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 現地時間5月28日(土)、2022年FIA F2第5戦モンテカルロのスプリントレース(決勝レース1)が開催され、昨季FIA F3王者でレッドブル育成のデニス・ハウガーが初優勝。日本の佐藤万璃音(ビルトゥジ・レーシング)は15位、岩佐歩夢(ダムス)は17位だった。

 前日に行われた予選ではAグループのリアム・ローソン(カーリン)が最速タイムを記録するも、最速ラップを計測する直前に発生したクラッシュに伴う黄旗区間で必要な減速を怠ったとして最速タイムの抹消と5グリッド降格処分が下された。ローソンに次ぐタイムを記録した岩佐も同様にペナルティ対象となり、こちらは黄旗を見落としていたとしてタイム抹消と10グリッド降格処分が決定し、決勝レースは19番グリッドスタートとなってしまった。

 スターティンググリッドが大きく変更され、ポールスタートはジェイク・ヒューズ(ファン・アメルスフォールト・レーシング)、2番手にデニス・ハウガー(プレマ・レーシング)。セカンドロウにはハウガーの同僚ユアン・ダルバラが3番手、マーカス・アームストロング(ハイテックGP)が4番手。佐藤は16番手からスタートする。

 異例の暑さに見舞われるモンテカルロは気温26.3度、路面温度40.8度のドライコンディション。しかし雨雲が接近している予報が出される状況に。レース周回数は30周もしくは45分、タイヤ交換義務はなし。直前に行われたF1予選の終了が遅れたためフォーメーションラップは現地時間18時05分に開始となった。

 そしてシグナルはオールブラック。なんとヒューズがストールし発進できずハウガーがホールショットを奪いダルバラ、アームストロングが続く。幸いにもヒューズと接触するマシンはおらず、岩佐は4つ順位を上げて15番手で1周目を終える。

 3周目、雨雲の接近を察知しMPモータースポーツは20番手のフェリペ・ドルゴヴィッチをピットに戻し、ドライ路面ではあるがウエットタイヤを履かせるギャンブルを敢行。ピットアウト後は他車よりも5秒以上遅いペースでの周回となり、ふたたびピットインしスーパーソフトを装着してレースに復帰する。なおドルゴヴィッチはピットレーンの速度違反を犯してしまい5秒加算ペナルティを受ける散々な展開となった。

 ラップを重ねるごとにトップ3は独走状態となるが4番手のエンツォ・フィッティパルディ(チャロウズ・レーシング・システム)を先頭に4台が数珠つなぎとなり一触即発の様相を呈していく。

 そして10周目にレースが動く。ラスカスにクレモンテ・ノバラック(MPモータースポーツ)と岩佐がサイドバイサイドで突入。アウト側のノバラックはウォールにマシンを当ててストップ、自走できずマシン回収のためにセーフティカー(SC)が導入。岩佐はフロントウイングにダメージを負ったようで翌周にピットインしウイングを交換、17番手でコース復帰しSC解除を待つこととなった。

 14周目からレースは再開されハウガー、ダルバラ、アームストロングの順にサン・デ・ボーデを通過。混乱なく全車スムーズにリスタートした。なお岩佐はノバラックとの接触で10秒加算ペナルティが下されている。

 SCが終了しトップのハウガーは快調なペースで周回を重ね2番手ダルバラとの差を4秒以上築きながらレースを消化。タイヤを温存し終盤にはファステストラップも記録する盤石の走りでファイナルラップに突入する。

 時折雨粒がカメラのレンズに付着するがコースを濡らすほどには至らず。ハウガーがトップチェッカーを受けF2参戦1年目で初優勝を飾った。同僚のダルバラが今季3度目の2位に入り、ダルバラを攻め続けたアームストロングが3位表彰台を獲得。佐藤は15位、岩佐は17位でレースを終えた。

 終日雨が予報されている日曜日はドラマチックな展開が予測される。フィーチャーレース(決勝レース2)は日本時間5月29日(日)の16時50分からスタートする。

■FIA F2第5戦モンテカルロ スプリントレース(決勝レース1) 暫定リザルト

Pos. No. Driver Team Time/Gap
1 1 D.ハウガー プレマ・レーシング 30LAP
2 2 J.ダルバラ プレマ・レーシング 6.711
3 7 M.アームストロング ハイテックGP 7.267
4 22 E.フィッティパルディ チャロウズ・レーシング・システム 13.164
5 8 J.ビップス ハイテックGP 14.566
6 10 T.プルシェール ARTグランプリ 15.829
7 3 J.ドゥーハン ビルトゥジ・レーシング 17.365
8 5 L.ローソン カーリン 21.670
9 16 R.ニッサニー ダムス 22.838
10 6 L.サージェント カーリン 23.031
11 9 F.ベスティ ARTグランプリ 26.356
12 23 C.ボリュクバシ チャロウズ・レーシング・システム 31.338
13 20 R.フェルシュフォー トライデント 32.414
14 21 C.ウィリアムズ トライデント 44.226
15 4 F.ドルゴヴィッチ ビルトゥジ・レーシング 44.652
16 14 O.コルドウェル カンポス・レーシング 45.245
17 25 A.コルデール ファン・アメルスフォールト・レーシング 47.270
18 24 J.ヒューズ ファン・アメルスフォールト・レーシング 55.403
19 17 岩佐歩夢 ダムス 55.751
11 F.ドルゴヴィッチ MPモータースポーツ DNF
12 C.ノバラック MPモータースポーツ DNF
22 E.フィッティパルディ チャロウズ・レーシング・システム DNF
12 C.ノバラック MPモータースポーツ DNF