アメリカ・オハイオ州のミド・オハイオ・スポーツカーコースで5月14~15日、IMSAウェザーテック・スポーツカー選手権の2022年シーズン第5戦が行われ、ウェイン・テイラー・レーシング(WTR)が運営するコニカミノルタ・アキュラARX-05の10号車アキュラ(リッキー・テイラー/フィリペ・アルバカーキ組)が優勝した。
近年、ホンダの北米ブランドであるアキュラがタイトルスポンサーを務めてきたイベントは、2022年からサポートブランドがレクサスに替わり、新たに『レクサス・グランプリ・アット・ミド・オハイオ』として開催されることになった。
ミド・オハイオがIMSAシリーズの一戦に加わった2018年以降、同トラックではアキュラARX-05が無敗を誇っている。これにストップをかけたいキャデラックDPi-V.Rはこの第5戦を前に変更されたBoP(バランス・オブ・パフォーマンス)によって10kg軽くなった最低重量を武器に、セバスチャン・ブルデー駆るキャデラック・レーシング(チップ・ガナッシ・レーシング)の01号車キャデラックが予選最速タイムを記録。ポールポジションを獲得した。
晴天のドライコンディションで迎えた決勝ではスタート直後、予選で2番手グリッドを得たフィリペ・アルバカーキ駆る10号車アキュラARX-05にポジションを奪われてしまうが、9周目にブルデーが首位を奪還。その後は01号車キャデラックが、WTRとメイヤー・シャンク・レーシング(MSR)のアキュラARX-05ペアを引き連れた状態でレースが進む。
ブルデーからランガー・バン・デル・ザンデにドライバーチェンジした01号車は一時後続に6秒近いギャップを築いたが、スタートから1時間30分後に出されたこのレース唯一のフルコースコーションによってアドバンテージはゼロに。さらに、リスタート後には10号車アキュラとのサイド・バイ・サイドのボトルの中で接触、スピンを喫しクラス最後尾に転落してしまう。
アキュラの“ミド・オハイオ5連覇阻止”を図ったチップ・ガナッシ・レーシングの一角はこれによって勝負権を失い、最終的に総合5位でのフィニッシュとなった。
一方、リスタート後のバトルを経てトップに再浮上した10号車アキュラは、前戦ラグナ・セカでも同門対決を演じたMSR60号車の追撃を振り切ってトップチェッカー。2戦連続の優勝を果たすとともに大会連覇を飾った。
60号車アキュラは2戦続けての2位フィニッシュ。総合3位には5番手スタートから順位を上げてきたウェーレン・エンジニアリグ・レーシングの31号車キャデラックDPi-V.Rが入った。
■トップチェッカーのマクラーレンが車検不通過で降格処分に
LMP2クラスはドラゴンスピードUSAが優勝。ファン・パブロ・モントーヤとヘンリク・ヘドマンのペアがドライブした81号車オレカ07・ギブソンは、レース後半に当時クラス首位を走っていたPR1/マティアセン・モータースポーツの11号車オレカをスピンさせてしまいレース終盤にペナルティを受けたが、最終的に同クラスのウイナーとなっている。
モントーヤがドライブスルーペナルティを受けてクラス2番手に下がった後、フィニッシュまで残り10分となったところでふたたびの逆転を許した11号車オレカは、トップから13秒遅れのクラス2位でフィニッシュした。
第2戦セブリング12時間以来、今季3度目の登場となったLMP3クラスは、レース開始から2時間を前に同クラスの首位に立ったコア・オートスポーツの54号車リジェJS P320・ニッサン(ジョン・ベネット/コリン・ブラウン組)が優勝を果たした。
2時間40分のレースを通じて目まぐるしくトップが入れ替わったGTDクラスでは、フィニッシュまで残り4分のタイミングで、インセプション・レーシングの70号車マクラーレン720S GT3が首位に浮上。そのままトップチェッカーを受けたが、同車はレース後の車検で重量不足であることが分かりクラス最後尾への降格処分を受ける。
これに代わって2位でフィニッシュしたターナー・モータースポーツの96号車BMW M4 GT3(ロビー・フォリー/ビル・オーバーレン組)がクラスウイナーとなり、オーバーレンはIMSA通算65勝目を挙げることに。また、クラス2位にはポール・ミラー・モータースポーツの1号車BMWが入り、新型M4 GT3がワン・ツー・フィニッシュを飾る結果となっている。クラス3位はバッサー・サリバン・レーシングの12号車レクサスRC F GT3だ。
IMSAウェザーテック・スポーツカー選手権の次戦第6戦は6月3~4日、ミシガン州デトロイトのベル・アイル・パークで開催される。