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 鈴鹿サーキットで行われた2022スーパーGT第3戦『たかのこのホテル SUZUKA GT 300km RACE』。開幕2戦連続でノーポイントが続いていた37号車KeePer TOM’S GR Supraの宮田莉朋とサッシャ・フェネストラズだが、決勝で3位表彰台を獲得し、ふたりとも結果をひとつ残せたと安堵の表情をみせていた。

 スタート前から気温30度を超える真夏のコンディションとなった決勝レース。37号車のスタートスティントはフェネストラズが務め、1周目の1コーナーから3号車CRAFTSPORTS MOTUL Zの千代勝正に抜かれポジションを落としてしまうが、その周の日立Astemoシケインで19号車WedsSport ADVAN GR Supraをかわし2番手に浮上。トップを攻略しようと食らいついていったが、その差は離れていく一方だった。

「本当にZが速かった。特にストレートスピードが速く、そこに対抗することができなかった」と語るフェネストラズ。今回は予選Q1で装着したものがスタートタイヤとして選ばれたが、37号車はソフト側のコンパウンドを選んでいたことも、3号車との差が開いていった要因のひとつになったようだ。

 さらに途中のピットストップで17号車Astemo NSX-GTの逆転も許し3番手に後退。後半担当の宮田莉朋が最後までチャンスを探ったが、順位が入れ替わることなく、37号車は3位チェッカーとなった。

「(17号車とは)ペースも似たり寄ったりで、セーフティカー明けもトライはしましたが、最後は向こうの方がストレートスピードが速かった感じでした。鈴鹿はサクセスウエイトが0kgの状態だったので、勝ちに行くつもりで挑んでいましたが……」と宮田。目標としていた結果は得られなかったが、鈴鹿で3位を獲得できたことについては前向きに捉えていた。

「昨年から鈴鹿は苦手意識が高かったので、そのなかで予選2番手、決勝も3位で終えられたという部分では、個人的にはすごく良かったんじゃないかなと思います。トヨタ勢のなかでも最上位なので、そこはポジティブに捉え、この流れをしっかり維持していきたいなと思います。でも、トップはもっと速かったので……もっと上を見て、貪欲にいきたいなと思います」

2022スーパーGT第3戦鈴鹿 宮田莉朋(KeePer TOM’S GR Supra)
2022スーパーGT第3戦鈴鹿 宮田莉朋(KeePer TOM’S GR Supra)

 レース後、「2番手はいけた」とフェネストラズも悔しそうな表情を見せたが、ここまで苦戦していたところからポディウムフィニッシュという結果を残せたことについて安堵している様子だ。

「僕たちはソフトタイヤでスタートすることになったんだけど、すごく暑いコンディションだったから難しい展開になるということは分かっていた。だから、(宮田)莉朋が担当した後半スティントでハードコンパウンドを選んだけど、もちろんウォームアップが大変だから、そこで17号車に逆転されてしまった感じはあった」

「正直、Zとミシュランのパフォーマンスがとても強くて、そこに届かなかった。ただ、2位には行ける実力があったと思うから、そこは残念ではあるけど、3位という結果も悪いわけではない。莉朋と組んで最初のポディウムとなったからね」

「第2戦富士のときは、結果はついてこなかったけれど良いペースで走れていた。だから、今は富士で良い走りができるようにフォーカスしていきたい」

 フェネストラズ自身にとっては、前週に行われた全日本スーパーフォーミュラ選手権第4戦オートポリスでも2位表彰台を獲得し、流れに乗っている印象がある。そんなフェネストラズはスーパーGT第2戦富士を終えた後に、弾丸スケジュールに近い形で一時帰国していたとのことだ。

 昨シーズンはコロナ禍に伴う入国規制の影響で当初予定していたレースに参戦できなかったこともあり、ここ最近フェネストラズは日本に居続けたのだが、彼にとっては少なからずストレスになっていたようだ。一時帰国が叶ったことで、だいぶリフレッシュできたことも、ここ最近の好結果に繋がっているのかもしれない。

 ここからスーパーGTは約2カ月のインターバル期間に突入する。フェネストラズは次のレースである6月18~19日のスーパーフォーミュラ第5戦SUGOまで時間があるため、再び母国に戻って英気を養う予定だ。

「(スーパーフォーミュラの)SUGOまでは実家に帰って家族との時間を過ごす予定だ。僕にとっては家に帰って家族に会えることが、なによりの“エナジー補給”になるから、しっかりと充電して、また強くなって帰ってくるよ!」

2022スーパーGT第3戦鈴鹿 サッシャ・フェネストラズ(KeePer TOM’S GR Supra)
2022スーパーGT第3戦鈴鹿 サッシャ・フェネストラズ(KeePer TOM’S GR Supra)

 一方の宮田も、この3位表彰台を足がかりに、中盤戦でさらに力強く戦う準備をしていきたいと語った。

「これでランキングトップとは15ポイント差になりました。僕も(ポイントランキングなどは)けっこう気にするタイプで、長年のスーパーGTのランキングも調べています。当然、勝つことは大事ですし、GT500で勝つことは光栄なことなんですけど、とにかくずっと表彰台に上っているだけでもチャンピオンになり得ます。個人的には、毎戦GRスープラ勢のトップで(レースを)終えて、表彰台にずっと乗り続けることが大事だと思っています」

「もちろん勝ちたい気持ちは当然ありますけれど、今回ようやく結果を残せたと思うし、そこは焦らずにいきたいです。名門TOM’Sなので、チームとドライバーがしっかりと協力すれば、絶対に結果は残せると思っています」

「前回(第2戦)は個人的にもスーパーGTにとっても残念なレースになってしまいましたが、今回は素晴らしいレースができたと思います。富士はGRスープラにとっては得意コースだと思っています。ウエイトが厳しくても、チーム力で勝ちにいきたいです」

2022スーパーGT第3戦鈴鹿 3位表彰台を獲得したサッシャ・フェネストラズ/宮田莉朋(KeePer TOM’S GR Supra)
2022スーパーGT第3戦鈴鹿 3位表彰台を獲得したサッシャ・フェネストラズ/宮田莉朋(KeePer TOM’S GR Supra)
2022スーパーGT第3戦鈴鹿 KeePer TOM’S GR Supra(サッシャ・フェネストラズ/宮田莉朋)
2022スーパーGT第3戦鈴鹿 KeePer TOM’S GR Supra(サッシャ・フェネストラズ/宮田莉朋)