【GT500車両技術詳細・トヨタ編】最高速の“余剰性能”をダウンフォースへ

 GT-RからZへ、NSXはタイプSへ。新規車種の参戦にともない、空力開発の一部が解禁された。エンジン開発においても、「燃費の良いエンジンがパワー競争も制する」先進的環境のもと、日夜の進化が続く。2022年シーズン、トヨタ、ホンダ、ニッサンの勢力図は大きく動くことが予想される。

 ここでは、メーカーの開発担当者への取材から、今季の主役たる2022年型GT500車両の開発要点に迫ってみたい(取材は開幕前に実施)。まずは2021年王者のトヨタからお届けする。

TOYOTA GAZOO Racing、GRスープラを一部改良。運動性能向上とともにMTモデルを新規設定

 TOYOTA GAZOO Racingは4月28日、同社のスポーツカー『GRスープラ』の運動性能の進化、RZグレードへのマニュアルトランスミッション新規設定などの一部改良内容を発表した。

 GRスープラは、1978年の初代モデル誕生以降、直列6気筒エンジンFR車という特徴を継承し続けるトヨタを代表するスポーツカーだ。

2枚刃から4枚刃。3メーカーのフリックボックスを間近でチェック【GT500開発最新事情とアプローチ/第1戦岡山】

 2014年から採用されている現行GT500の空力規定は、フラットボトムを起点にした高さ275mmまでの範囲と前後のホイールハウスを囲むエリアを“デザインライン”として定め、トヨタ、ホンダ、ニッサンの参戦3社合意のもと、空力開発の自由度を維持するべく外観から視認可能な部分のみ開発を許可する方針を採用している。