4月23日、2022年FIA F2の第3戦イモラのスプリントレース(決勝レース1)が、イタリアのイモラ・サーキットで開催され、マーカス・アームストロング(ハイテックGP)が今季初優勝。ユアン・ダルバラ(プレマ・レーシング)が2位、デニス・ハウガー(プレマ・レーシング)が3位表彰台を獲得した。
コース幅が狭く終始接近戦とならざるをえなかったイモラでの一戦、「ユアン(・ダルバラ)からのプレッシャーに耐えるのはタフではなかったか?」という質問に対し「彼はとてつもなく速かった」とアームストロング。
「スタートは思ったほどクリーンではなかったよ。ローガン(・サージェント/カーリン)は新品のタイヤでスタートしたんだ。普段はレース前にウォームアップするけれど、新品タイヤでスタートしたのを見て、1コーナーまでにトップに立てると思った」
「スタートはあまり良くなかったけれど、幸いにもトップをキープしてレースを順調に走れた。ユアンはとてつもなく速くて、最後は彼の方が速くなると読んでいたんだ。彼の狙いを多少なりとも感じ取っていたからね」
「僕たちはとても仲が良いから、このことについて何度も話したよ。彼はいったん距離を置いてタイヤを温存し、最後にアタックしてプレッシャーをかけてくるとね。僕はいつもリヤタイヤに余力を残すんだ。最後に仕掛けてきた時にディフェンスできるようにね。ついに優勝できてハッピーだ」
無線トラブルでピットと交信ができなかったことについては「笑われるかもしれないけれど、楽しかったよ」と語る。
「いわばひとりで考えているようなものだ。それでもギャップと何が起きているのかは把握できていた。コース外にはたくさんのテレビがあったから、ドライビング中はテレビを見るようにしたいたんだ。テレビを見てもユアンが接近することはなかったしストレスはなかった」
「バーチャルセーフティカー(VSC)からのリスタートは間違いなく大きなストレスだった。というのもエンジニアから『VSCが終わるから準備しておけ』という指示がないと何も分からないので、常に2速で待機していたんだ。たとえVSCが継続されるとしてもね。これはストレスだった。ラッキーなことにグリーンシグナルがテレビで確認できた。とてもラッキーだったよ」
元フェラーリ・ドライバーズ・アカデミー(FDA)の一員として5年間をマラネロで過ごしたアームストロング。イタリアでの勝利には特別な思いがあるという。
「イモラはマラネロから45分の場所で、馴染み深い場所なんだ。ここに戻れたことはクールで、どんな理由にせよ多くのファンが駆け付けてくれた。FDAで多くの時間を過ごしたから、この応援は本当にうれしい。父と妹も来てくれたしね、特に妹にとっては初めてのレース観戦だったから優勝できたんだね」
優勝にあと一歩届かなかった2位のダルバラは「つねにギリギリまで迫ったけれど届かなかったのが正直なところだ」とコメント。
「彼がミスするのを待ったけれど、それが一切ないレースだった。セーフティカー(SC)後の数周はDRSも使い可能な限りのプレッシャーをかけた。ただ最後の2コーナーでは彼についていくのは必死だった。早々にリヤタイヤを使ってしまったよ」
「一息ついて、終盤にもう一度仕掛けた。けれど最後の1〜2周はふたたびグリップを失ったので厳しかったよ。ペースが良かったけれどそれを使いこなせなかった。ミドルセクターで彼についていくのは大変だったから」
昨季FIA F3王者で今季初表彰台を獲得したハウガーは「間違いなく最高の週末をスタートした」と語る。
「テスト後、F2マシンに慣れてきた。ドライ路面でそのステップを踏めたことはうれしかったし、スタート直後からペースはすごくよかった。ただちょっと気合が入りすぎてしまい、中盤からペースが徐々に落ち始め、終盤は戻ってきた。まとめると、スタートの良さがこのレースを組み立てられたと思う。すぐに3番手になれたから」
「5番手スタートですべてがうまく行ったことは、明日に向けてもいいスタートが切れたと思っている。もう少し何事にも知識を持つべきだが、全体的にとてもよかった」
レース終盤にボディワークの緩みが見られたハウガーだが「問題なかった」という。
「特にハイスピードコーナーでサイドポッドが少し曲がりブレーキングバランスが少しおかしくなったけれど、それ以外に影響はなかったよ。もちろん巻き上げないように右サイドに寄りながら走ったが、それ以外は問題ない。ドライビングに集中してレース中はクリーンな状態を保つようにしたんだ」