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 5月21日、2022年FIA F2の第4戦バルセロナのスプリントレース(決勝レース1)が、スペインのカタロニア・サーキットで開催され、フェリペ・ドルゴヴィッチ(MPモータースポーツ)が優勝を飾った。そして日本勢の岩佐歩夢(ダムス)が2位に入りFIA F2初表彰台を獲得。佐藤万璃音(ビルトゥジ・レーシング)は17位でチェッカーを受けている。

 決勝レース1のグリッドは、20日に行われた予選トップ10のリバースグリッドで決定された。予選で10番手タイムを記録したドルゴヴィッチがポール獲得したかに思われたが、予選中にテオ・プルシェール(ARTグランプリ)のアタックを妨害したとして、予選終了後に3グリッド降格の裁定が下された。

 これにより、予選で9番手タイムを記録したカラン・ウィリアムズ(トライデント)が繰り上がりで決勝レース1のポールポジションを獲得。フロントロウ2番グリッドにジェイク・ヒューズ(ファン・アメルスフォールト・レーシング)、セカンドロウ3番グリッドにテオ・プルシェール(ARTグランプリ)、そして4番グリッドにドルゴヴィッチが続いた。

 予選で6番手タイムを記録した岩佐は5番グリッドから、そして佐藤は18番グリッドからスタートを迎えることとなった。

 現地時間17時40分、気温29度、路面温度36度、天候は晴れというドライコンディションのなか、フォーメーションラップはスタートを迎えた。しかし、ポールスタートのウィリアムズは動き出すことができず、マーシャルの手でピットレーンに移動されることに。これにより、ヒューズが先頭で26周の決勝レース1はスタートを迎えた。

 ここで、ドルゴヴィッチと岩佐が好スタートを決め、ドルゴヴィッチがホールショットを奪う。岩佐は2番手にポジションを上げてターン1を通過。さらに、背後には6番手からジャンプアップしたローガン・サージェント(カーリン)が続く。一方、実質のポールスタートだったヒューズは5番手に、実質の2番手スタートとなったプルシェールは6番手にポジションを落とすことに。

 ドルゴヴィッチ、岩佐、サージェント、ヒューズ、ユアン・ダルバラ(プレマ・レーシング)のオーダーで迎えた3周目、2番手の岩佐はその時点でのファステストを記録しドルゴヴィッチの背中を追うが、DRS使用可能となると3番手のサージェントもペースアップ。

 サージェントが5周目の1コーナーで岩佐にしかけ、サイド・バイ・サイドのバトルとなったが、ここは岩佐が死守する。続く6周目、ユーリ・ビップス(ハイテックGP)が6番手走行中に単独スピンを喫し、コースサイドのグラベル上でストップ。これによりセーフティカー(SC)が導入される。

 10周目にドルゴヴィッチを先頭にレースは再開。岩佐、サージェント、ヒューズ、ダルバラと隊列が続いていく。上位勢は終盤のスパートに向けてタイヤを温存したため、順位変動なく周回は続く。13周目より再びDRSが使えるようになるも、岩佐はドルゴヴィッチとのギャップを1.5秒に抑えながら残り10周となる15周目を迎えた。

 ここでドルゴヴィッチがペースアップ。16周目突入時点で岩佐とのギャップを2秒まで広げる。逆にサージェントがDRSを活用し、岩佐の背後0.7秒まで接近する。

 一方、20周目にはドルゴヴィッチがファステストラップを更新。岩佐とのギャップを2.7秒まで広げる。岩佐はDRS圏内に入ることはできず、依然として背後にサージェントが迫る中、終盤のスパートをかける。そんな中、4番手を走行していたヒューズはタイヤの限界か、ペースダウン、ダルバラ、プルシェール、そして22周目にはジャック・ドゥーハン(ビルトゥジ・レーシング)と次々とかわされることに。

 残り5周を迎え、岩佐はドルゴヴィッチとのギャップを1.8秒まで縮める。それを見たドルゴヴィッチはセクター1を自己ベスト、セクター2、セクター3と全体ベストを更新する余裕を見せ、このレースのファステストラップを記録。岩佐とのギャップを一気に3秒まで広げる。

 岩佐もプッシュを続け、サージェントとのギャップを1.2秒まで広げるも、ドルゴヴィッチとのギャップを縮めるまでには至らず。そのままドルゴヴィッチがトップでチェッカー。岩佐は2位に入り、FIA F2初表彰台獲得となった。3位は終始、岩佐とバトルを繰り広げたサージェントが続いた。もうひとりの日本勢、佐藤は1ポジションアップの17位でチェッカーを受けている。

 FIA F2第4戦バルセロナ、続くフィーチャーレース(決勝レース2)は現地時間5月22日の11時35分(日本時間18時35分)から行われる。岩佐は6番手から、佐藤は18番手からスタートを迎える。引き続き、F1直下で繰り広げられる戦いに注目したい。

■FIA F2第4戦バルセロナ スプリントレース(決勝レース1) リザルト/編集部集計

Pos. No. Driver Team Time/Gap
1 11 F.ドルゴヴィッチ MPモータースポーツ 26Laps
2 17 岩佐歩夢 ダムス 2.109
3 6 L.サージェント カーリン 4.165
4 2 J.ダルバラ プレマ・レーシング 8.493
5 10 T.プルシェール ARTグランプリ 9.251
6 3 J.ドゥーハン ビルトゥジ・レーシング 10.481
7 9 F.ベスティ ARTグランプリ 16.430
8 22 E.フィッティパルディ チャロウズ・レーシング・システム 17.256
9 5 L.ローソン カーリン 17.705
10 7 M.アームストロング ハイテックGP 18.524
11 20 R.フェルシュフォー トライデント 25.321
12 1 D.ハウガー プレマ・レーシング 25.997
13 14 O.コルドウェル カンポス・レーシング 26.476
14 12 C.ノバラック MPモータースポーツ 29.315
15 16 R.ニッサニー ダムス 31.490
16 21 C.ウィリアムズ トライデント 33.781
17 4 佐藤万璃音 ビルトゥジ・レーシング 37.436
18 23 C.ボリュクバシ チャロウズ・レーシング・システム 53.281
19 25 A.コルデール ファン・アメルスフォールト・レーシング 1:05.926
20 24 J.ヒューズ ファン・アメルスフォールト・レーシング 2Laps
8 J.ビップス ハイテックGP DNF
2022FIA F2第4戦バルセロナ 岩佐歩夢(ダムス)
2022FIA F2第4戦バルセロナ 岩佐歩夢(ダムス)