ウイリアムズのアレクサンダー・アルボンはF1第5戦マイアミGPで今シーズン2回目のトップ10フィニッシュを果たしたが、この見事な結果には、ウイリアムズの彼のクルーたちが持ち合わせている、進歩していくためのあらゆる意志が伴っていた。
先月のオーストラリアGPに先立ち、アルボンは髪を赤く染めた。それは彼が訪れたタイの孤児院の子供たちと連帯するためだった。子供たちはリバプールFCのファンであり、髪を赤く染めていたのだ。
連帯の証はアルボンに幸運をもたらし、メルボルンでは新チームでの初ポイントを獲得した。イモラではポイント圏外の11位でフィニッシュしたアルボンは、マイアミGPに向けてさらに髪を赤く染めた。一方でアルボンのクルーたちは、マイアミGPで彼がトップ10フィニッシュに成功したら、彼らも髪を赤くすると約束した。
なんということか、アルボンはマイアミ・インターナショナル・オートドロームで全身全霊の走りで9位につけ、2ポイントを獲得したのだった。また、多くの人たちが気付かぬうちに、アルボンはこの成績をウイリアムズ・グランプリ・エンジニアリングのF1デビュー45周年の日に達成した。そのレースは、1977年のハラマでのスペインGPで、チームはベルギー人ドライバーのパトリック・ネーブとともにマーチ-フォードで参戦した。
「アップグレードは必要ないよ、髪を染める必要があるだけだ。それだけだよ」とアルボンはレース後に『Sky F1』に冗談めかして語った。
「メルボルンの前に染めたら、10位でフィニッシュした。その後色があせてしまい、イモラでは11位になった。パフォーマンスに影響するようになったんだ。だからもっとポイントを獲れるよう期待して染め直した」
しかし暑さで汗をかいた状態でアルボンがヘルメットとバラクラバを取ると、そこにはぞっとするような光景が現れた。
「僕のバラクラバは赤く濡れてる。鮮やかな赤だよ」とアルボン。「染料がすべて落ちてしまったんだ。まるで僕が斬首されたようだよ!」
「僕たちは、今週末に僕がポイントを獲得したら、チーム全体が髪を赤く染めると言っていたんだ。エンジニアリングルームに行ったら、彼らは『ええと、条件は表彰台だったよね』なんて発言を撤回し始めたよ」
赤い染料と髪の色は別にして、アルボンはチームとドライバー両方がレースのたびに“上昇している”と感じている。
「数年前よりも自分が良い仕事をしていると感じている」とアルボンはコメントした。
「僕には望む場所での仕事に取り組み、成長するための1年があった。僕たちも僕自身も上昇している」
「毎回の走行で改善していると感じる。これまで以上に経験が増えて、かなりいい気分だよ」