早くも2023年暫定カレンダーを発表。ドニントンパークGPレイアウトが実に20年ぶりの復活/BTCC

 例年、前年度のサマーブレイク前にいち早く来季カレンダーをアナウンスしてきたBTCCイギリス・ツーリングカー選手権が、今年も恒例の時期に2023年の暫定カレンダーを発表。シリーズを運営するTOCAはドニントンパークが年間2戦になることを決めると同時に、通称“グランプリ・レイアウト”と呼ばれるグランプリ・サーキットを約20年ぶりに復活させることも表明した。

 そのドニントンは来季4月下旬の開幕戦で“ナショナル・レイアウト”と呼ばれるショート版で開催されたのち、GPサーキットは8月下旬の第8戦としてスケジュールに組み込まれた。この完全版レイアウトがBTCCで最後に使用されたのは2002年にまで遡り、現行のNGTC規定ツーリングカーでレースが争われるのは初となる。

BTCホンダのジョシュ・クック、得意の地でポールから2戦連続の連勝劇。選手権首位に浮上/BTCC第3戦

 5月28~29日にイングランド随一の高速トラック、スラクストンで争われたBTCCイギリス・ツーリングカー選手権第3戦は、雨絡みの前戦ブランズハッチ・インディで連勝を飾っているジョシュ・クック(リッチエナジーBTCレーシング/FK8型ホンダ・シビック・タイプR)が、予選ポールポジションから2戦連続の連勝劇を決め、新たな選手権リーダーに浮上。得意なトラックで通算9勝目とBTCC新記録を樹立した。さらに最終ヒートのレース3ではアダム・モーガン(カーガッツ・ウィズ・シシリー・モータースポーツ/BMW 330e Mスポーツ)が今季初勝利を飾り、2022年共通ハイブリッド搭載の新時代はホンダ vs BMWの攻防が続いている。

 今季よりコスワース・エレクトロニクス社製のTOCA Hybrid systemが組み込まれ、従来のサクセスバラストに代わるエレクトリック・パワー“使用秒数制限”を加えることで、スポーティング面でのハンデ制度も担うNGTC規定ツーリングカーの争いは、オフテストも実施された同国南岸ハンプシャー州のトラックで第3戦を迎えた。

BTCホンダのジョシュ・クック連勝。ポール獲得のBMWターキントンも今季初勝利/BTCC第2戦

 5月14~15日の週末にブランズハッチ、インディ・サーキットで争われた新時代のBTCCイギリス・ツーリングカー選手権第2戦は、今季より“ブラック&グラファイト”のカラースキームをまとうジョシュ・クック(リッチ・エナジーBTCレーシング/FK8型ホンダ・シビック・タイプR)が、雨混じりのトラックで快心の連勝劇。予選でキャリア通算25回目のポールポジションを獲得していた4冠王者コリン・ターキントン(チームBMW/BMW 330e M-Sport)も、最終ヒートで共通ハイブリッド搭載車での初勝利を飾っている。

波乱の共通ハイブリッド新時代は、オープニングヒート勝利のトム・イングラムがリード/BTCC開幕戦

 2022年から共通ハイブリッド機構を導入する世界初のツーリングカー・シリーズに変貌を遂げたBTCCイギリス・ツーリングカー選手権が、4月23~24日の週末にドニントンパークで開幕。ノーハンデの予選では今季より名門ウエスト・サリー・レーシング(WSR)とのジョイントチームで参戦するジェイク・ヒル(MBモータースポーツ・パワード・バイ・ロキット/BMW 330e Mスポーツ)が最速をマークし、日曜のレース3で3人目のウイナーに輝く快走を披露する。そして同日オープニングのレース1を制覇し、共通ハイブリッド時代の幕開けを飾ったトム・イングラム(ブリストル・ストリート・モータース・ウィズ・エクセラー8・トレードプレイスカーズ.com/ヒョンデ[旧ヒュンダイ]i30ファストバック Nパフォーマンス)が、残るヒートでも2位、5位と安定した戦績を残して新時代の主導権を握っている。

BTCC開幕前最後の公式テストは王者サットン最速。共通ハイブリッドの運用ガイドラインも公開

 2022年に史上初の共通ハイブリッド機構を導入するBTCCイギリス・ツーリングカー選手権は、ドニントンパーク、クロフトと続いた公式プレシーズンテストの締め括りとして、4月13日のスラクストンでシーズンラウンチを兼ねた恒例の“メディアデイ”を実施。午前、午後と通常どおり設定された開幕前最後のセッションでは、フォード陣営への電撃移籍を決めたディフェンディングチャンピオン、アシュリー・サットン(NAPAレーシングUK/フォード・フォーカスST)がこのオフ初のトップタイムを記録し、4月23~24日の開幕戦ドニントンに向け万全の準備体制を整えた。

 各陣営とも、新シーズンに向けたお披露目会も兼ねる最後の公式テストが、今季は高速トラックのスラクストンを舞台に開催された。