アメリカ・デラウエア州に位置するドーバー・モータースピードウェイで開催された2022年NASCARカップシリーズ第11戦『Duramax Drydene 400』は、決勝序盤78周時点で降雨による月曜順延を経て、2020年王者チェイス・エリオット(ヘンドリック・モータースポーツ/シボレー・カマロ)が今季初勝利を挙げ、新車両規定“Next-Gen”で自身待望の初優勝をマーク。リッキー・ステンハウスJr.(JTGドアティ・レーシング/シボレー・カマロ)やロス・チャスティン(トラックハウス・レーシングチーム/シボレー・カマロ)らを振り切り、タイトル獲得年以来のオーバル制覇を遂げている。
オースティン・シンドリック(チーム・ペンスキー/フォード・マスタング)最速で幕を開けたプラクティスから波乱の週末を予感させたドーバー・ラウンドは、2グループで実施されたシングルカー・クオリファイでクリス・ブッシャー(RFKレーシング/フォード・マスタング)がカップ参戦233戦目にして初のポールポジションを獲得。フロントロウに飛び込んだデニー・ハムリン(ジョー・ギブス・レーシング/トヨタ・カムリ)を挟んで、2列目にディフェンディングチャンピオンのカイル・ラーソン(ヘンドリック・モータースポーツ/シボレー・カマロ)とエリオットのHMS編隊が並ぶグリッドとなった。
明けた日曜決勝ではスタートから18周をリードしたブッシャーだったが、トラフィックに遭遇した際のターン3でわずかにルーズとなり、ハムリンに首位を奪われてしまう。その後、コーションを経てリードラップを刻み続けたハムリンだが、68周目に降雨によるコーションが掲示されると、この時点で雨のリスクを嫌ったレースリーダーはピットロードへ。
結果、ラーソン、エリオットのシボレー軍団以下、ライアン・ブレイニー(チーム・ペンスキー/フォード・マスタング)、マーティン・トゥルーエクスJr.(ジョー・ギブス・レーシング/トヨタ・カムリ)らが隊列を率いたものの、雨がさらに強まった78周時点でレッドフラッグが掲出。その後もレース再開はかなわず、約1時間20分後に月曜への順延が正式決定された。
36名のドライバー全員が脱落することなく月曜正午に再開された勝負は、ステージ1こそハムリンが制したものの、直後の作業で左前輪が外れ、隊列後方までドロップする展開に。その後、驚異的なレースペースで一時は4番手まで猛追を見せたJGRカムリだったが、242周目にアクシデントの巻き添えを喰い、ここで敢えなく終戦となってしまう。
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■ライバル勢の脱落を尻目に、エリオットとチャスティンが主導権を握る
代わってステージ2で勝利を挙げたブレイニーも、ステージブレイクでのポジション維持を狙いステイアウトを選択するも、最終的にアンダーグリーンでのピットを強いられ後退。さらにこの日最多の103周をリードしたカイル・ブッシュ(ジョー・ギブス・レーシング/トヨタ・カムリ)も、324周目にA-J.アルメンディンガー(カウリグ・レーシング/シボレー・カマロ)のマシンから外れたホイールを避け、トラックポジションを失うことに。
そんなライバル勢の脱落を尻目に、最後の勝負に向け主導権を握ったのがエリオットとチャスティンで、前戦でカップ戦オーバル初優勝を飾り「2勝目以降、周囲の環境や反応が大きく変化した」と語るチャスティンが、元王者とサイド・バイ・サイドの堂々たるバトルを繰り広げる。
しかし348周目にこの日最後となる13回目のリスタートを迎えると、残る53ラップは貫禄を見せたエリオットが逃げ切り、自身2度目のドーバー制覇を飾ると同時に、待望の今シーズン初勝利を手にする結果となった。
「ようやく良い状況になったようだね。過去4~5カ月の間は厳しいレースが続いてきたが、こうしてヘンドリックの9号車をビクトリーレーンに戻せるのは素晴らしいことだ」と、この日73周をリードして歓喜の瞬間を迎えたエリオット。
「これはさまざまな観点で多くの意味を持つ勝利だし、すべての努力に感謝している。ここへ来てくれたファンにも感謝しているし、みんなはいつだって素晴らしいよ。数日間はお祝いを楽しんで、また次週から仕事に励むさ。来年ここで大勢の人々に再会でき来ることを願っている」
そのエリオットを追い詰めたチャスティンは、最終的にステンハウスJr.にもパスされ3位でチェッカー。安定のクリストファー・ベル(ジョー・ギブス・レーシング/トヨタ・カムリ)が4位、そしてHMSの一角、アレックス・ボウマン(シボレー・カマロ)が続くトップ5となった。
そして土曜開催のNASCARエクスフィニティ・シリーズ第10戦は、JRモータースポーツのチームメイト対決を制したジョシュ・ベリー(シボレー・カマロ)がキャリア通算3勝目を飾り、ここドーバーで昨季2位に終わった雪辱を晴らす、今季初勝利を手にしている。
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