王者ロバート・ダールグレンがタイトル防衛に向けポール・トゥ・ウイン発進/STCC開幕戦

 2022年のSTCCスカンジナビアン・ツーリングカー選手権開幕戦が、6月4~5日の週末にスウェーデンのユンビヘッド・パークで開催され、王者ロバート・ダールグレン(PWRレーシング/クプラ・レオン・コンペティションTCR)が予選“スーパーポール”形式の1発勝負と、シングルレースの決勝をポール・トゥ・ウインで制し、タイトル防衛と3度目の戴冠に向け好発進を決めている。

 昨季より増加の全16台が集ったSTCC開幕戦は、2021年に全18ヒート中11勝を挙げ、表彰台を逃したのはわずか3回という記録的な強さで戴冠を決めたダールグレンに対し、ライバル勢がどこまで喰い下がれるかが焦点となった。

初のナイトレースはヒョンデが制覇。前戦大破のアウディも復活勝利/TCRオーストラリア第4戦

 5月27~29日にシドニー・モータースポーツパークで開催された2022年TCRオーストラリア・シリーズ第4戦は、初のナイトレースとなったオープニングヒートでジョシュ・バカン(HMOカスタマーレーシング/ヒョンデi30 N TCR)がポール・トゥ・ウインを達成。明けたレース2では前戦バサーストで車両大破の大クラッシュを喫していたジェイ・ハンソン(AWC MPCレーシング/アウディRS3 LMS 2)が復活の勝利を挙げ、最終ヒートはバカンの僚友ネイサン・マルコム(HMOカスタマーレーシング/ヒョンデi30 N TCR)がチームメイトを従えてのワン・ツー・フィニッシュを決めている。

 長年RSCレプコ・スーパーカー・チャンピオンシップで活躍したファビアン・クルサード(スタン・スポーツ・ウォール・レーシング/FK8型ホンダ・シビック・タイプR TCR)がCOVID-19療養明けの復帰を果たし、会期直前にはTCRの権利所有者であるWSCと2028年までの契約延長を発表するなど、シリーズのさらなる盛り上がりに向け後押しとなるニュースが続いた。

伝統の24時間併催、WTCR第2戦ニュルが急転直下の開催中止。原因はコントロールタイヤの安全性

 5月28~29日の週末に伝統のニュルブルクリンク24時間レースの併催イベントに組み込まれていたTCR規定ツーリングカー最高峰、WTCR世界ツーリングカー・カップの第2戦は、2回の公式練習と予選セッションを経たレース直前に「開催キャンセル」の決断が下される異常事態に。その主要因は「コントロールタイヤの安全性への懸念によるもの」とされたが、改めて週末の推移を時系列で振り返る。

電動化シフトで存続が懸念されるアウディスポーツ「いずれは転換が必要」とカスタマーレーシング責任者

 アウディスポーツのカスタマー・レーシング責任者であるクリス・ラインケは、アウディの自動車部門が電動モビリティにますます力を入れていることを受け、その活動を再編成する可能性があることを認める一方、GTレース部門が整理されるかもしれないという噂を否定した。

「人生最高のラップ」から、トム・コロネルがポール・トゥ・ウインを達成/TCRヨーロッパ第2戦

 TCR規定ツーリングカーの欧州格式リージョン選手権、2022年TCRヨーロッパ・シリーズ第2戦が5月21~22日に南フランスのポール・リカール・サーキットで開催され、今年50歳を迎えたトム・コロネル(コムトゥユーDHLチーム・アウディスポーツ/アウディRS3 LMS 2)が、予選で「これまでの人生で最高のラップのひとつ」と語り通算9回目のポールポジションを獲得すると、レース1では他を寄せ付けない速さでライト・トゥ・フラッグでの今季初勝利をマーク。リバースグリッドのレース2では今季移籍加入のヴィクトール・ダヴィドフスキー(コムトゥユーPSSチーム・アウディスポーツ/アウディRS3 LMS 2)がシリーズ初優勝を手にし、アウディ陣営が連勝を飾っている。

 灼熱のトラックで実施された予選は、マット・オモラ(ヤニク・モータースポーツ/ヒョンデ・エラントラN TCR)最速のQ1から、ジャック・ヤング(ハルダー・モータースポーツ/FK8型ホンダ・シビック・タイプR TCR)がトップに立ったQ2でも秒単位でタイムが改善されると、各車1アタック1発勝負のアタック合戦に。

ホンダのジャック・ヤング、アウディのフランコ・ジロラミと両移籍組が勝利/TCRヨーロッパ開幕戦

 最高峰となるWTCR世界ツーリングカー・カップに次ぐ、TCR規定ツーリングカーの欧州格式リージョン選手権、TCRヨーロッパ・シリーズの2022年シーズン開幕戦が4月30〜5月1日の週末にポルティマオで開催され、今季よりシリーズ復帰を果たしたハルダー兄妹率いるハルダー・モータースポーツから参戦のジャック・ヤング(FK8型ホンダ・シビック・タイプR TCR)が、オープニングヒートでのチームメイト対決を制してシリーズ初優勝を達成。

 続くレース2は、ホンダ陣営のPSSレーシングからアウディのトップカスタマー、コムトゥユー・レーシング移籍を決めたフランコ・ジロラミ(アウディRS3 LMS 2)が“議論を巻き起こす”勝負の末、移籍初戦での勝利を手にしている。