STCCが2023年から世界初のフル電動国内選手権に変貌。テスラ『モデル3』で市街地戦も開催へ

 2017年よりTCR規定を導入し、TCRスカンジナビア・シリーズとして開催されてきたSTCCスカンジナビアン・ツーリングカー選手権は、来季2023年よりシリーズの大変革プロジェクトを実施するとアナウンス。TCRスカンジナビアと並行し、STCCは世界初のフル電動ツーリングカーによる国内選手権へと変貌し、スウェーデンのEPWR社による新型競技車両を導入すると発表した。

 現在STCCに参戦するPWRレーシングのBEV開発プロジェクト“PWR002”が発展し、新たに設立されたEPWR社を介して供給される電動ツーリングカーは、市販車をベースに大幅な変更が加えられ、その最初の1台として『テスラ・モデル3』が公開された。

王者ロバート・ダールグレンがタイトル防衛に向けポール・トゥ・ウイン発進/STCC開幕戦

 2022年のSTCCスカンジナビアン・ツーリングカー選手権開幕戦が、6月4~5日の週末にスウェーデンのユンビヘッド・パークで開催され、王者ロバート・ダールグレン(PWRレーシング/クプラ・レオン・コンペティションTCR)が予選“スーパーポール”形式の1発勝負と、シングルレースの決勝をポール・トゥ・ウインで制し、タイトル防衛と3度目の戴冠に向け好発進を決めている。

 昨季より増加の全16台が集ったSTCC開幕戦は、2021年に全18ヒート中11勝を挙げ、表彰台を逃したのはわずか3回という記録的な強さで戴冠を決めたダールグレンに対し、ライバル勢がどこまで喰い下がれるかが焦点となった。

PWRレーシングが電動化時代のWorldRX参入。グロンホルム、アンダーソンの男女ペア起用へ

 2022年に最高峰クラスがフル電動化を果たすWorldRX世界ラリークロス選手権に、STCCスカンジナビアン・ツーリングカー選手権で複数タイトルを獲得してきた強豪PWRレーシングが新規参入を表明。新たにコンストラクション・エクイプメント・ディーラーチーム(CEディーラーチーム)の名称を掲げて“RX1e”で2台体制を敷き、ニクラス・グロンホルムとクララ・アンダーソンを起用、史上初の男女ペアでフルシーズンを戦うとアナウンスした。

 自社開発モデルとなる世界初の完全電動ツーリングカー『PWR001』を手掛けたコンストラクターの顔も持ち、ロバート・ダールグレンやミカエラ-アーリン・コチュリンスキーを擁してSTCCシリーズ制覇も成し遂げたPWRレーシングは、マティアス・エクストローム率いるEKS RXで元チームマネージャーを務めたエミール・アクセルソン主導のもと、初のラリークロス参入を決めた。