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 今季、全日本スーパーフォーミュラ選手権のセッション後に設けられている“メディア・ミックスゾーン”。全ドライバーが1箇所に集まり同時にメディア対応を行うという、F1やWECなど海外レースではおなじみの取り組みだ。この記事ではそこで聞けたドライバーたちの“声”を、可能な限りお伝えする。

 ウエットレースとなった第3戦鈴鹿決勝終了後、ミックスゾーンでのドライバーのコメントをお届けしよう。

■サッシャ・フェネストラズ(KONDO RACING) 予選3番手/決勝4位
 オフテストから続く好調の波に乗り、予選では3番グリッドを確保したフェネストラズ。しかし決勝のスタートでは出遅れ、1周目に6番手までドロップ。そこからは我慢のレースを強いられた。

「スタートは良くなかったね(笑)。クラッチをつないでもクルマが前に進まなかったんだ。でも、たとえ普通にいいスタートが切れていたとしても、残念ながら表彰台圏内を走るスピードはなかったと思う。今日のクルマでは、4位がベストリザルトだと思う」

「みんな同じ問題を抱えていたと思うけど、タイヤのデグラデーションがとても大きかった。スタートして6〜7周というところで、デグラデーションが出始めてしまったんだ。無線でチームに、『なにかできることはない?』と聞いたんだけど、『みんな同じだ』と教えられた。そのまま走り続けるしかなかった」

「最後に何か起きるかも……と考えてタイヤをセーブしようとしたけど、最後の10周は(小林)可夢偉が近づいてきて、すごく難しいものになった。でもなんとか4位をキープすることができてハッピーだよ」

2022スーパーフォーミュラ第3戦鈴鹿 サッシャ・フェネストラズ(KONDO RACING)
2022スーパーフォーミュラ第3戦鈴鹿 サッシャ・フェネストラズ(KONDO RACING)

■平川亮(carenex TEAM IMPUL) 予選12番手/決勝7位
 予選ではスピードがなかった平川は、決勝のスタートでさらに順位を下げてしまう。しかし、最終的にはポイント圏内までポジションを回復してレースを終えた。

「スタートを失敗して後方に沈みました。1コーナーも結構(水飛沫で)見えなくてどっちにいけばいいか分からないし、そもそも事故がなかったのがすごいなと思って。自分たちを褒めるのもアレですけど、この水飛沫のなか、アクシデントなく終われたのはすごい。スタンディングスタートをするには、雨が多かった気がしているのは事実です」

「そのあとはいいレースができたので良かったですが、最初に集団がばらけるまでの数周に関しては、リスキーだったと思っています」

「雨のレースでも、タイヤ交換(義務)があってもいいなと思いました。それがあればもっといろんな展開が生まれたと思いますし、なかなかバトルもないじゃないですか。自分は最初にタイヤを使ってしまって、最後は防戦一方な感じになってしまい、ちょっと残念でした」

■小林可夢偉(KCMG) 予選11番手/決勝5位
 11番手スタートから、1周目でふたつポジションを上げた可夢偉。その後もじりじりと順位を上げ、僚友の国本雄資をパスするシーンも見られた。可夢偉もまた、平川と同じくスーパーフォーミュラ参戦ドライバーのレベルの高さに言及した。

「(雨のレースは)見えないなかでやるしかない。それでも僕らはこうやって日本のなかの上位カテゴリーで戦えているドライバーなので、これまでの経験であったり、いままでのリスクマネジメントであったりのおかげで、無事にクラッシュなくレースが終えられた。このことは、非常に分かりやすく、レベルが高いレースをしてるという証じゃないかなと思います」

「今回、雨では僕のクルマの調子が良くて、雄資は僕のセットアップをコピーしていって、そうしたら雄資としてもパフォーマンスが上がったということだったので、2台体制の強さを生かしながら、いま、チームを強くできているのかなと思います。もっとレベルを上げられるようにやっていきたい」

「僕自身、ペースはすごくいいというわけではないものの、トップに(わずかに)及ばないくらいのペースをレースを通して見せられたというのは良かったと思いますし、2台でポイントを獲ることができて良かったと思います」

「できればトップを戦いたいのが本音なんですけど、まだそこまで行けてないという現実があるので、早くそこに行けるように、やっていきたいなと思います」

ホームストレートに立ち上る水煙
ホームストレートに立ち上る水煙

■阪口晴南(P.MU/CERUMO・INGING) 予選20番手/決勝12位
 日曜朝のフリー走行、スプーンカーブでスピンは喫したものの、その時点まではウエットコンディションで好タイムを残していた阪口。20番手スタートながら、順位を上げてフィニッシュした。

「ショートランのウエットのペースはすごい良くて、(朝は)クラッシュしちゃったんですが、白線に乗りすぎただけなので問題なく、クルマもチームが直してくれたのでまったく問題なく走ることができました」

「ただ、決勝になると様子が違って、いまのレインタイヤはロングになるとすごく違った難しい部分が出てくると感じています。そこを理解できたチームとできなかったチームで、結構極端な差が出たなという感じではありました」

「自分のペースとしては、中団勢のなかでは悪くないんですけど、そこで秀でるほどではなかったので、まだ改善が必要だなという感じです」

「まずはドライでの速さを取り戻さないといけない。ウエットの方が、改善しやすそうな感じはあって、ドライの方が根深い問題ではあると思います。ただ、朝のウエットではいろいろと変更した結果うまく走れたので、逆にそれがドライ(のセットアップ)に活きるというのも、じつは見えました。そこは期待して、次戦に臨みたいと思います」

■佐藤蓮(TEAM GOH) 予選15番手/決勝10位
 スタート前からフロントタイヤを守ることの重要性を認識していたというルーキーの佐藤は、前半に冷静に状況を判断し、思惑どおりレース後半に順位を上げ、ポイントを獲得した。

「日曜朝のプラクティスから雨のセットはあまり決まっている状態ではなかったですが、エンジニアの皆さんとずっと話をして、ウォームアップ走行までにかなりいい状態に持っていくことができました」

「レースが始まって序盤は雨量も多くて前が見えない状況だっったので、まずは落ちついてタイヤとクルマをマネジメントして。後半に向けて乾いていくことはわかっていたので、そこに向けてフロントタイヤをマネジメントして、他のクルマのペースが落ちてきたところで、チャンスを1台ずつつかんでいきました」

「自分自身の自信にもつながりましたし、ここで良かったところが次のレイン(コンディション)でも活きてくると思うので、それに関してはすごく良かったと思います」

2022スーパーフォーミュラ第3戦鈴鹿 佐藤蓮(TEAM GOH)
2022スーパーフォーミュラ第3戦鈴鹿 佐藤蓮(TEAM GOH)