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 現地時間5月29日、2022年FIA F2第5戦モンテカルロのフィーチャーレース(決勝レース2)がモナコのモンテカルロ市街地サーキットで開催され、フェリペ・ドルゴヴィッチ(MPモータースポーツ)が優勝。テオ・プルシェール(ARTグランプリ)が2位、ユーリ・ビップス(ハイテックGP)が3位を獲得した。

 先週開催のバルセロナ戦と合わせて、2週間で3勝を飾ったドルゴビッチはレースを振り返り「僕にとっては信じられないようなレースだった」と語った。

「序盤は、すべてがうまくいっていたんだ。でも終盤はタイヤが苦しくなってきて、テオを抑え続けることになった。幸いなことに大きなミスもなく、何とかやっていけた。今はとても幸せだ」

「彼から受けたプレッシャーを言い表すのは難しいね。レースが終わった今でもすごく疲れているんだ。レースは体力勝負で、ステアリングが重くて序盤はマシンと格闘していた。終盤はもっとクレイジーで、ミスは許されないしストレートエンドで彼は真後ろに接近していた。だから本当に大変だった」

フェリペ・ドルゴヴィッチ(MPモータースポーツ)
2022年FIA F2第5戦モンテカルロ レース2 今季4勝目を挙げたフェリペ・ドルゴヴィッチ(MPモータースポーツ)

 20周近くに渡ってドルゴビッチにプレッシャーをかけ続け2位フィニッシュしたプルシェールは「モナコで勝ちたかった」と悔しさと疲労感をにじませる。

「今シーズン最高のレースだ。全体的に見れば僕にとっていい週末だ。モナコで2位は素晴らしいよ。僕たちには勝てるペースがあったと思うけれど、フェリペはいい仕事をした。彼はミスをしなかった。僕は確かに彼に大きなプレッシャーをかけていた。ヘアピンでフロントウイングが彼のホイールに接触しそうになったこともあった。うまくいったしうれしいけど、今は肉体的にも精神的にもちょっと疲れたよ」

「一度はヌーベルシケインで(追い抜きを)狙いたかった。けれど少し離れ過ぎていたんだ。オーバーテイクしようと思ったけれど、実はリヤがロックしてしまい接触しそうだった。タイヤも苦しくクルマも不安定だった。だから僕にはフェリペにプレッシャーをかけて、彼がミスをするのを待つしかなかったんだ。2〜3周はプールセクションで危うく大クラッシュしそうになったんだ」

 ドルゴビッチのタイヤ交換が遅れたあのタイミングが追い抜きのチャンスだったのではないか、と問われたプルシェールだがそれは難しかったことを明かした。

「もちろん僕たちのピットストップもベストなものではなかったけれど、フェリペをオーバーテイクするチャンスだった。セーフティカー中にピットインするチャンスもあった。でも最終的には自分たちの最大限の力を出し切った。このレースは優勝にあと一歩だったけれど、2位も素晴らしいと思う」

テオ・プルシェール(ARTグランプリ)&フェリペ・ドルゴヴィッチ(MPモータースポーツ)
2022年FIA F2第5戦モンテカルロ レース2 2位テオ・プルシェール(ARTグランプリ)&優勝フェリペ・ドルゴヴィッチ(MPモータースポーツ)

 3位のビップスには、優勝を狙えるペースがなかったという。

「僕にはテオのようなペースはなかった。彼は序盤に冷えたタイヤで多くのリスクを負っていたと思うし、僕は今シーズンのことを考えると、そのリスクを負いたくなかった。ただレースをフィニッシュしたかったんだ。それからDRSの範囲内で彼らについてけた」

「ヘアピンでロックして2速に入れたときがあったんだけど、ステアリングが300度くらい傾いていたから、(シフトが)どちらか分からなくなってしまって。シフトダウンしようと思って3速、4速と進んでエンストしそうになってしまった。クラッチを握らなければならなくなり、4〜5秒ロスしてしまったよ」

「もう少しで追いつくところだった。でもフェリペと同じくひどいグレイニングがあって、最後の4〜5周はかなりペースが落ちてしまったんだ。それ以外はペースもよかったし、ヘアピンのミスの後にまた彼に追いつくことができた」

「簡単な週末ではなかったと思う。予選で赤旗が出たし練習走行では最後のふたつのコーナーをまったく走れなかった。だからスピードに乗った状態で走れたのは予選が初めてで、しかも1周目にブロックされてしまった。フルスピードで走れたのはアタックラップの1回だけだった」

「その結果、最終セクターでコンマ2秒ほど遅れてしまい、フロントロウを逃すことになってしまった。でも最終的にはフェリペがポールを獲得していただろうから、大きな違いはなかったと思う。だから、結果を出せてうれしいよ」

ユーリ・ビップス(ハイテックGP)
2022年FIA F2第5戦モンテカルロ レース2 3位に入賞したユーリ・ビップス(ハイテックGP)