元F1ドライバーのジョリオン・パーマーは、5月29日(日)に行われたF1第7戦モナコGPの決勝について、レース結果を左右しかねないような走りを行ったドライバーに対して、スチュワードは制裁を科すべきだったと語った。
現在『F1 TV』のコメンテーターを務めるパーマーは、レース序盤にフェラーリのシャルル・ルクレールを妨害したアレクサンダー・アルボン(ウイリアムズ)をそのまま走らせたとして、FIAを批判した。
トップを走っていたルクレールは、18周目にインターミディエイトタイヤに履き替えるため、ハードタイヤに交換するアルボンに続いてピットインした。先にコースへ戻ったのはアルボンだったものの、ルクレールはカジノスクエアの入口ですぐに追いついた。しかし、アルボンが走路を譲ろうとせず、その後ろでまるまる1周を費やすはめになり、ルクレールはイライラを募らせていった。
前方を遮られたまま順位を3番手にまで落としたルクレールは、チームの無線で「いい加減にしろ、なんてこった!」と不満を爆発させた。
その3周後、今度はフェラーリのカルロス・サインツがウイリアムズのもうひとりのドライバーに前をふさがれた。ピットインを終えたニコラス・ラティフィが半周以上にわたってポジションを譲ろうとせず、タイムロスが生じたサインツはモナコでの優勝をふいにしてしまったのだ。
「サインツはラップを通してラティフィの後ろをついていくしかなかった。フェラーリのペースを活かせなかったことになる」とパーマーは解説した。
「このタイムロスで、カルロス・サインツはモナコGPでの優勝をつかみ損ねた」
「ラティフィにとっては、たしかにモナコでマシンを先に行かせることはかなり難しい。彼としては、可能なかぎり早いタイミングで走路を空けたのだろう」
「アレックス・アルボンの場合とは異なる。インターミディエイトを履いたシャルル・ルクレールをまる1周のあいだ後方に留めたアルボンは、ペナルティを科されるべきだった。ルクレールは、2度目のピットイン前の時点で3秒ロスしていた。それさえなければ、少なくともマックス・フェルスタッペンの前方をキープできていただろう」
アルボンは、自分のスリックタイヤをもってすればルクレールよりも速く走れると確信していたと主張した。しかし結局はターン1でロックアップしてしまい、ルクレールに走路を空けることになった。
「微妙なところだった。基本的に、僕たちはスリックで走っていたから大きなアドバンテージを持っていたんだ」とアルボンは説明した。
「けれど、彼を先行させるためには3コーナー分を要する。その後は僕のほうが速いから、すぐに抜き返していただろう」
「だから、僕の目で見るかぎり、僕が彼よりも前のポジションにいたほうが2台とも速く走れたと思う。すぐに彼を引き離せていたはずだからね」
「ただそれだけのことなんだ。あれは難しい局面だった。それでも、僕の目で見るかぎり、あれでOKだと思えた。彼を先行させても、すぐに僕たちが抜き返せたはずだ」