メルセデスのルイス・ハミルトンは、投資家コンソーシアムを介してイングランドのプレミアリーグに加盟するチェルシーFCへ個人的な投資を行うのは「コミュニティのため」だと述べており、名門クラブを包括性と多様性の促進のために活かすという。
木曜日、ハミルトンと彼の友人でテニス選手のセリーナ・ウイリアムズが、元リバプールFC会長のマーティン・ブロートンが率いる投資家コンソーシアムの一員となり、制裁を科されたオリガルヒのロマン・アブラモビッチが売り出しているチェルシーFCの入札に参加しようとしていることが明らかになった。
イモラでのエミリア・ロマーニャGPの週末に先立ち、ハミルトンはブロートンから連絡を受け、彼のチェルシーに対するビジョンを伝えられたことを明らかにした。
ハミルトンは、自身の価値観と「非常に一致している」価値観を具現化するプロジェクトに魅了された。ハミルトンによると、彼とウイリアムズは“何度も”話し合いを持ち、ふたりで総額2000万ポンド(約32億円)をコンソーシアムに投資するという。
「これはすべてコミュニティのためのことだ」とハミルトンは語った。
「サッカーチームを作るのは、そのなかと周りにいる人々だ。チェルシーは(多様性と包括性において)とても進んでいたし、より多様で進歩的になっている。だから、僕たちは以前の所有者と関係しているわけではない」
「僕たちの目標は、彼らがやってきた仕事を継続し、コミュニティにさらに大きな影響を与え、関わりを深めることにある」
昨年12月、チェルシーは2021年6月期の会計年度において、1億4560万ポンド(約235億円)の損失を出したことを発表した。しかしハミルトンは、取引の詳細な調査を行うなかで、ブロートンのコンソーシアムの重要な優先事項は、損失を減らすことにあると確信した。
「当然ながら(損失を被ることは)投資における考えにはない」
「これまでの話し合いを通して、チームは今後の経営において改善を図り、これらの損失を減らして利益を生み出す組織に変わることを計画している」
「そうするためには多くの仕事が必要になる。多くのことが進んでいる。僕がすべてのことについて戦略を持っているわけではない」
「僕たちはまだ入札に勝っていない。入札に勝ってからすべてが始まる。でもこのチームは、一生涯のチェルシーファンたちと、僕のように後から来た人たちの共同体だ」
「負けるという考えを持っている人は誰もいない。チェルシーはすでに勝利への意志を持っていると思うよ。でも僕たちの前進の仕方でもっとうまくやれると考えている」
ハミルトンは、投資家としての彼の主要な役割は、クラブの多様性と包括性の面で改善することに手を貸すことであり、こうした関与はF1へのコミットメントと両立するものだと語った。
「さらに多様性と包括性を進めるためには、今も多くのやるべきことがある」とハミルトンは述べた。
「これは多くの素晴らしいファンを呼び込み、啓蒙するための素晴らしい基盤だ」
「チームにはすでに素晴らしい才能の持ち主たちがいて、差別に立ち向かい、組織と緊密に協力して前進している。これはチェルシーのファンにとって本当に重要なことだし、コミュニティもその面で多額の投資を受けている」