F1第3戦オーストラリアGPから12日。第4戦エミリア・ロマーニャGP初日にコースインしたマックス・フェルスタッペン(レッドブル)のマシンに搭載されていたパワーユニットに、多くの人たちが注目していた。なぜなら、前戦オーストラリアGPのレースで燃料システムの不具合によりリタイアしたフェルスタッペンのパワーユニットが、炎に包まれていたからだ。
レース後、クリスチャン・ホーナー代表は「HRD Sakuraにパワーユニットを戻して、今後パワーユニットが使用可能かどうか調査するが、おそらく大丈夫だと思う」と語っていた。
ホーナーが語っていたように、エミリア・ロマーニャGP開幕前日のレッドブルのガレージでは、オーストラリアGPで炎に包まれたパワーユニット(1基目)が搭載されていた。関係者によれば、「燃料漏れによって出火した直後にエンジニアがマシンを止めるようにフェルスタッペンに指示を出し、直後にフェルスタッペンがマシンを停止させ、マーシャルに消火活動を促したことで、パワーユニットの本体に損傷を与えずに済んだ」と言う。
パワーユニット本体はオーストラリアGPと同じだが、補器類など外部のパーツには改良が加えられている。詳細は明かしていないが、レッドブルはフェルスタッペンのマシンが燃料漏れを起こした原因をすでに特定し、対策を施している。ただし、その箇所が今年の3月1日にホモロゲーション(認証)した範囲内にあたるため、国際自動車連盟(FIA)に交換箇所と対策方法を公表したうえで、各パワーユニットマニュファクチャラーからの承認を経て、変更が許可されたものだ。
パワーユニット以外にも、レッドブルは車体にアップデートした部品を持ち込んだ。
こうして迎えたエミリア・ロマーニャGPの初日は、雨が降ったり止んだりというあいにくのコンディション。それでも1回目のフリー走行をフェルスタッペンは3番手で発進すると、スプリントが導入されて1日早くなった予選ではポールポジションを獲得。フェルスタッペンにとって今季初となるポールポジションは、チャンピオンになってから、初のポールポジションでもあった。
「今日のコンディションは、ミスを犯しやすい難しいものだったけど、幸いにもトラブルに巻き込まれずに済んだ。最初はドライタイヤで予選を開始したけど、そのあとまた雨が降ってきた。バルテリ(・ボッタス)が止まってイエローフラッグが出たときにはすぐにバックオフしたので、そのぶんラップタイムが落ちたけど、それまでの貯金が効いた。明日はドライになりそうだし、このアップデートしたマシンでドライはあまり走っていないから、フリー走行2回目では、マシンをもう少し理解したい」
トラブルに見舞われることなく、残り2日間も乗り切ってほしい。