メルセデスは今後、F1でのカスタマーエンジン供給を3チームから2チームに制限する可能性がある。エンジンをリースするビジネスは、もはや“魅力的”ではないのだという。
ブリクストンにあるメルセデスのハイパフォーマンス・パワートレインズは、現在メルセデスのワークスチームの他に、マクラーレン、アストンマーテイン、ウイリアムズの3チームにエンジンを供給している。パワーユニットはF1の1億4000万ドル(約186億円)の予算制限には含まれていないが、マニュファクチャラーからエンジンを購入する費用については、FIAが1500万ドル(約20億円)の上限を設定している。
![メルセデスAMG・ハイパフォーマンス・パワートレインズのファクトリー](https://cdn-image.as-web.jp/2021/01/18153211/asimg_Brackley-Factory-Mercedes_1d60052b6ace302-660x440.jpg)
しかしながら、メルセデスF1のチーム代表であるトト・ウォルフは、生産コストとわずかな利益により、メルセデスはもはや「多額の収入」を供給契約から得ておらず、多くのカスタマーを抱えることは利点になっていないと述べている。
「残念ながら、エンジンのリースビジネスは魅力的でも関心を引くものでもない。なぜならFIAは、小規模チームを守るためにカスタマーへの請求額にある制限を設けているからだ」とウォルフは『フィナンシャル・タイムズ』に語った。
ウォルフのコメントは、彼のチームがF1で独占的な地位を失い、ライバルのフェラーリとレッドブルとのパフォーマンス差を埋めるのに苦戦しているなかで出たものだ。彼は将来カスタマーへの供給を減らす可能性についてほのめかしたが、3つのカスタマーチームのうちどのチームが外されるかについては手がかりを与えなかった。
「6台の(クライアントの)マシンを抱えて全面的に開発を進めたのちに、エンジンを2基減らしたい。なぜなら2基減らしても2基のスペアを各チームに提供する必要があるからだ」
「理想的なのは、ふたつ(のカスタマー)かもしれない。そうすれば実際に縮小できる」
メルセデスはマクラーレンと1995年にまでさかのぼる歴史的関係がある。一方でウイリアムズと、元レーシングポイントおよびフォース・インディアだったアストンマーティンとは、10年以上の長期間にわたる提携関係にある。
しかしながら、ポルシェとアウディのF1参戦が予想されており、メルセデスの現在の3つのカスタマーチームのうちいずれかのチームが新たな協業関係を結ぶ可能性もある。
![ランド・ノリス(マクラーレン)](https://cdn-image.as-web.jp/2022/06/08141002/asimg_XPB_1146727_1200px_1862a02f299cae4-660x440.jpg)
![セバスチャン・ベッテル(アストンマーティン)](https://cdn-image.as-web.jp/2022/06/08141143/asimg_XPB_1147661_1200px_ae62a02f8edc2a2-660x441.jpg)
![ニコラス・ラティフィ(ウイリアムズ)](https://cdn-image.as-web.jp/2022/06/08141404/asimg_XPB_1146843_1200px_d562a0301c2a45d-660x440.jpg)