5月14~15日、2021/2022年ABB FIAフォーミュラE世界選手権“シーズン8”の第7戦、第8戦となるベルリンE-Prixがドイツ・ベルリンのテンペルホーフ空港跡地に設営された特設サーキットで開催され、第7戦はエドアルド・モルタラ(ロキット・ベンチュリ・レーシング)、第8戦はニック・デ・フリース(メルセデスEQフォーミュラEチーム)が優勝を飾った。
早くもシーズン中盤戦を迎えた2022年のフォーミュラE。ベルリンダブルヘッダー初戦となる第7戦でポールポジションを獲得したのは好調モルタラとなり、2番手にアレクサンダー・シムズ(マヒンドラ・レーシング)、3番手にはアントニオ・フェリックス・ダ・コスタ(DSテチーター)が続いた。
決勝レースのスタートではポールのモルタラが好ダッシュを決め、トップをキープ、その後ろでは3番グリッドのダ・コスタがシムズの横に並びかけるも、シムズも2番手の座を譲らずにオープニングラップを終える。しかし3周目、ヘアピンでダ・コスタがシムズのインに入り2番手に浮上する。
その後10周を終えた時点で、上位18人の差はわずか10秒となり、モルタラを先頭に、ダ・コスタ、アンドレ・ロッテラー(タグ・ホイヤー・ポルシェ・フォーミュラEチーム)、ジャン-エリック・ベルニュ(DSテチーター)、シムズ、パスカル・ウェーレイン(タグ・ホイヤー・ポルシェ・フォーミュラEチーム)、ミッチ・エバンス(ジャガーTCSレーシング)、ジェイク・デニス(アバランチ・アンドレッティ・フォーミュラE)、ストフェル・バンドーン(メルセデスEQフォーミュラEチーム)がコンマ数秒差で続く展開に。
19周目には8番手スタートから12番手まで後退していたバンドーンが6番手までポジションを上げてくると、20周目にはDSテチーター2台をかわして3番手に浮上し、コースのアウト側に設けられたアタックモードアクティベートゾーン通過で後退したモルタラに変わりバンドーンが先頭に立つ。
レース残り10分を切るとバンドーンとモルタラのトップ争いが激化し、32周目のヘアピンでモルタラが再びトップに躍り出る。その後方からはベルニュがペースを上げ、残り5分というところでバンドーンをかわして2番手に浮上してくると、トップのモルタラを猛然と追い上げていく。
レースは残り1分30秒となり、ベルニュは最終コーナーのヘアピンでモルタラのインに飛び込むも、ブレーキングで止まりきれずに痛恨のオーバーランを喫してしまう。これでリードを奪ったモルタラがファイナルラップを走り切り自身初のポール・トゥ・ウインを達成、バンドーンの追撃を防ぎきったベルニュが2位フィニッシュとなった。
モルタラは翌15日に行われた第8戦の予選でもポールポジションを獲得して速さをみせる。2番手にはロビン・フラインス(エンビジョン・レーシング)、3番手にはニック・デ・フリース(メルセデスEQフォーミュラEチーム)が続いた。
第7戦とは逆向きのコースレイアウトで争われる第8戦では、スタートで3番グリッドのデ・フリースがフラインスをかわすと、1コーナーでポールスタートのモルタラのインに入り込み早くも先頭に立つ。トップに立ったデ・フリースはアタックモードにいち早く突入し、一時トップの座をモルタラに譲るも、アタックモードのブーストを利用してすぐにトップの座に返り咲く。
レース中盤に差し掛かると、デ・ブリースは2秒のリードを築き快走をみせる。その後方では、モルタラがディ・グラッシに2秒差、ディ・グラッシがフラインスに1秒差をつけており、レースはトレイン状態で進んでいく。
デ・フリースはその後も2番手以下とのリードを広げ、一度もトップを譲ることなくチェッカーフラッグを受けた。2.5秒差の2位にモルタラ、そして3位には、残り2分でディ・グラッシをオーバーテイクしたバンドーンが表彰台の一角を仕留めた。
チャンピオンシップではバンドーンが111ポイントを獲得してランキングトップを維持し、モルタラも99ポイントでランキング2位に浮上。また、メルセデスEQフォーミュラEチームはチームランキングでもトップに立っている。フォーミュラEの次戦は6月4日にインドネシア・ジャカルタで第9戦が開催される予定だ。