【F1チーム代表の現場事情:ハース】シャシーもドライバーも足りない…綱渡りのような週末をしのぎ切ったシュタイナー

 大きな責任を担うF1チーム首脳陣は、さまざまな問題に対処しながら毎レースウイークエンドを過ごしている。チームボスひとりひとりのコメントや行動から、直面している問題や彼のキャラクターを知ることができる。今回はハース代表ギュンター・シュタイナーのオーストラリアGPの週末を追った。

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 大規模なレギュレーション変更が行われた今年、F1チーム関係者は誰もが慌ただしくシーズンスタートを迎えたはずだが、そのなかでもこの数カ月を最もせわしなく過ごしていたのは、ハースの代表ギュンター・シュタイナーであろう。

スポンサー契約を打ち切ったハースF1、ロシア企業ウラルカリへの返金を拒否し、11億円の補償金を要求

 ハースF1チームが元タイトルスポンサーであるウラルカリ社との契約を一方的に打ち切った後、契約金の扱いについて両者の意向に食い違いがあり、争いが法廷に持ち込まれる可能性が高まってきている。

 ロシアがウクライナ侵攻を開始したことを受け、ハースはロシア企業であるウラルカリ社とのタイトルスポンサー契約、ロシア人ドライバーであるニキータ・マゼピンとのレースドライバー契約を解除した。ウラルカリ社の共同オーナー、ドミトリー・マゼピンはニキータの父親であり、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領と強いつながりを持つ。