23戦からなる2022年のカレンダーは、F1史上最長のものだ。たとえレース数が少なかった場合でも、ウクライナでの戦争によってチームの物流部門の仕事はいっそう厳しくなっている。
ロシアの運送会社はもはや選択肢にならないので、航空貨物の輸送能力は大幅に減少している。そして需要と供給の世界では、供給が減ると価格は上昇する。航空貨物料金が1週間のうちに80%も跳ね上がるという話もあるのだ。
アルファタウリF1のチーム代表であるフランツ・トストは「コストは劇的に増加している」と認めた。予算制限があるため、運賃の上昇はすべてのチームにとって非常に深刻な問題だ。レッドブルF1のチーム代表を務めるクリスチャン・ホーナーは次のように話した。
「貨物運賃が現在予算制限に含まれていることを考えると、これらインフレによるコストを考慮した合理的な手当をつける必要があるだろう。なぜなら、結局のところパーツひとつひとつ、人員ひとりひとりに影響があるからだ。補償のために相殺できる唯一の部分だ。F1もFIAもそのことを敏感に察知している。各チームは概して実行可能な解決策を探そうとしていると思うが、これは懸念事項であり、早急に対処する必要があることだ」
しかしこれはコストだけの問題ではない。航空貨物の積載量が減少すると、貨物が予定どおりに到着しないリスクも高まる。それは、MotoGP関係者に聞いてみれば分かる。数週間前、一部チームのコンテナが到着しなかったため、彼らは第3戦アルゼンチンGP初日のフリー走行をキャンセルしなければならなかった。
「物流の面では、解決すべき多くの問題がある。すべてのチームがマシンやトラック設備を間に合うようにそろえることができるよう願っている。MotoGPであったような遅れがないようにね」とトストは語った。
「カレンダーは非常に複雑で、開催期間中はとてもタイトだ。何度かのトリプルヘッダーとダブルヘッダーが今年後半に控えている。一定期間に貨物が届かないと大混乱を招く可能性がある」とホーナーも述べている。