」と可夢偉【第2戦決勝直前インタビュー】

 WEC世界耐久選手権2022年第2戦スパ・フランコルシャン6時間レースは5月7日、決勝日を迎えた。現地時間13時(日本時間20時)のスタートを前に、トヨタGAZOO Racingのチーム代表兼7号車GR010ハイブリッドのドライバー、小林可夢偉と、8号車の平川亮が、リモート形式で日本メディアのインタビュー取材に応えた。

 この日は現地時間午前9時30分からリモート取材が予定されていたが、サーキット周辺の大渋滞に巻き込まれた可夢偉と平川のパドック到着が遅れ、開始時間が10分ほど押すというハプニングから始まった。

“190km/h”という足かせの余波。LMH時代のハイブリッドは「したたかに使う」【トヨタGR010開発の裏側(2)】

 6月11日〜12日に決勝レースが行われるル・マン24時間に向け、トヨタGR010ハイブリッドのエンジンやモーター、バッテリーなどのハイブリッドシステムを送り出す『出荷式』をトヨタ自動車東富士研究所(静岡県裾野市)で見学。その後、ハイブリッドシステムの開発に携わる2名の技術者から話を伺う機会を得た。

 佐藤真之介氏(GRパワトレ開発部 主幹)は主にエンジンの開発を担当、立松和高氏(GRパワトレ開発部 主幹)はモーターやインバーター、電池などのいわゆる“電気もの”を担当する。

 前編に続き、この後編では主に“電気”に関わる部分について、開発の裏側を聞いた。