フェラーリのチーム代表であるマッティア・ビノットは、F1第7戦モナコGPの決勝において、ドライバーたちを1回目のピットストップに呼んだ判断はタイミングが誤っており、タイヤ交換はもっと早いタイミングか、あるいはもっと遅い段階で行われるべきだったと考えている。
シャルル・ルクレールとカルロス・サインツは、レース序盤ではレッドブルのライバルたちに差をつけていた。トラックコンディションは改善してきていたので、フェラーリは次のステップを考え始めた。
レッドブルは、まずセルジオ・ペレスをインターミディエイトタイヤへの交換のためにピットに入れたが、サインツとフェラーリのピットウォールによる無線通信では、インターミディエイトでのスティントは控え、ハードタイヤへ直接切り替えることが提案されていた。
しかしながら、その後インターミディエイトへの交換のためにピットインしたルクレールはペレスにアンダーカットされ、サインツはコースにステイアウト。21周目にサインツはようやくピットに入り、ハードタイヤに交換した。しかしフェラーリはかなりの混乱のなかでルクレールも呼び戻しており、彼がピットに戻ったのはサインツのタイヤ交換が行われている時だった。
最終結果はルクレールにとって最悪のものとなった。レースをリードしていた彼は、数周の間にペレス、サインツ、フェルスタッペンに抜かれて4位になってしまったのだ。ビノットは、フェラーリに戦略面で失態があったことを認め、それはチームがインターミディエイトタイヤのペースを過小評価したことから始まったと考えている。
「レースをリードして先頭にいる時に、何か誤ったことをしたかもしれないと認める必要があるだろう」とビノットは話した。
「我々は確かに判断を間違え、戦略面でミスを犯した」
「何が我々を過ちへと導いたのだろうか? 最初のミスは、インターミディエイトのペースと、トラックポジションの面で他のマシンとの差を過小評価していたことにあると思う」
「我々はミスも犯したと考えている。なぜなら彼(ルクレール)をもっと早く、少なくともあと1周は早く呼び戻すべきだった。我々はそうしなかったわけだが、もしくはステイアウトさせるべきだった。フルウエットでステイアウトしてポジションを守り、そうしてからドライタイヤに直接切り替えるべきだったかもしれない」
「ミスをしたわけだが、単純なことだったと思う。彼らを(ピットに)呼び戻すというミスにつながったプロセスは何だったのか? 調査を行い、明確な説明ができるようになるにはもう少し時間がかかるだろう」
レース後、サインツはルクレールの後を引き受ける用意はできており、優勝できた可能性もあったが、ウエットからハードに切り替えた後にウイリアムズのニコラス・ラティフィの後方で半周足止めされたと語った。
しかし、ビノットはチームの敗北を不運のせいにすることは控えた。
「我々は不運だったとは思わない。幸運や不運といった問題ではない。我々は判断を間違えたのだと考えている」
「ここモナコでレースをリードしているのなら、そのポジションにいるはずであり、首位を維持できなくても少なくとも2位でフィニッシュすべきだ」
「4位でのフィニッシュは、我々が間違いを犯したことを示している。幸運や不運といった話ではない」