2022年のF1は4戦目を迎え、ヨーロッパラウンドが開幕した。その緒戦となるエミリア・ロマーニャGPは、角田裕毅が所属するアルファタウリにとって、重要なグランプリだ。エミリア・ロマーニャGPが行われるイモラから、チームのファクトリーがあるファエンツェまではわずか15kmしかなく、9月に開催されるイタリアGP以上にホームレースとしての意味合いが強いからだ。
そのホームレースにアルファタウリは、マシンをアップデートしてきた。
だが、エミリア・ロマーニャGPの初日は、あいにくの雨模様。しかも、今回のエミリア・ロマーニャGPはスプリント(昨年までのスプリント予選)が導入されるため、予選までのセッションは、1回しかない。投入したアップデートをサーキットに合わせて最適化する時間が通常以上に限られる。角田も「こういうコンディションなので、真のパフォーマンスがどうなのかがわかりづらくなることは仕方がない」としつつも、チームがアップデートを投入したこと自体はポジティブに受け止めていた。
ウエットコンディションのなかで行われたフリー走行1回目。アップデートしたマシンで、角田は9番手のタイムを記録。まずまずのスタートを切っていた。
「予選でいいポジションにいれば、アップデートが機能していると思ってもらっていいと思いますが、予選まではいろいろと試すので、わからないと思います。ただ、こんなに雨が降っていると(インタビュー中は激しい雨)、なかなか本来のパフォーマンスはわからないと思います」
雨脚はその後、徐々に弱まり、予選が開始される午後5時にはほとんど上がっていた。Q1の開始直後にコースインした角田はインターミディエイト(雨用と晴れ用の中間)タイヤを装着したが、コースインした直後に、走行ラインが乾き出していることを確認すると、計測ラップを完了せずに、すぐさまピットイン。ソフトタイヤに履き替えて、再びアタックを開始した。
新品のソフトタイヤを履いてアタックを開始した角田だったが、直後にアレクサンダー・アルボン(ウイリアムズ)が右リヤブレーキにトラブルを抱えて、走行中にパーツがコース上に飛び散ったため、赤旗中断となった。
再開後、再び新品のソフトタイヤを履いてコースインした角田は、Q1通過ラインのタイムを刻み続けたものの、角田がタイムアタックを終えた後に、路面コンディションが急速に良くなり、セッション終了間際にQ1通過ラインを脱落。15番手のルイス・ハミルトン(メルセデス)からわずか1000分の4秒遅れで、Q2進出を逃した。
「アップデートを導入していたので、中団に食い込めると思っていたけど、今日はかなり苦戦したし、パフォーマンスもいまひとつでした。チャンスを活かせなかったのは残念だけど、明日はスプリントがあり、日曜日はレースもあるから、まだ可能性はたくさん残っています」(角田)
2日目以降の挽回に期待したい。