走行2日目を前にハイパーカークラスのBoP変更。アルピーヌが出力増/ル・マン24時間

 フランスのサルト・サーキットで開催されているWEC世界耐久選手権第3戦/第90回ル・マン24時間レースでは、9日木曜の走行を前に、ハイパーカークラスのBoP(性能調整)変更が行われ、アルピーヌ・エルフ・チームの36号車アルピーヌA480・ギブソンの最大出力が増やされた。

ストレートが遅くLMP2を抜けない。アルピーヌのドライバーが抱えるル・マン前の不安/WEC

 アルピーヌ・エルフ・チームのアンドレ・ネグラオとマシュー・バキシビエールは、ル・マン24時間テストデーでの直線スピードの不足を懸念している。彼らによると、アルピーヌA480・ギブソンはミュルサンヌ・ストレートでLMP2マシンを追い越すのに苦労していたという。

 アルピーヌのマシンは6月5日(日)にル・マンで行われたテストデーの両セッションで、ハイパーカークラスの5台中5番手となった。

ル・マン24時間向けBoP発表。アルピーヌの出力が微増、トヨタの数値は変わらず

 WEC世界耐久選手権は、第3戦ル・マン24時間レースを前に、参加する各車のBoP(性能調整)を6月1日付で発表した。

 WECコミッティーのブルテンによれば、ハイパーカークラスではアルピーヌ・エルフ・チームのノンハイブリッドLMP1マシン、アルピーヌA480・ギブソンにおいてBoPの数値に変更が加えられている。

モンツァでWECデビューを果たすプジョー9X8、現在はホモロゲーションの最終段階に突入

 5月20日(金)にWEC世界耐久選手権第4戦モンツァで『プジョー9X8』をデビューさせることを発表したプジョーは、現在“リヤウイングレス”のル・マン・ハイパーカー(LMH)マシンが「ホモロゲーションの最終段階」にあることを明らかにした。

 今年7月のレースデビューが決まったプジョー9X8のレーシングバージョンは、2021年7月に公開されたコンセプトバージョンからいくつかの修正が加えられた状態で、先週金曜日にお披露目された。

プジョー9X8、WEC第4戦モンツァでのデビューが決定。ロシターがレースドライバーに

 プジョー・スポールは5月20日、ポルティマオ・サーキットでオンライン・プレゼンテーションを実施し、同ブランドのル・マン・ハイパーカー(LMH)である『プジョー9X8』が、7月10日に開催されるWEC世界耐久選手権第4戦モンツァでレースデビューを果たすと発表した。

 2022年シーズンへの参加を表明しながら、現在までシリーズのトップカテゴリーであるハイパーカークラスに加わっていないプジョー。このフランスのメーカーは、ハイブリッド・プロトタイプカーの検証とホモロゲーションに向けた最終段階に焦点を当てているため、来月のル・マン24時間にも参加しないことをアナウンス済みだ。

ポルシェ、2023年のLMDhカー展開は計8台。うち4台をカスタマーに割り当てると発表

 ポルシェのモータースポーツ責任者であるトーマス・ローデンバッハは、ドイツのブランドがLMDhカーのデビューイヤーとなる2023年に4台のワークスカーに加えて、最大4台のLMDhカスタマーカーを割り当てる計画であると述べた。

 ポルシェは2020年12月に新しいプロトタイプカー・プログラムを発表して以来、WEC世界耐久選手権とIMSAウェザーテック・スポーツカー選手権のトップクラスに参戦する独立チーム向けのカスタマーマシン販売に関心を持ち続けている。

プラ、グリッケンハウスの仕事を称える。予選3&4番手のトヨタは硬めのタイヤを使用/WEC第2戦スパ

 オリビエ・プラは、アメリカのLMH(ル・マン・ハイパーカー)コンストラクターであるグリッケンハウス・レーシングがWEC世界耐久選手権第2戦スパの予選で初めてポールポジションを獲得した後、チームとそのパートナーによる「素晴らしい仕事ぶり」を称賛した。

 ベテランのフランス人ドライバーは、5月6日にベルギーのスパ・フランコルシャン・サーキットで開催されたWEC第2戦の予選で708号車グリッケンハウス007 LMHを駆り、2分02秒771のファステストタイムを記録。ロマン・デュマ、ピポ・デラーニとシェアするハイパーカーを、翌日に行われるスパ6時間レースの決勝グリッド最前列に導いている。

開幕戦の勝利後、BoP変更を予測していたアルピーヌ。WECスパは異なるアプローチで臨む

 アルピーヌは、スパで適用されるハイパーカーBoP(バランス・オブ・パフォーマンス/性能調整)で最大パワーが抑制されることを「予測」し、今週末のWEC世界耐久選手権第2戦スパ・フランコルシャンの6時間レースに向けて彼らのLMP1マシンを最適化するために、パワーと燃料マネジメントに関して多くの作業を行ったという。

 アルピーヌ・エルフ・チームを運営するシグナテック社のチーム代表であるフィリップ・シノーは、開幕戦セブリングで優勝した後、第2戦スパを前にBoPが変更されることをある程度予測することができたと述べた。

グリッケンハウス、予定していたエンジンの改造を中止「信頼性を確認する時間がなかった」/WEC

 グリッケンハウス・レーシングは、今週末に行われるWEC世界耐久選手権第2戦スパ・フランコルシャン6時間レースに向けたLMHエンジンの改造を中止し、この計画の再開が早くてもル・マン24時間レース後になることを明らかにした。

 ハイパーカークラスに参戦しているアメリカのコンストラクターは、セブリングでのシーズン開幕戦で、WECで新採用された2022年用の持続可能燃料に合わせたエンジンパッケージの変更をピポ・モチュール社と取り組み始めたことをSportscar365に明かしていた。

WRT、アウディのLMDh一時休止後もハイパーカー・プログラムについて協議中/WEC

 チームWRTは、2023年からベルギーチームが取り組む予定だったプロトタイププロジェクトをアウディが一時中断したにもかかわらず、将来的にWEC世界耐久選手権のハイパーカー・クラスでプログラムを実行することを望んでいる。

 チーム代表のヴァンサン・ボッセによると、WRTはトップレベルのプロトタイプレースに参加するための新たな方法を見出すべく、他の関係者と議論を行っているという。