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 F1モナコGP後、スクーデリア・フェラーリは、ホームトラックのフィオラノで、F1-75により2023年用F1フルウエットタイヤのテストを行った。火曜にはカルロス・サインツ、水曜にはシャルル・ルクレールが走行した。

 フィオラノは、ポール・リカール同様、人工的に路面をウエット状態に保つシステムを備えているサーキットだ。

 モナコGPでは決勝が雨になり、2022年型フルウエットタイヤを全員が使用したが、マックス・フェルスタッペン、ルイス・ハミルトン、セバスチャン・ベッテルなど何人かのドライバーが、フルウエットタイヤは全くグリップがなかったと批判した。ハミルトンとベッテルは、昔、他のメーカーのタイヤでレースをしていた時代には、ウエットコンディションでもそれなりにグリップがあり、速く走れたと示唆する発言まで行った。

 ピレリは普段はタイヤテストを行った場合、周回数や写真を公開しているが、今週のフィオラノでのテストについては一切情報を出していない。

フェラーリのフィオラノ・テストコース
フェラーリのフィオラノ・テストコース

 だがフィオラノは公道に隣接しており、周囲に住宅も多いため、走行を完全に秘密にすることはできなかった。テストを目撃した者によると、ピレリはふたりのドライバーに来季用フルウエットのプロトタイプのソリューションをいくつか試させていたという。ひとつは、リヤタイヤから出る水しぶきが大きく、視界の面では良くないが、現行仕様のものより早く水を排出しており、サインツとルクレールのラップタイムからすると、グリップは良さそうだったという。

 テストに関する情報は公開されていないものの、サインツがテスト中にスピンを喫したことは伝わっている。

 一方、ルクレールは、モナコの勝利を誤ったタイヤ戦略で失った慰めになるかどうかは分からないが、テストデーに、フェラーリの歴史的F1マシン、1967年の312F1でコースを走る機会を与えられた。312F1は神話的存在であるマウロ・フォルギエリが初めて完全にデザインを手がけたマシンで、ルクレールが乗ったのは、フェラーリのクラシックカー部門が最近レストアしたものだ。