5月22日、2022年FIA F2の第4戦バルセロナのフィーチャーレース(決勝レース2)が、スペインのカタロニア・サーキットで開催され、フェリペ・ドルゴヴィッチ(MPモータースポーツ)がスプリントレースに続き優勝。アルピーヌ育成のジャック・ドゥーハン(ビルトゥジ・レーシング)が2位、メルセデス育成のフレデリック・ベスティ(ARTグランプリ)が3位を獲得した。
ピット戦略を活かして順位を上げたドルゴヴィッチは「10番手から1位になるなんて想像もつかなかった。本当に素晴らしい週末、最高のレースになったよ。トップ5が現実的だと思った。けれどどんな形であれ表彰台に上がれたら最高にうれしいし、優勝はそれ以上にないものだね」と語った。
ピットインを遅らせる戦略を取り、ソフトタイヤを長持ちさせた秘訣について問われると「テストで入念な準備を行った」とドルゴヴィッチ。
「ハードがソフトよりも少し長持ちすることはわかっていたが、充分ではなかった。だからソフト(寄りのセットメニュー)にフォーカスしてさらに長持ちさせようと考えた。それが功を奏したよ。マシンはソフトにマッチしていて、ソフトを長持ちさせられたんだ。ハードでもいい走りができたけれど、(ライバルよりも)タイヤの消耗が最低でも5周少ない状態だったので、レース終盤はフィーリングがとても良かった。心の底からハッピーさ」
FIA F2参戦後ベストリザルトの2位を獲得したドゥーハンは「2位を獲得できたのはうれしいことさ。もっと早く表彰台に上がりたかったけれど、ポイントを獲得できてよかった」とコメントした。
「まずまずのスタートを切って、これといって大きな変化はなかったが、トップをキープできた。これはすごく重要で、今までのスタートよりも進歩したよ。最初のスティントではタイヤマネジメントに徹し、最終的にはソフトでもっと長く走ればよかったと思う。いつタイヤがタレてくるのか分からなかった。これは僕の経験によるものだ。それでも僕たちのペースは素晴らしかったから、もっと長く走ればよかったと思う」
「ピットストップは問題なくて、ハードタイヤではあまりプッシュしないようフレッド(ベスティ)との差をマネジメントしていたんだ。彼が追いついてこなければタイヤをセーブできると考えたから」
「すると突然、ミラーにフェリペ(ドルゴヴィッチ)が映ってきた。彼がハードプッシュしていることを願ってたよ。もし彼が接近しても戦わないつもりだった。まだ12周ほど残っていたから、(抜かれても)うまく行けば彼に追いつけたかもしれないとね。けれど今日の彼に対してそれはできなかった」
「終盤のペースは悪くなかった、僕とフェリペは他のドライバーよりもかなり速かったと思う。もちろん今日は彼らの方がわずかに速かったけれど、モナコで反撃できることを楽しみにしているよ」
「僕のレースペースを引き上げてくれたチームのみんなに心から感謝している。完璧なパッケージに一歩近づいたんだ。難しいバルセロナでこのレースは自信になった。でも僕たちはまだ最速ではないし彼らは今のところもっといい仕事をしている、フェリペは間違いなくね。僕たちにもそれを可能にするマシンがあると確信しているから、あとはスイートスポットを見つけるだけだ」
FIA F2初表彰台となる3位を獲得したベスティもこの結果に喜んだ。
「間違いなくいい気持ちさ。もちろん僕にとってFIA F2初表彰台だから大きな意味があるよ。けれどこの1年を見るとバーレーンとジェッダは散々だった。イモラで調子が上向いて、ここバルセロナで大きくジャンプアップできた。ARTグランプリと僕のポテンシャルを示すものだと思うし、この週末からは何がもっと上手くできるのかを理解していくよ」
「(レースでは)悪くないスタートを切れたね、とても安定したんだ。ソフトタイヤはしっかりグリップしていたしスリップストリームでジャックについていくだけだったから、なかなか良かったね」
「レースが終わった今となってはソフトでもう少し長く走れたとはっきり思う。FIA F2フィーチャーレースのトップで戦うのは初めてだったから、チームのプランに従って走ったんだ。振り返れば改善点があるのは間違いないよ。ピットインするまでジャックと同じような力強いペースで走れたからね」