現地時間5月28日、2022年FIA F2第5戦モンテカルロのスプリントレース(決勝レース1)がモナコのモンテカルロ市街地サーキットで開催され、昨季FIA F3王者でレッドブル育成のデニス・ハウガー(プレマ・レーシング)が初優勝。ユアン・ダルバラ(プレマ・レーシング)が2位、マーカス・アームストロング(ハイテックGP)が3位を獲得した。
ポール発進のジェイク・ヒューズ(ファン・アメルスフォースト・レーシング)がストールして後退。労せずしてトップに立ったハウガーはレースの主導権を握った。モナコでの優勝を「正直言って夢のようだ」とレース後のインタビューで語った。
「子供の頃からモナコGP、F1を見ていた。モナコでのレースはこれが初めてで、優勝できて本当に嬉しいんだ。まずまずのスタートで、ジェイクがストールしてしまったので、それからはペースをコントロールすることに専念したよ。セーフティカー(SC)が入った後は路面温度に苦労させられたけれど、ペースはすごくよくて、レースをコントロールできた。最高の1日になったし、明日もいいレースをできるといいね」
もしもヒューズが先行していたらどうしていたのか、という質問に対しハウガーは次のように語っている。
「スタート自体はとてもよかった。確かにターン1までのストレートはそれほど長くないので、簡単に抜ける場所ではない。蹴り出しはよかったからサイド・バイ・サイドになったと思うが、最終的に何ができたのかは分からないね。とにかく勝ててハッピーだ」
「シーズンを通してある程度の速さを身につけることができてきたと思う。バルセロナでは残念な結果になったけれど、少しでも状況を好転させて初勝利を挙げることができて本当によかった。これがターニングポイントになることを祈っているよ」
今季3度目の2位表彰台を獲得したダルバラはトップに立つチャンスが無かったと語る。
「(追い抜くチャンスは)正直なところなかった。ジェイクを避けることだけに集中したので何が起こったのか分らなかった。最初の3〜4周はできるだけデニスにプレッシャーをかけようと思ったんだ。なんとかDRS圏内に入れたけれど、追い抜きを試せるほどスピードはなかったよ。SCが入るまで彼のペースは悪くなかったし、それは僕も同じだった」
「けれどSC後はグレイニングにかなり悩まされて、左フロントタイヤが完全に終わってしまっただけに、自分のドライビングを振り返る必要がある。そのあとはただひたすらマシンを走らせるだけになり、彼を追い抜くのは不可能に近かったんだ。リタイアしたバルセロナの直後で2位はベストリザルトだし、もっとも重要なことはマシンをゴールまで運びチームのためにワン・ツーを達成したことだ」
3位を獲得したアームストロングは自身に勢いを感じるとコメントしている。
「イモラで話したように、ポテンシャルが間違いなくあると思うし昨日もまずまずだった。明らかにどちらのレースともいいポジションにつけている。予選ではフェリペ(・ドルゴヴィッチ/MPモータースポーツ)が最終コーナーでアクシデントに見舞われ、メガラップを出すチャンスを逃してしまった。なので今回も僕たちのポテンシャルをフルに発揮できなかった。最後のアタックはうまくいくと思っていたんだ。それでも今日は表彰台を狙える位置にいたのだから、今後の足掛かりになると思う」
例年に比べて高温でのレースとなったモナコだったが、顕著な影響は感じなかったという。
「正直なところ、分らない。ペースは速く、グリップはしっかりしていた。ファステストラップも狙ったけれど、その時はユアンがいたから、クールダウン、プッシュ、クールダウン、プッシュ、という感じでちょっと大変だったね。クールダウンをするたびにユアンと同じラップタイムになるから次のラップでしっかりプッシュするために十分なスペースを確保するのが難しかった」
「そんななかでもハイテックは素晴らしい仕事をしてくれたし、もし(雨予報が出ている)明日がドライなら、フィーチャーレースに向けた僕たちのマシンはとても強力だと思うよ」