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 マイケル・アンドレッティがF1参戦を目指しているなか、F1のオーナー、リバティ・メディアのCEOグレッグ・マッフェイは、F1がエントリー数を拡大する“緊急の必要性”はないと発言した。

 アンドレッティは現在、自らのチームを立ち上げてF1に参戦するプロジェクトを進めつつ、FIAが正式な見解を示すのを待っている。

 F1マイアミGPの週末、アンドレッティは、FIA会長モハメド・ビン・スライエムやF1のCEOステファノ・ドメニカリと話し合いを行い、その結果、有望な兆候が見られたと語った。

「ようやく方向性が見えてきた」とアンドレッティはAP通信に語った。
「どのように実現するかについて、何らかの方向性が示されたのは初めてのことだ」

 一方、F1の既存チーム側は、チームが新たに増える場合、F1の収入からの分配額が減ることに懸念を示している。

 チーム、FIA、リバティ・メディアによって署名がなされるコンコルド協定には、新規チームに2億ドル(約256億円)の支払いを求め、それを既存10チームに分配することが定められている。アンドレッティはこれを支払うことに同意しているという。この料金は、既存チームのF1のプライズマネーが減ることから、それを一時的にカバーするためのものだ。

2022年F1第5戦マイアミGP スタートシーン
2022年F1第5戦マイアミGP スタートシーン

 アンドレッティはポジティブな発言をしているが、リバティのボスであるグレッグ・マッフェイは、11番目のチームの登場、つまり“フランチャイズ”をひとつ増やすことに大きな利点があるとは考えていないようだ。

「過去には、グリッドには15から20ものチームがあった」とマッフェイは『Bloomberg』に語った。
「だが我々がこのスポーツに参入した時には、10チームまで減っていた」

「11番目のチームだったマノーはイギリスで管財人の管理下に置かれ、倒産し、1ポンドで売却された」

「現在彼ら(既存チーム)はフランチャイズとして固定されており、一番下のチームでも、最低4億ドル(約513億円)、もしかしたらそれ以上の価値があるかもしれない。1チーム10億ドル(約1283億円)、20億ドル(約2566億円)という数字も話題に上っているようだ。それが投資を呼び、関心を集めている」

リバティ・メディアCEOグレッグ・マッフェイ
リバティ・メディアCEOグレッグ・マッフェイ

 マッフェイは、F1商業権保有者として、11番目のチームが加わることに反対はしていないものの、それを近い将来に実現する必要性を感じてはいないと述べた。

「長い時間のなかで、チーム数を増やしていく可能性はある。だが、差し迫った必要性があるとは思わない」
「我々にそれを望んでいる人々は大勢いる。大部分が買収を望んでいる。だが我々としてはその必要を感じていない」

 マッフェイは、現状ではチーム数の増加に対応できないサーキットもあると指摘した。

「パドックやガレージなどが必要だが、11チーム分のガレージのスペースがない場所もある」
「彼らは、11番目のチームをコースで走らせるための対応に苦労することになる」