F1のCEOを務めるステファノ・ドメニカリは、F1関係者の負担をできるだけ軽減し、環境に配慮するため、グランプリ間の移動距離をできるだけ短くすることを念頭において、2023年F1カレンダーのプランを立てている。しかしなかには、日程を大幅に動かすことに否定的なレース主催者もいる。
マイアミGPの主催者は、5月初旬の開催枠を6月のカナダGP前後に移動させようとする動きに抵抗するため、現地の気候条件や、6月には他のイベントとぶつかってしまうといった事情を引き合いに出しながら、5月開催を維持したいという意向を示した。しかし、モナコの週末、ドメニカリと接触していたチームの代表者たちは、ハードロックスタジアム周辺で行われるマイアミGPの日程が今年より1カ月遅くなる可能性は非常に高く、これは全10チームの全面的な支持を得ていると明かした。
2023年シーズン序盤については、3月12日にバーレーンで開幕し、その翌週にサウジアラビアGPが行われるというプランと、メルボルンで3月第3週に選手権が開幕するというプランがある。後者の場合は、各チームが開幕前最後のF1プレシーズンテストが行われるバーレーンからオーストラリアに入り、その後あらためてサクヒールへ戻り、ジェッダのサウジアラビアGPまで2連戦を行ってから、各チーム拠点へと戻るという流れになる。
アゼルバイジャンは6月から4月末に戻され、それからイモラ、バルセロナ、モナコと続くヨーロッパでのミニ・シーズンに入る。その後、グランプリの舞台をマイアミへ移し、次のモントリオールとの2連戦にすれば、現在のバクーからモントリオールに続く2連戦より、ロジスティクスの観点でははるかに楽なスケジュールとなる。
計画では、ヨーロッパでのシーズンが終わった後、日本GPの前後で中国GPを開催することになっていて、シンガポールとともにアジアのシーズンを形成する。その後は、伝統的なアメリカとメキシコの2連戦が行われ、それからブラジルとラスベガスの新しい2連戦が組まれる可能性が高い。選手権は、復活するカタールGPと、その翌週に行われるアブダビでの最終戦をもって、12月中旬に終了する。
いくつかのグランプリ主催者、なかでもマイアミ、ブラジル、カタールとの日程交渉が複雑化しているほか、今年の開催をもって契約が終わるモナコ、フランス、ベルギーの各主催者とのあいだでは新たな取引について交渉するための時間を確保する必要もあり、サマーブレイクまでにすべてが決着する可能性は低いと見られる。