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 インディアナポリス・モータースピードウェイで開催されている伝統の一戦、第106回インディアナポリス500マイルレース。ファーストフライデイと呼ばれる20日は、佐藤琢磨(デイル・コイン・レーシング・ウィズ・リック・ウェア・レーシング)が引き続きトップスピードとなる232.789mphを記録した。

 NTTインディカー・シリーズ第6戦にスケジュールされた第106回インディ500。走行4日目は、予選前最後となる6時間のプラクティスデイでファストフライデイと呼ばれる。

 この日からターボチャージャーのブースト圧が約90馬力増加され、一気にスピードアップ。翌日からの予選に向けて各車が走行を重ねた。

 インディ500の予選は、アテンプトと呼ばれ1回4周を走行しその平均スピードでグリッドを争う。

 12時よりグリーンフラッグが振られプラクティスがスタートすると、マシンを確かめながら、4周の予選シミュレーションを行っていった。

 セッション序盤でアレクサンダー・ロッシ(アンドレッティ・オートスポート)が231.883mph(38秒8127)を記録。パト・オワード(アロウ・マクラーレンSP)も0.0142秒差の231.798mphと続く。

2016年のウイナー、アレクサンダー・ロッシ(アンドレッティ・オートスポート)
2016年のウイナー、アレクサンダー・ロッシ(アンドレッティ・オートスポート)

 しかし、26度を超える高い気温に加え、突風が吹くコンディションのため、各車積極的には走行を行わず、セッションは進んでいく。

 17日からの走行でクラッシュを喫したドライバーはいなかったが、開始から約1時間半、ジミー・ジョンソン(チップ・ガナッシ)がターン2でクラッシュし、最初の壁の犠牲者となった。ジョンソンはマシンを修復させ、セッション終盤に再び走行を行っている。

33人の中で最年長となるトニー・カナーン(チップ・ガナッシ)
33人の中で最年長となるトニー・カナーン(チップ・ガナッシ)

 佐藤琢磨は、セッション中盤くらいから本格的に走行を始めると徐々にスピードをアップさせ、ロッシに次ぐスピードを記録。さらに残り1時間で行った予選シミュレーションで、ここまでで最速となる232.789mph(38秒6616)を記録。連日に続きトップでファストフライデイを終えた。

 2番手はロッシ、3番手にシボレー勢トップとなるオワード。ここまで好調のチップ・ガナッシ勢は、マーカス・エリクソンが4番手、スコット・ディクソンが5番手と上位に入り、8番手に入ったトニー・カナーンは4周連続の予選シミュレーション走行では平均230.517mphとトップだった。

 琢磨の4周連続の予選シミュレーションは、3周目にスピードを落とし平均229.680mphで5番手。

「3周目にダウンフォースを失い、4周目もスピードを落としてしまいました。3周目と4周目がカギですね。ダウンフォースが少なすぎました」と琢磨。

 チームメイトのデイビッド・マルーカスも7番手と好調で、4周の予選シミュレーションでは、カナーンに次ぐ2番手に。1983年のテオ・ファビ以来となるルーキーのポールポジション獲得も期待される。

「僕たちはプログラムを分けたので、デイビッドはより多くのダウンフォースを持っていました。両方のデータを持っていることは良いことですし、明日はそれを組み合わせるだけですね」と琢磨はコメントしている。

ルーキーのデイビッド・マルーカス(デイル・コイン・レーシング・ウィズ・HMD)
ルーキーのデイビッド・マルーカス(デイル・コイン・レーシング・ウィズ・HMD)

 21日から2日間に渡って行われる予選は、予選1日目に13番手以下のグリッドが決定。上位12台は、予選2日目に「トップ12予選」へ進出。ここで7番手から12番手のグリッドが決定し、トップ12予選の上位6台でポールポジションを決する「ファスト6」を実施するフォーマットだ。

 ここまで連日トップの快進撃をみせる佐藤琢磨のインディ500ベストグリッドは、優勝した2020年の3番手。この勢いで日本人初のインディ500ポールポジションを奪取することができるだろうか?

 予選1日目は、ふたつのグループに分かれて9時30分より30分ずつのプラクティス走行を行い、12時よりくじ引き順に予選アテンプト合戦が実施される予定だ。

■第106回インディアナポリス500マイルレース/デイ4総合結果

Pos. No. Driver Team Engine MPH Laps
1 51 佐藤琢磨 デイル・コイン・ウィズ・RWR H 232.789 24
2 27 A.ロッシ アンドレッティ・オートスポート H 231.883 6
3 5 P.オワード アロウ・マクラーレンSP C 231.798 12
4 8 M.エリクソン チップ・ガナッシ H 231.782 7
5 9 S.ディクソン チップ・ガナッシ H 231.530 4
6 7 F.ローゼンクヴィスト アロウ・マクラーレンSP C 231.493 13
7 18 D.マルーカス デイル・コイン・ウィズ・HMD H 231.414 39
8 1 T.カナーン チップ・ガナッシ H 231.392 18
9 3 S.マクラフラン チーム・ペンスキー C 231.206 14
10 2 J.ニューガーデン チーム・ペンスキー C 231.180 7
11 12 W.パワー チーム・ペンスキー C 231.146 11
12 10 A.パロウ チップ・ガナッシ H 231.085 4
13 24 S.カラム ドレイヤー&レインボールド・レーシング C 230.826 14
14 20 C.デイリー エド・カーペンター・レーシング C 230.589 37
15 28 R.グロージャン アンドレッティ・オートスポート H 230.270 10
16 77 C.アイロット フンコス・ホーリンガー・レーシング C 230.147 13
17 48 J.ジョンソン チップ・ガナッシ H 229.929 13
18 98 M.アンドレッティ アンドレッティ・ハータ H 229.850 7
19 06 H.カストロネベス メイヤー・シャンク・レーシング H 229.677 23
20 21 R.ヴィーケイ エド・カーペンター・レーシング C 229.635 16
21 60 S.パジェノー メイヤー・シャンク・レーシング H 229.184 10
22 33 E.カーペンター エド・カーペンター・レーシング C 228.334 14
23 4 D.ケレット A.J.フォイト・レーシング C 227.157 22
24 15 G.レイホール レイホール・レターマン・ラニガン H 226.819 12
25 29 D.デフランチェスコ アンドレッティ・スタインブレナー H 226.697 18
26 23 S.フェルッチ ドレイヤー&レインボールド・レーシング C 226.627 32
27 25 S.ウィルソン ドラゴン・スピード C 226.233 11
28 11 JR.ヒルデブランド A.J.フォイト・レーシング C 226.198 17
29 14 K.カークウッド A.J.フォイト・レーシング C 226.064 17
30 30 C.ルンガー レイホール・レターマン・ラニガン H 225.883 7
31 45 J.ハーベイ レイホール・レターマン・ラニガン H 224.319 8
32 6 J.P.モントーヤ アロウ・マクラーレンSP C 223.764 6
33 26 C.ハータ アンドレッティ・オートスポート H 220.640 7