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 2022年F1第4戦エミリア・ロマーニャGPで各チームが走らせたマシンを、F1i.comの技術分野を担当するニコラス・カルペンティエルが観察、印象に残った点などについて解説する。第1回では、レッドブルRB18がフェラーリを圧倒する速さを見せた理由を探る。

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 フェラーリと異なり、レッドブルは、スプリント形式で行われたエミリア・ロマーニャGPの週末に、いくつかの技術的な革新を導入した。

レッドブルRB18のキール比較
レッドブルRB18のキール比較

 マシン前部では、キール周りにフィンを追加し(上の写真のイモラとそれ以前の画像の黄色い矢印参照)、キール自体も改良することで(青い矢印)、さらなるダウンフォースを獲得した。

 これはフェラーリF1-75やアストンマーティンAMR22に見られるデザインを踏襲したものと見ていいだろう(上の写真の白矢印参照)。リヤではブレーキダクトに改良を加え、冷却性を向上させている。

レッドブルRB18のリヤブレーキダクト比較
レッドブルRB18のリヤブレーキダクト比較

 さらにより軽量なパーツを装着することで、フェラーリに対する重量的なハンディキャップはかなり軽減された。理論上コンマ3秒程度遅くなるといわれる10kg前後のプラス分のうち、今回のイモラで4kg、残りの6kgはバルセロナで解消されるはずだ。

 これらの改良によって、レッドブルは本当にフェラーリより速くなったのだろうか?

 イモラの週末に限れば、車体のアップデートよりもむしろ、タイヤの操作性が勝敗を分けたと考えるべきだろう。この点に関してレッドブルは、前戦メルボルンの敗因を分析し、多くの教訓を得た。その結果、ウエットとドライが混在する難しい路面コンディションでも、フロントタイヤにグレイニングが発生することを防ぐことができた。

 対照的にフェラーリ、特にシャルル・ルクレールは、土曜日のスプリントでも日曜日の決勝レースでも、レース後半からフロントタイヤの劣化に苦しんでいた。

 今季初のスプリントフォーマットだったため、予選前のフリー走行が1回だけしかなかった。フェラーリのエンジニアはそこで適切なセッティングを見つけられなかった。

2022年F1第4戦エミリア・ロマーニャGP シャルル・ルクレール(フェラーリ)
2022年F1第4戦エミリア・ロマーニャGP シャルル・ルクレール(フェラーリ)

「60分間しかなく、しかもウエット路面だった。有益なデータ取りは、ほとんど不可能だった」と、マッティア・ビノット代表は言明する。しかし同じ条件下で、レッドブルは予選、2ヒートのレースに向けてのセッティングを詰めていた。エンジニアたちの力量差が、結果的に明暗を分けたということかもしれない。