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 バクー市街地サーキットは、来月開催されるF1第8戦アゼルバイジャンGPに向けてピットレーンを改修し、昨年のレースで起きたドラマを踏まえて、安全性を向上するつもりだ。

 ドライバーは、コンクリートバリアでコースと区切られているピットエントリーをフルスピードで通りすぎるが、エントリーの一部はコースに対し非常にオープンな角度になっており、問題が発生した場合にドライバーたちは無防備な状態になってしまう。

 このピットエントリーの構成については、ランス・ストロール(アストンマーティン)とレースリーダーのマックス・フェルスタッペン(レッドブル)がストレートでタイヤトラブルに見舞われたことを受けて、2016年のF1世界チャンピオンのニコ・ロズベルグが自身のYouTubeチャンネルにアップした動画のなかで非難していた

「ここでマシンの何かが故障したと想像してみてほしい」とロズベルグは当時語った。「時速350kmで走っているんだ。左側にはウォールだけが立ちはだかっている。もし何かが故障してあのウォールに突っ込んだら終わりだ。無傷ではすまない」

「ここは僕がF1マシンをドライブしたなかで最も恐ろしい場所のひとつだ。あそこへ行くのはとんでもなく間違っていると感じる。でも挑戦してやってみなければならないんだ」

マックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)
2021年F1第6戦アゼルバイジャンGP 46周目のメインストレートで左リヤタイヤのバーストに見舞われたマックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)

 当時FIAのレースディレクターを務めていたマイケル・マシはロズベルグのコメントを否定し、バクーのピットエントリーは「FIAがレギュレーションで求めている様々な安全要件のすべてを満たしている」と述べた。

 しかしFIAはこの件について考え直したようで、アゼルバイジャンGPの主催者アリフ・ラヒモフは、月曜日にZoomを使用したメディアとの会見で次のように説明した。

「ピットレーン入口にはわずかな変更を加えているところだ」とラヒモフは語った。

「コース自体に変更はないが、我々はFIAからピットレーン入口を少し変更して、安全性を高めるように要請された」

「どうなるか様子を見ることになる。ドライバーは通常ピットレーンに入る時にそれほどミスを犯すことはない」

 ラヒモフはさらに、新世代のF1マシンの車高の低さを考慮して、週末の間に縁石の一部を変更する可能性があることも明らかにした。

「ドライバーはフリー走行の時に、『ここの縁石はなくした方がいい、ここには追加した方がいい』と言うことがある」とラヒモフは説明した。

「旧市街に接したコーナーは狭いセクションになっている。そこの縁石については当初から変更を繰り返してきた。追加し、除去し、また追加するといった具合だ。そのため、マシンがコースを走り出すまでは分からないのだ」

2021年F1第6戦アゼルバイジャンGP バクー市街地サーキットの縁石

 またラヒモフは、バクーでは2023年に予定されているF1の6回のスプリントのうち1回を開催したいと強く希望していると語った。その件はF1との話し合いの議題になっているという。

「F1が現在どれだけ多忙かということを考えると、彼らの注意を新しいことに向けるのは、実際にここでレースを開催している時が一番だと思う」

「私は(スプリントレースに)大いに賛成だ。このアイデアをとても気に入っている。年間を通して少し混ぜるのはいいことだと思う」

「同じフォーマットに人々が慣れすぎてしまうと、物事は退屈になる。そうすると興味が失われてしまう。だからこうした変更が加わるのは、F1にとっていいことだと考えている」