WEC世界耐久選手権は、5月7日に決勝が開催される第2戦スパ・フランコルシャン6時間レース向けのBoP(性能調整)を4月27日付で発表した。
WECコミッティーのブルテンによれば、ハイパーカークラスでは3月の開幕戦セブリング1000マイルレースで総合優勝を飾ったアルピーヌ・エルフ・チームのアルピーヌA480・ギブソンにおいてBoPに変更が加えられている。
アルピーヌA480のスパでの最大出力は、セブリングから20kW削減され、410kWと定められた。
ハイパーカークラスではこれが第1戦からの唯一の変更点となり、トヨタGAZOO RacingのトヨタGR010ハイブリッド、ならびにグリッケンハウス・レーシングのグリッケンハウス007 LMHにおいては、セブリングと同じパラメーターが採用される。
ACOフランス西部自動車クラブが「タイヤサイズに関連したもの」と説明しているトヨタGR010ハイブリッドの『フロント・パワー・デプロイメント・スピード』も、ドライ・ウエットともに190km/hに据え置かれている。これは、車速が190km/hに達するまではフロントに搭載されたMGUからのパワーを使えないことを意味している。
セブリングと同じく、トヨタの最大出力は506kW、最低車重は1070kgとなり、ハイブリッド非搭載のグリッケンハウスは520kW、1030kgのままとなる。また、3車種とも1スティントあたりに使用できるエネルギー量に変更はない。
LMGTEクラスのBoPにおける唯一の調整は、ポルシェ911 RSR-19の燃料タンク容量の2リッター削減だ。これにより、LMGTEプロクラスのポルシェは100リッター、LMGTEアマクラスのポルシェは97リッターで、スパ戦を戦うことになる。
戦績に応じたサクセスバラストを搭載するLMGTEアマクラスでは、ポール・ダラ・ラナ/デビッド・ピタード/ニッキー・ティームがドライブするノースウエストAMRの98号車アストンマーティン・バンテージAMRが前戦1位のためプラス15g、ランキング1位のためプラス15kgと、合計30kgのウエイトを積むことに。
同じく開幕戦2位のTFスポーツ33号車アストンマーティンが10kg+10kgの計20kg、同3位のチーム・プロジェクト1の56号車ポルシェが5kg+5kgの計10kgを、最低車重に加えて搭載する。
ポルシェは、ベースとなる最低車重が1274kgともっとも重いことから、サクセスバラスト搭載後の56号車の1284kgが、スパのLMGTEアマクラスのなかでは最重量の車重となる。
第2戦『トタルエナジーズ・6アワーズ・オブ・スパ』には、4クラス37台の車両がエントリーを予定している。