「バクーにはやり残した仕事がある」昨年アクシデントで逃した優勝を狙うフェルスタッペン/F1第8戦プレビュー

 F1のドライバーズ選手権で首位に立っているレッドブルのマックス・フェルスタッペンは、今週末の第8戦アゼルバイジャンGPに向けバクーを訪れることを楽しみにしていると語ったが、その一方で「やり残した仕事がある」とも述べた。

 2021年のアゼルバイジャンGPでは、フェルスタッペンはそのシーズン3度目の優勝に向けてレースで圧倒的なリードを保っていたが、メインストレートでタイヤがパンクし、チェッカーフラッグまであと6周のところでウォールに激突した。フェルスタッペンのライバルであるルイス・ハミルトン(レッドブル)もレースのリスタート後に不運に見舞われ、やはりバクーを手ぶらで去ることになった。その日のレッドブルを救ったのは、セルジオ・ペレスだった。

【中野信治のF1分析/第7戦】裏目に出た王道戦略。契約延長のペレスの活躍と来季の昇格が消えた角田裕毅に求めるもの

 2022年シーズンのF1は新規定によるマシンの導入で昨年までとは勢力図もレース展開も大きく変更。その世界最高峰のトップバトル、そして日本期待の角田裕毅の2年目の活躍を元F1ドライバーでホンダの若手育成を担当する中野信治氏が独自の視点でレースを振り返ります。今回の第7戦モナコGPは大雨のスタートとなった決勝で、路面がどんどん変わっていくなか、チームの戦略が大きなポイントとなりました。レース後にはレッドブルがペレスとの契約延長を発表したニュースを踏まえ、中野氏が解説します。

【F1インタビュー】レッドブルの総合力で掴んだモナコでの勝利「攻め続けたペレスの速さがチームを動かした」と山本氏

 2022年F1第7戦モナコGPでは、レッドブルのセルジオ・ペレスが3番グリッドから逆転で優勝を飾った。モナコGPをメキシコ人ドライバーが制したのはこれが初めてのことだ。マックス・フェルスタッペンも3位に入賞し、モナコでダブル表彰台を獲得したレッドブルについて、現場を訪れていた元ホンダの山本雅史氏は、チームの総合力が求められる場面で「レッドブルはしっかりしていた」と振り返った。

レッドブルF1、セルジオ・ペレスとの契約を2024年まで延長「僕たちはとてもうまくいっている」

 F1世界選手権に参戦するオラクル・レッドブル・レーシングは5月31日、チームのドライバーであるセルジオ・ペレスとの契約を2024年まで延長したことを発表した。

 2021年シーズンからレッドブルF1に加入したペレスは、アゼルバイジャンGPでの優勝をはじめとする4度の表彰台を獲得し、最終戦アブダビGPではチームメイトであるマックス・フェルスタッペンのタイトル獲得に大きく貢献した。

ペレスとフェルスタッペンの差は「ゼロに等しい」とレッドブルF1代表。タイトル獲得の可能性は“同じ程度”だと語る

 レッドブルのチーム代表であるクリスチャン・ホーナーは、2022年F1第7戦モナコGPを制したセルジオ・ペレスについて、今シーズンのタイトル争いではチームメイトのマックス・フェルスタッペンに肩を並べたと語った。

 自身の完璧なドライビングとチームの適切な戦略とが相まって、ペレスはF1キャリアで3度目の優勝と25ポイントを獲得した。これにより、ドライバーズランキングではシャルル・ルクレール(フェラーリ)からわずか6ポイント差、フェルスタッペンからは15ポイント差の3番手につけた。

2022年F1第7戦モナコGP決勝トップ10ドライバーコメント(2)

 2022年F1第7戦モナコGP決勝レースで優勝〜5位のドライバーが日曜日を振り返った。優勝〜5位のドライバーはセルジオ・ペレス(レッドブル)、カルロス・サインツ(フェラーリ)、マックス・フェルスタッペン(レッドブル)、シャルル・ルクレール(フェラーリ)、ジョージ・ラッセル(メルセデス)だ。

レッドブル&HRC密着:3番手からピットストップ戦略でフェラーリ勢を逆転。首位を守り切り快挙を達成したペレス

 セルジオ・ペレスがF1モナコGPで感涙の初優勝を遂げた。もちろん、この勝利がフェラーのが犯したミスに助けられたことは間違いない。ただし、そのミスを誘発させたのがレッドブルであり、ペレスの走りだったことも確かだ。

 1-2体制で走行していたレース序盤のフェラーリに揺さぶりをかけたのが、ペレスの1回目のピットインだった。ウエットタイヤからインターミディエイトタイヤへ交換したのを見て、フェラーリはドライバーごとに戦略が分かれた。先頭を走行していたシャルル・ルクレールは2周後にピットインしたのに対して、2番手のカルロス・サインツはステイアウト。

レッドブル、フェラーリとの差を36点に広げる「チェコの勝利は素晴らしい。マックスに近づいてきた」と代表/F1第7戦

 2022年F1モナコGP決勝で、レッドブルのセルジオ・ペレスが優勝、マックス・フェルスタッペンは3位表彰台を獲得した。コンストラクターズ選手権では、レッドブルは40点を獲得、ライバルであるフェラーリへのリードを36点に拡大した。

■レッドブル・レーシング
チーム代表クリスチャン・ホーナー
 チームにとっても、チェコにとっても、素晴らしい一日だ。彼は週末を通して好調だった。この勝利に値する仕事をしてきた。

 素晴らしいチームワークであり、ふたりのドライバーがそれぞれフェラーリに勝ったのは最高の結果だ。

【2022年F1第7戦モナコGP決勝速報】セルジオ ペレス感涙のモナコ初勝利 レッドブルとフェラーリ モナコでも大接戦

F1モナコGP@モンテカルロ市街地コース: ペレスがルクレールのフェスティバルを台無しに。モナコGPで優勝したセルジオ・ペレス。ルクレールは表彰台に上がれず。 モナコの呪いは、シャルル ルクレールに再び襲いかかった。母国 […]

ペレスがメキシコ人ドライバー初のモナコウイナーに「母に捧げる勝利。夢がかなった」レッドブル/F1第7戦

 2022年F1モナコGP決勝で、レッドブルのセルジオ・ペレスはキャリア3勝目を挙げた。この勝利により、ペレスはメキシコ人F1ドライバーとしては最も成功したドライバーとなった。モナコGPをメキシコ人ドライバーが制したのはペレスが初めて。

 序盤はグリッドと同じ3番手を走行していたペレスだが、ウエットコンディションからドライタイヤのコンディションへと路面が変化するなか、タイヤ交換期間を経て、トップに立つことに成功。終盤はタイヤが苦しくなり、後続を抑えて走る展開となったが、最後まで首位を守り切って、今季初優勝を飾った。