DTMドイツツーリングカー選手権の2022年開幕ラウンドが4月30〜5月1日、ポルトガル南部のポルティマオに位置するアウトドロモ・インテルナシオナル・ド・アルガルヴェ(アルガルベ国際サーキット)で行われ、土曜日のレース1ではルーカス・アウアー(メルセデスAMG・チーム・ウィンワード/メルセデスAMG GT3)が、日曜日のレース2ではニコ・ミューラー(チーム・ロズベルグ/アウディR8 LMS)が、それぞれ優勝を飾った。
GT3車両によるレースに生まれ変わって2年目となる2022年シーズン、DTMは多くのエントリーを集めた。開幕ラウンドにはメルセデスAMG、アウディ、ランボルギーニ、BMW、ポルシェ、フェラーリという6マニュファクチャラーのGT3車両が集結。参戦ドライバーは29人という盛況ぶりで、シーズンのスタートが切られた。
■ランボルギーニのボルトロッティがまさかの失速
レース1のポールポジションを奪ったのは、ミルコ・ボルトロッティ(グラッサー・レーシング・チーム/ランボルギーニ・ウラカンGT3)。以下、ミカエル・グルニエ(メルセデスAMG・チーム・グループMレーシング/メルセデスAMG GT3)、アウアー、フェリペ・フラガ(レッドブル・アルファタウリ・AFコルセ/フェラーリ488 GT3)、ニッキー・ティーム(T3モータースポーツ/ランボルギーニ・ウラカンGT3)、マーロ・エンゲル(メルセデスAMG・チーム・グループMレーシング/メルセデスAMG GT3)、と続くトップ6のスターティングオーダーとなった。
レース距離は昨年同様に55分+1周。オープニングラップでボルトロッティはグルニエのアタックをしのぎ切ると、2周目にはアウアーがグルニエをパスして2番手に浮上する。
ボルトロッティは1規則上必須となるピットストップを済ました後も、トップを維持。チームメイトのロルフ・イネイシェンがピットアウト後にコース上にストップすると、セーフティカーが導入された。
このセーフティカーからのリスタート時、ボルトロッティは加速することができず、ポジションを下げてしまう。レース後、ボルトロッティは「ノーパワー」だったと語っている。
これによりアウアーがトップを奪ってチェッカー。2位にはルカ・ストルツ(メルセデスAMG・チームHRT/メルセデスAMG GT3)が入った。ボルトロッティは追い上げを見せ、3位まで順位を回復してレースを終えている。
4位にはケルビン・ファン・デル・リンデ(チーム・アプト・スポーツライン/アウディR8 LMS)、5位にデニス・オルセン(SSRパフォーマンス/ポルシェ911 GT3 R)、6位にはリカルド・フェラー(チーム・アプト・スポーツライン/アウディR8 LMS)というトップ6となった。なお、エンゲルはピットストップ違反で5秒のペナルティが科された結果、10位へとポジションを下げている。
■レース2はミューラーがポール・トゥ・ウイン
日曜日午前に行われたレース2予選では、ミューラーがポールポジションを獲得。2番手以下はボルトロッティ、フラガ、シェルドン・ファン・デル・リンデ(シューベルト・モータースポーツ/BMW M4 GT3)、アウアー、ストルツという予選トップ6のオーダーとなったが、シェルドン・ファン・デル・リンデはグリッド降格ペナルティにより、7番手スタートとなった。
ミューラーはオープニングラップで、ボルトロッティのチャージを退けると、その後フラガがボルトロッティをパスし、2番手へ。
ミューラーは全車がピットストップを終えた後も後続を寄せ付けず、2番手に3.4秒の差をつけてポール・トゥ・ウインを達成した。ミューラーは2020年以来の勝利、昨年開幕戦以来の表彰台登壇となった。
2位にフラガ、3位にボルトロッティが入り連続表彰台を獲得。以下、マルコ・ウィットマン(ワーケンホルスト・モータースポーツ/BMW M4 GT3)、マキシミリアン・ゲーツ(メルセデスAMG・チーム・ウインワード・レーシング/メルセデスAMG GT3)、ケルビン・ファン・デル・リンデというトップ6となった。
開幕ラウンドを終え、ランキングでは2戦連続表彰台のボルトロッティが35ポイントで首位に。以下、ミューラー(28点)、アウアー(26点)と続いている。
DTMの次戦は5月21〜22日、ドイツのラウジッツリンクで行われる。