NTTインディカー・シリーズ第6戦にスケジュールされた第106回インディアナポリス500マイルレース。29日に決勝レースが行われ、マーカス・エリクソン(チップ・ガナッシ)がインディ500初勝利を飾った。
佐藤琢磨(デイル・コイン・レーシング・ウィズ・リック・ウェア・レーシング)はレース終盤からストラテジーを変更。燃費走行でチャンスを狙うも25位でレースを終えた。
入場制限は解除され、30万を超える観衆がインディアナポリス・モータースピードウェイへと集まった。
晴天のもと、3列縦隊で伝統の200周の戦いがスタートする。ターン1はポールのスコット・ディクソンがホールショット。バックストレッチで早くも2番手のアレックス・パロウがディクソンを交わしトップで1周目を終える。
さらに2周目のターン1でリナス・ヴィーケイもディクソンを交わす。10番手スタートの佐藤琢磨は少しポジションを下げ12番手で序盤を走行。
8周目、ヴィーケイを交わし2番手にいたディクソンがトップを奪取。パロウと共にトップを入れ替えながらレースをリードしていく。
30周目でディクソンが1回目のピットイン。翌周、パロウもピットインし各車続々と最初のルーティンピットを行っていく。佐藤琢磨は、33周目終わりでピットへ。
39周目、2番手を走行していたヴィーケイがターン2でバランスを崩しウォールにクラッシュ。この日最初のイエローコーションとなる。
リスタートは47周目、9番手の琢磨はアウトサイドからターン1に入り一気に3台をオーバーテイク。抜かれたトニー・カナーン(チップ・ガナッシ)もやり返し、琢磨は7番手に。
チップ・ガナッシのワンツーでレースは進み2回目のピットイン作業が近づいていく。
69周目でディクソンがピットイン。しかし、この直後にカラム・アイロット(フンコス・ホーリンガー・レーシング)が単独クラッシュで2回目のイエローコーションに。トップのパロウはピットへ向かうタイミングと重なってしまい、ピットクローズで作業できずポジションを落としてしまう。
ディクソンはリードラップで戻ることができピンチを回避できたが、パロウは燃料がギリギリでピットレーンクローズ中に緊急ピットイン。ペナルティで最後尾となる。
トップはディクソン、2番手にイエロー前にピットインしていたコナー・デイリー(エド・カーペンター・レーシング)、パト・オワード(アロウ・マクラーレンSP)、マーカス・エリクソン(チップ・ガナッシ)、カナーンの順で、佐藤琢磨は10番手に。
78周目にグリーンフラッグで再開すると、81周目にデイリーがディクソンをパスしトップに立つも、翌周ディクソンが奪い返し、2台でレースをリードする。
ディクソンがトップで、レースはハーフウェイを消化。106周目終わりでデイリーが3回目ののピットイン。ここでグロージャンがターン2でクラッシュ。3回目のイエローコーションとなる。
ピットレーンがオープンになり、各車3回目のピットイン。デイリーがトップとなり、ディクソン、オワード、サンティーノ・フェルッチ(ドレイヤー&レインボールド)、エリクソン、カナーンの順で琢磨は9番手。
113周目でリスタート。ここでオワードがオーバーテイクしトップに立つ。しかし、ディクソンは翌周オワードからトップを取り戻す。後ろではフェリックス・ローゼンクヴィスト(アロウ・マクラーレンSP)がオーバーテイクを見せ4番手に浮上する。
ディクソンはトップをキープし141周目終わりでピットインし、トップ集団も続いていく。オワードはディクソンの前でピットアウト。琢磨は作業が遅れポジションを落としてしまう。
152周目、スコット・マクラフラン(チーム・ペンスキー)がターン3でクラッシュを喫しイエローコーション。トップ5は、オワード、ディクソン、ローゼンクヴィスト、デイリー、フェルッチの順で、13番手の琢磨はここでピットインしストラテジーを変更。後方からチャンスを狙う。
レースは159周目にリスタート。ディクソンがオワードを交わしトップを奪い、再びオワードとトップを入れ替える展開に。
172周目、まずは3番手のローゼンクヴィストがラストピットへ。ディクソンは残り25周でピットイン。デイリー、フェルッチも続く。しかし、ここでディクソンに大きなミス。ピットレーンのオーバースピードでペナルティとなり優勝争いから脱落。
オワードは177周を走行しピットイン。しかし、トラックに戻るとローゼンクヴィストに交わされオワードは実質2番手に。
182周目、エリクソンがオワードを交わし優勝争いに浮上。184周目にはローゼンクヴィストを交わし実質トップを奪う。カナーンもローゼンクヴィストをオーバーテイクしポジションをアップ。
全車ラストピットを終え、残りは10周。エリクソンは3秒のギャップを築き、2番手にオワード、3番手にカナーン、4番手にローゼンクヴィストと優勝争いはガナッシとマクラーレンの対決に。
しかし、195周目にジミー・ジョンソン(チップ・ガナッシ)がクラッシュ。イエローコーションからレッドフラッグでレースは中断。残り4周の超スプリントバトルというクライマックスを迎える。
セーフティカー先導でレースは再開。トップ5は、エリクソン、オワード、カナーン、ローゼンクヴィスト、アレクサンダー・ロッシ(アンドレッティ・オートスポート)。
残り2周でリスタートとなる。エリクソンがターン1でトップを守ると、勝負のファイナルラップでオワードがアウトサイドからエリクソンに襲い掛かる。
エリクソンはここでもトップを死守。ここでセージ・カラムがクラッシュを喫し、イエローコーションでチェッカーフラッグを受け、エリクソンがインディ500初優勝を飾った。