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S-GT2022 rd3 Suzuka QF
LMcorsa REPORT
#60 Syntium LMcorsa GR Supra GT

公式練習では攻めたセットアップが裏目となったが
予選に向けてマシンの調整を進めると
予選Q1を吉本選手が突破し、予選Q2では河野選手が11番手を獲得する

 今シーズンも海外戦を除き国内の6つサーキットで8戦が実施されるAUTOBACS SUPER GT 2022 SERIES。4月16~17日に岡山国際サーキットで開幕戦が開催され、今季も激戦の火蓋が切られた。2週間のインターバルを経たゴールデンウイークには恒例となっている富士スピードウェイ戦が行われ、今回の鈴鹿サーキット戦が3戦目となる。『SUPER GT Round3 たかのこのホテル SUZUKA GT 300km RACE』は、5月28日(土)に公式練習と予選、29日(日)に決勝レースが開催される。

 昨シーズンからGR Supra GTにマシンをチェンジし、初年度ながらもマシンのポテンシャルを引き出してシリーズチャンピオン争いを繰り広げたLMcorsa。今季は昨年を超える成績を収めることを目標としてきたが、開幕戦と第2戦では苦戦をしいられることとなり、完走は果たすがポイントを持ち帰られないレースが続いている。

 今戦の鈴鹿サーキットはチームの母体となる大阪トヨペットグループからもっとも近いサーキットでイベントを実施することもあり、ホームコースとして位置付けている。そんな馴染みのあるコースで今シーズン初のポイントと上位フィニッシュを果たすため、挑戦的なセットアップで鈴鹿サーキット戦に挑んだ。

 走り始めとなる公式練習は28日の9時30分から11時15分までの1時間45分にわたって行われた。まずは吉本大樹選手がSyntium LMcorsa GR Supra GTに乗り込んで、マシンの状態をチェック。合わせて持ち込まれたタイヤの確認も行うが、セットアップがコンディションと合わず想定した感触が得られないというコメントが伝わってくる。公式練習中に大幅なセットアップ変更はできないため、細かな調整で対応するがタイムが伸びない。残り30分の時点で吉本選手から河野駿佑選手にドライバーチェンジし、決勝レースを想定したロングランテストなどを実施。結果として公式練習は吉本選手がマークした1分59秒524がベストタイムで、GT300クラスの27台中21位となった。

気象データ

気温:28度、路面温度:44度(予選Q1時)

予選

 公式練習の結果を受けて、チームは持ち込みのセットアップから大幅に変更することを決断する。公式練習のあとにはFCY(フルコースイエロー)の確認走行が実施され、14時45分に開始される予選まで約3時間のインターバルしかなかった。それでも限られた時間のなかでメカニックは敏速に作業を続け、予選に向けて調整を施していった。

 今季もGT300クラスの予選Q1はふたつのグループにわけて競い、上位8台ずつが予選Q2に進出する。LMcorsaはAグループに振り分けられ、予選Q1では吉本選手がSyntium LMcorsa GR Supra GTに乗り込んだ。アウトラップと翌周でウォームアップを終えると計測2周目にアタックを実施する。ミスなく1周をまとめると公式練習から1.5秒ほどのタイムアップとなる1分58秒002をマーク。最後はライバル勢がタイムアップし、結果としてギリギリとなったがAグループの14台中8番目のタイムで予選Q2への進出を果たした。

 GT300クラスのBグループ、GT500クラスの予選Q1を挟んで、予選Q2が実施された。河野選手も吉本選手と同様に計測2周目にアタックを行う。だが1コーナーでミスがあり、この周でのアタックをやめる。翌周に仕切り直してアタックするが、先行していたマシンがスピンしたために黄旗が振られ、この周もアタックを中断した。結果的に計測4周目に1分58秒608をマークするが、すでにタイヤのピークグリップを超していて悔しい内容となった。最終的なリザルトは上位に入ったマシンにペナルティが与えられたため11位となった。

 決勝レースのラップタイムはライバル勢と比べてアドバンテージがあると想定しているので、ミスなく走り切れば上位でフィニッシュすることが期待される。

コメント
飯田章監督

「今戦の鈴鹿サーキットでは開幕戦と第2戦の間にメーカーテストが実施されていて、タイヤを含めて多くのデータが獲れていました。公式練習ではややセットアップが合わなかったようで心配しましたが、予選に向けて変更を加えていきました。この調整が功を奏して予選Q1を突破でき、最終的に11位となりました。決勝レースはドライバー、チームともにミスなく走ることができれば成績はついてくると思います。できれば上位に入って多くのポイントを持ち帰りたいです」

吉本大樹選手

「2戦目までの結果からチームとして攻めたセットアップで公式練習に臨みました。しかし、路面状況を含めたコンディションと合わず苦しい状況となります。予選に向けては大幅にセットアップを調整しないと状況変化がないと考え、かなりの部分に手を加えました。予選Q1で走ってみると想像していたようにマシンが反応してくれ、タイムも大きく伸びました。回りのマシンがどのような状態で予選を迎えたかわかりませんが、決勝レースも良いペースで走れると思っています」

河野駿佑選手

「挑戦的なセットアップで公式練習を走ったのですがタイム的には伸びませんでした。しかし、ロングランを想定した走行では好感触な部分もありました。予選に向けてはセットアップを大きく変更することで、本来のパフォーマンスが戻ってきました。吉本選手が予選Q1を突破してくれ上位を目指していたのですが、アタック1周目は私のミスで、2周目は黄旗が振られていてタイムを伸ばせませんでした。まとめることができませんでしたがマシンの状況は良くなっているので決勝レースは期待したいです」