2022年F1スペインGP決勝で、フェラーリのシャルル・ルクレールはトラブルによりリタイア、カルロス・サインツは4位だった。
ルクレールはポールポジションからトップを快走中に、パワーユニットのトラブルが発生、ゆっくりとピットに戻り、そのままリタイアした。
サインツは、3番グリッドからスタートで5番手までポジションを落とし、7周目にコースオフし、11番手まで後退した。終盤、ルイス・ハミルトン(メルセデス)に抜かれて5番手でフィニッシュするかと思われたが、ハミルトンがトラブルにより大幅にペースを落とさざるを得なかったため、サインツは残り2周のところで4番手に上がり、その位置でフィニッシュした。
今回の結果により、ルクレールとフェラーリは、マックス・フェルスタッペンとレッドブルにドライバーズおよびコンストラクターズ選手権首位の座を明け渡す形になった。
チーム代表マッティア・ビノットは、一日を振り返り、次のように語った。
「もちろん、今日の結果には満足していない。シャルルは彼にふさわしい勝利を得る見込みだったのに、パワーユニットのトラブルが、彼からその勝利を奪った。今シーズンここまで、マラネロのチームは、パワーユニット開発において素晴らしい仕事をしてきただけに、残念だ」
「カルロスは、難しい状況から挽回して4位でフィニッシュした。彼はまだ自分が求めるフィーリングをF1-75から得ていないのだろう。彼が完全に快適に乗れるようサポートするのは我々の役目だ」
「シャルルをリタイアさせる原因となった問題が何であったのかを、これから探り出す。残念ながらこういったことは起こり得ることであり、我々に起こることもあれば、ライバルに起こることもある。だが今シーズンはまだ多くのレースが残されている。次のモナコから再び優勝を狙って戦っていく」
ビノットは、トラブルに関して「突然問題が発生した」と語ったとロイターが伝えている。
「シャルルが無線で伝えてきた時に初めて知った。それからエンジニアたちがデータを確認した。突然のことだった」
「今はまだ説明できない。夜の間にマラネロに送り、朝に分解して調べる」
フェラーリは今回の結果に失望しながらも、ポジティブな点として、「F1-75が予選でも決勝でも非常に競争力が高かったこと」「スペインに導入したアップデートが予想どおり機能したこと」を挙げている。
■シャルル・ルクレール(スクーデリア・フェラーリ)
決勝=リタイア
1番グリッド/タイヤ:ソフト→ミディアム
今年ここまで、チームは信頼性の面で信じられないほど素晴らしい仕事をしてきた。もちろん今日の結果は辛い。週末を通してトップに立ち、とてもいい仕事をしてきただけにね。でも、こういうことは時には起こるものだということは分かっている。こういう時は、ポジティブな面に目を向けることが大事だと思う。
予選でも決勝でも、ペースはとても強力だった。マシンのフィーリングも素晴らしかった。タイヤマネジメントが序盤数戦の弱点だったが、その点で進歩した。
今日、大量にポイントを稼ぐチャンスを失ったことは残念だし、がっかりしている。でもシーズンは長い。自分たちにポテンシャルがあることは分かっている。
次は僕のホームレース、モナコGPだ。良いレースになることを期待しているし、とても楽しみだよ。
(トラブルについて『Sky Sports』に語り)何の兆候もなかった。突然壊れて、パワーが完全になくなった。本当に残念だ。こういう場合、僕にできるのは、ポジティブな要素に目を向けることだけだ。今週末、ポジティブな要素はたくさんあった。
トラブルについてはこれから調査する。シーズン中に何度もこういうことが起きてはならない。問題を解明する必要がある。
■カルロス・サインツ(スクーデリア・フェラーリ)
決勝=4位
3番グリッド/タイヤ:ソフト→ミディアム→ミディアム→ソフト
本当に辛い日曜になった。望んでいたのとはほど遠い結果だ。ターン4で突風にあおられ、コースオフして、マシンがダメージを負った。その後は、ダウンフォース不足で、とても苦しんだ。あちこちでタイヤが滑る状況で走らなければならなかったんだ。
挽回するために全力を尽くし、4位を獲得した。状況を考えれば悪くはない結果だ。でも理想にはほど遠い。
シャルルのことは残念だった。彼はレースをリードしている時にリタイアしなければならなかったんだ。でも僕たちはモナコでより強くなって戻って来るよう、チーム一丸となって取り組んでいく。
今日一番ポジティブだったことは、グランドスタンドに大勢の観客が詰めかけて、僕たちを応援してくれたことだ。ここまで来て、応援してくれたすべてのファンに心から感謝したい。次にまた頑張るよ。