FIA F1委員会会合が4月26日に開催され、FIAがその議題と決定事項について発表した。そのなかには、2026年に導入される予定の次世代パワーユニット(PU)と、同年のシャシーレギュレーションについての計画が含まれていた。
F1パワーユニットレギュレーションは、2026年に大幅に変更される予定となっており、「1.6リッターV6エンジンの存続」「電気出力を350kWに引き上げ」「MGU-Hの廃止」「パワーユニットに関するコスト上限の導入」という事項がすでに発表されている。
また、昨年12月の時点で、新パワーユニットにおける4つの重要な目標が示されており、今回のFIAの発表において、それが改めて以下のように掲げられた。
1. スペクタクルの維持
2026年型パワーユニットは現行設計と同等の性能を持ち、高出力・高回転のV6内燃エンジンを使用する。また、レースの可能性を高めるために過度の性能差が生じることを避ける。
2. 環境的な持続可能性
2026年型パワーユニットは、電力のデプロイメントを最大50%まで高め、100%持続可能な燃料を使用する。
3. 財務的な持続可能性
パワーユニットに関する財務規則を定義、統合、改善する作業が進行中。その目的は、F1の中核である最先端技術を披露する場を維持しつつ、競技者の総費用を削減することである。
4. 新規パワーユニットマニュファクチャラーにとって魅力的であること
レギュレーションは、新規参入者にとって魅力的なものであり、彼らが競争力のあるレベルでF1に参加することを可能にすることを意図している。
2026年パワーユニットレギュレーションの枠組み作りを進めていくなかで、FIAは、性能パラメーター、持続可能性、財務レギュレーションに関するいくつかの主要目標を委員会に提示し、委員会からポジティブな反応を得たということだ。
パワーユニットに関する目標を達成するため、空力レギュレーションも変更されるとして、FIAは、空力部門のシミュレーション作業に基づき、主な目標を定めた。その目標とは以下の6点だ。
1. 持続可能性と効率を向上させ、パワーユニットの特性を補完するため、ドラッグを大幅に削減する。
2. 接近戦、そして前車に追走していくことが可能なマシンについて、最近得た教訓を維持し、改善する。
3. 車体ディメンションを削減。
4. 車体質量の削減または抑制。
5. 持続可能性:コスト削減のため、戦略的に選択された部品の標準化または簡素化への道をたどり続ける。持続可能な材料や技術の使用を拡大し、リサイクル性に重点を置く。
6. 車両の安全性に関するイノベーションを継続し、機能し関連する安全システムへと進んでいく。
2026年パワーユニットが、現在の仕様に比べて大幅にパワーが低下し、それが直線パフォーマンスに影響することが危惧されている。その対策として、FIAは、マシンのドラッグを大幅に減らし、マシンの小型化・軽量化を図るプランを定めたとみられる。