ローヴェ・レーシングが走らせる98号車BMW M4 GT3が、5月26日(木)に行われたADACトタルエナジーズ24時間レース(ニュルブルクリンク24時間)の予選セッション1に続き、同日夜に実施されたセッション2でもトップタイムをマーク。シェルドン・ファン・デル・リンデが8分15秒867をマークし、“ノルドシュライフェ”を含むニュルブルクリンクの夜間走行で最速となった。
BMWのワークスドライバーであるファン・デル・リンデは、木曜午後にチームメイトのニッキー・キャツバーグが総合トップタイムを記録した後、3時間におよんだ夜のセッションをリードした。
キャツバーグが98号車BMWでマークした8分14秒771というタイムは、これまでのところ週末のベンチマークとして残っており、イベントの初期段階において98号車はSP9クラスの上位候補のひとつに浮上している。
夜のセッションでローヴェのBMWに続いたのは、メルセデスAMG・チーム・ビルシュタイン・バイ・HRTの12号車メルセデスAMG GT3だ。セッション開始から約45分後にルカ・ストルツが暫定トップタイムをマークしたが、直後にファン・デル・リンデがこれを上回っている。両者のギャップは0.309秒だった。
DTMドイツ・ツーリングカー選手権のチャンピオン経験者であるレネ・ラストは、アウディスポーツ・チーム・カーコレクションの22号車アウディR8 LMSエボIIを駆り8分17秒879をマーク。シューベルト・モータースポーツの20号車BMW M4 GT3でイェッセ・クローンが記録した8分17秒892をわずかに上回り同セッション3番手となった。
ポルシェ勢ではダイナミック・モータースポーツのマッテオ・カイローリが、8分18秒145というタイムで28号車ポルシェ911 GT3 Rを5番手に置いた。その後方にはマキシム・マルタンのドライブで8分18秒915を記録したTFスポーツの90号車アストンマーティン・バンテージGT3が続いている。
なお、ラスト以外のトップタイムはノルドシュライフェが完全に闇に包まれる前の時間帯に記録されたものだ。これはバリアに衝突し立ち往生したフーバー・モータースポーツの25号車ポルシェ911 GT3 Rを回収するために“コード60”の長いスローゾーンが設けられ、セッション中盤のタイムアップが阻まれたことが関係している。
GT3マシンが関係したもうひとつのアクシデントは、セッション序盤起きたパトリック・ピレがドライブするファルケン・モータースポーツの44号車ポルシェ911 GT3 Rと、ニック・タンディの乗るKCMGの18号車ポルシェ911 GT3 Rの接触だ。これにより前者の右フロントのボディが損傷した。
また、ファルケンの44号車はその後イエローフラッグ無視による5グリッド降格ペナルティを受けたが、どのドライバーが違反したのかは不明だ。
セッション終盤、シェラースポーツ・チーム・フェニックスの5号車アウディR8 LMSエボIIは明らかに問題を抱えていた。これについて2度のニュルブルクリンク24時間ウイナーであるフランク・スティップラーは、「とくに左コーナーでリヤアクスルが不安定だった。何かが壊れた」と述べている。
予選最終セッションとなる3回目の走行は27日金曜の14時10分(日本時間21時10分)に開始され、その後SP9クラスのスターティンググリッドを決定するトップクオリファイが17時50分(日本時間24時50分)から実施される予定だ。