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 4月23日、2022年FIA F2の第3戦イモラのスプリントレース(決勝レース1)が、イタリアのイモラ・サーキットで開催され、マーカス・アームストロング(ハイテックGP)がFIA F2通算2勝目、そして今季初優勝を飾った。日本勢の岩佐歩夢(ダムス)は9位、佐藤万璃音(ビルトゥジ・レーシング)は16位でチェッカーを受けている。

 第3戦決勝レース1のグリッドは、22日に行われた予選トップ10のリバースグリッドで決定され、予選で10番手タイムを記録したウイリアムズ育成のローガン・サージェント(カーリン)がポールシッターとなった。

 フロントロウ2番グリッドに昨年をもってフェラーリドライバーアカデミー(FDA)を離れたアームストロングが並び、セカンドロウ3番グリッドにユアン・ダルバラ(プレマ・レーシング)、4番グリッドにテオ・プルシェール(ARTグランプリ)が続いた。そして、予選で2番手タイムを記録した岩佐は9番グリッドから、佐藤は22番グリッドからスタートを迎えることとなった。

 そんなレース1直前のレコノサンスラップでアムーリ・コルデール(ファン・アメルスフォールト・レーシング)がスピンを喫し、ウォールにヒット。リヤセクションにダメージを受け、スタート進行中の僅かな時間では修復が叶わず、レース1は全21台で争われることとなった。

 現地時間17時55分、気温18.3度、路面温度25度、天候は曇りというドライコンディションのなか、25周の決勝レース1はスタートを迎えた。

 ポールスタートのサージェントだったが、スタートで大きく出遅れてしまう。代わりにアームストロングがトップに浮上し、ダルバラ、デニス・ハウガー(プレマ・レーシング)、ロイ・ニッサニー(ダムス)が追随。サージェントは5番手にポジションを落とすこととなった。

 そんななか、第2戦ジェッダのフリー走行でクラッシュし、負傷欠場となったジェム・ボリュクバシの代役としてFIA F2復帰を果たしたデイビッド・ベックマン(チャロウズ・レーシング・システム)が、1周目のタンブレロシケイン立ち上がりでクレモン・ノバラック(MPモータースポーツ)と接触。ベックマンがコースサイドに車両を止めたことで、スタート早々にセーフティカー(SC)が導入された。

 レースは5周目に再開を迎えると、アームストロングがリスタートでダッシュを決める。一方、9番手スタートの岩佐は5周目のリヴァッツァ(ターン17)進入でリアム・ローソン(カーリン)にかわされ10番手にポジションを落としてしまう。

 7周目よりDRS使用可能となるが、トップのアームストロングは2番手ダルバラに対し1.5秒のギャップを築いて周回。一方のダルバラもこの時点でのファステストラップを記録して追うが、なかなかギャップは縮まらず。その間に3番手のハウガーがダルバラの後方0.6秒差とDRS圏内に入り、レッドブル育成同士かつプレマ・レーシング同士の2番手争いは接戦となる。

 そんななか、10周目にラルフ・ボシュング(カンポス・レーシング)がトラブルでコースサイドに車両を止め、バーチャルセーフティカー(VSC)が導入される。11周目にVSC解除を迎えたが、ここでダルバラがトップのアームストロングに0.8秒差まで接近する。

 レース中盤、ダルバラはDRSの後押しもあり、セクター1ではアームストロングとのギャップを縮める。しかし、セクター3ではアームストロングが好走をみせ、両者のギャップは縮まらないままレース終盤へ突入。

 中盤アームストロングを追うべくペースを上げたダルバラは徐々に遅れ始め、19周目には1.3秒差とDRS圏外に。そんななか、3番手のハウガーの左側リヤカウルがわずかに開いてしまう。その影響もあってか、ハウガーは徐々に4番手ニッサニーの接近を許すこととなる。

 残り3周となった22周目、ダルバラはふたたびスパートをかけて、アームストロングのDRS圏内まで接近するも、対するアームストロングも応戦。1.3秒差をつけてファイナルラップを迎えると、そのままトップチェッカーを受け、今季初優勝。そしてFIA F2で自身2勝目を飾った。2位は終始アームストロングを追う展開となったダルバラ。終盤ニッサニーの猛追を受けるもポジションを守ったハウガーが3位に入り、FIA F2初表彰台を獲得した。

 序盤ローソンにポジションを奪われた岩佐だったが、ボシュングのリタイアもあってスタートポジションと同じ9位でチェッカー。惜しくもポイント獲得とはならなかった。一方、最後尾スタートの佐藤は粘りの走りで6ポジションアップの16位でチェッカーを受けている。
 
 続く、FIA F2第3戦イモラのフィーチャーレース(決勝レース2)は現地時間4月24日の10時20分(日本時間17時20分)から行われる。フロントロウ2番グリッドからスタートする岩佐は、日本、そして世界から注目を集める一戦を迎えることとなる。

■FIA F2第3戦イモラ スプリントレース(決勝レース1) リザルト/編集部集計

Pos. No. Driver Team Time/Gap
1 7 M.アームストロング ハイテックGP 25Laps
2 2 J.ダルバラ プレマ・レーシング 1.431
3 1 D.ハウガー プレマ・レーシング 2.243
4 16 R.ニッサニー ダムス 2.803
5 11 F.ドルゴヴィッチ MPモータースポーツ 7.045
6 6 L.サージェント カーリン 9.821
7 10 T.プルシェール ARTグランプリ 12.372
8 5 L.ローソン カーリン 12.826
9 17 岩佐歩夢 ダムス 13.436
10 9 F.ベスティ ARTグランプリ 17.714
11 3 J.ドゥーハン ビルトゥジ・レーシング 20.179
12 22 E.フィッティパルディ チャロウズ・レーシング・システム 21.059
13 20 R.フェルシュフォー トライデント 21.493
14 21 C.ウィリアムズ トライデント 22.942
15 8 J.ビップス ハイテックGP 23.275
16 4 佐藤万璃音 ビルトゥジ・レーシング 24.216
17 14 O.コルドウェル カンポス・レーシング 24.637
18 24 J.ヒューズ ファン・アメルスフォールト・レーシング 25.856
19 12 C.ノバラック MPモータースポーツ 26.299
15 R.ボシュング カンポス・レーシング DNF
23 D.ベックマン チャロウズ・レーシング・システム DNF
25 A.コルデール ファン・アメルスフォールト・レーシング DNS